40章:君を助けに来たヒーローです
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額に走った鋭い衝撃により一瞬だけ目の前が白くなる。
一寸遅れてきてから襲ってきた激痛による涙で視界が歪む中、若葉は自身の前に居るネメシスへと視線を向けた。
片手で額を押さえながら苦悶の表情を浮かべるネメシスの姿。
若葉という存在から、目の前に居る存在から意識が逸れている事に気づくのと同時に行動する。
一瞬の隙を逃さずネメシスから離れ、そのまま玄関へと向かおうとした若葉だったが足が思うように動かずにもつれてしまう。
「……ッ!?」
驚愕に目を大きく見開きながらも若葉はその場に倒れ込む。
硬い床に打ち付けた掌や膝から伝わってくる鈍痛に顔を歪めていた時だ。
「頭に衝撃があったのだ。まともに歩けるわけがない」
未だに痛む額を指先で押さえながらネメシスは若葉に告げた。
常に訓練をしているだろう者ならば問題なく動けただろうが、一般人でしかなく、ましてやメガトロンの庇護下にあった為、危険から遠ざけられていた若葉にはソレは無理なことだった。
「絶体絶命に陥った人間はヒーローが現れると当然のように思う」
コツリ、と靴の音が響く。
ソレは大きな音ではないのに耳に痛いほど大きく聞こえたのはきっと自分が恐怖を抱いているからだと若葉は思いながら、その恐怖から逃れるかのように必死に四肢を動かし、這うようにこの場から逃れようとする。
「大衆向けの物語ならば救いの手がさしのべられるだろう。もしくは神とやらが英雄を遣わすか?……どれも下らん妄想だ」
現実はそんなに甘いモノでも優しいモノでもない、と言い聞かせるかのようにネメシスはわざとらしくゆっくりと逃げ惑う若葉へと近づく。
「力なき者は強者によって蹂躙されるだけだ。故に人は救いを求める」
姿無き偶像へと縋るのは愚かなことだ、と言うかのようにネメシスは嗤う。
「お前にとっての救いはオプティマスか?」
何の感情も宿らぬ声音で問われた言葉を聞くのと同時に若葉は動きを止めた。
脳裏に浮かぶのは柔らかく微笑みながら自分へと手をさしのべているオプティマスの顔。
それはネメシスが言ったように慈悲深い神のようだと、神の遣わした英雄のようだと、今になって思えた。
「無力なお前を助けていたオプティマスはもういない」
神はもう不在なのだから諦めろ。と、言うかのようにネメシスは告げた。
手を伸ばせば若葉に触れられる距離、逃げることすらできなかった無力な者を哀れの眼差しで見下ろす。
「慈悲深く、他者のために戦い、自らのためには何も選べぬ愚かな者はもういない」
誰もが慕っていただろう存在はもう居ない。
救いは訪れない。
それは若葉に言うかのような口調であったが実際には違う。
自身のスパークがズキリと軋むかのような痛み始めており、ネメシスは胸元に手を置いた時、創造主から言われた言葉を思い出す。
『我らの自己意識がスパークにあるのならば、人間の魂とやらは心臓にあるのだろうな』
ネメシスのスパークがある場所を指先で愛おしむかのように触れながら創造主は告げた。
『お前が行き続ける限りオプティマスも生き続ける。お前達は表裏一体の存在なのだから。お前はオプティマスであり、オプティマスはお前なのだ』
創造主の言葉はネメシスの中でオプティマスの魂が存在し続けることを示唆していた。
だからネメシスは警戒したのだ。
自身の中で微かに残っているオプティマス・プライムの存在に。
一瞬の隙を突いて自分を内側から食い殺すだろう者を。
けれどオプティマスは警戒するネメシスを杞憂だと言うかのように沈黙をしていた。
若葉が行動を起こすまでは。
一寸遅れてきてから襲ってきた激痛による涙で視界が歪む中、若葉は自身の前に居るネメシスへと視線を向けた。
片手で額を押さえながら苦悶の表情を浮かべるネメシスの姿。
若葉という存在から、目の前に居る存在から意識が逸れている事に気づくのと同時に行動する。
一瞬の隙を逃さずネメシスから離れ、そのまま玄関へと向かおうとした若葉だったが足が思うように動かずにもつれてしまう。
「……ッ!?」
驚愕に目を大きく見開きながらも若葉はその場に倒れ込む。
硬い床に打ち付けた掌や膝から伝わってくる鈍痛に顔を歪めていた時だ。
「頭に衝撃があったのだ。まともに歩けるわけがない」
未だに痛む額を指先で押さえながらネメシスは若葉に告げた。
常に訓練をしているだろう者ならば問題なく動けただろうが、一般人でしかなく、ましてやメガトロンの庇護下にあった為、危険から遠ざけられていた若葉にはソレは無理なことだった。
「絶体絶命に陥った人間はヒーローが現れると当然のように思う」
コツリ、と靴の音が響く。
ソレは大きな音ではないのに耳に痛いほど大きく聞こえたのはきっと自分が恐怖を抱いているからだと若葉は思いながら、その恐怖から逃れるかのように必死に四肢を動かし、這うようにこの場から逃れようとする。
「大衆向けの物語ならば救いの手がさしのべられるだろう。もしくは神とやらが英雄を遣わすか?……どれも下らん妄想だ」
現実はそんなに甘いモノでも優しいモノでもない、と言い聞かせるかのようにネメシスはわざとらしくゆっくりと逃げ惑う若葉へと近づく。
「力なき者は強者によって蹂躙されるだけだ。故に人は救いを求める」
姿無き偶像へと縋るのは愚かなことだ、と言うかのようにネメシスは嗤う。
「お前にとっての救いはオプティマスか?」
何の感情も宿らぬ声音で問われた言葉を聞くのと同時に若葉は動きを止めた。
脳裏に浮かぶのは柔らかく微笑みながら自分へと手をさしのべているオプティマスの顔。
それはネメシスが言ったように慈悲深い神のようだと、神の遣わした英雄のようだと、今になって思えた。
「無力なお前を助けていたオプティマスはもういない」
神はもう不在なのだから諦めろ。と、言うかのようにネメシスは告げた。
手を伸ばせば若葉に触れられる距離、逃げることすらできなかった無力な者を哀れの眼差しで見下ろす。
「慈悲深く、他者のために戦い、自らのためには何も選べぬ愚かな者はもういない」
誰もが慕っていただろう存在はもう居ない。
救いは訪れない。
それは若葉に言うかのような口調であったが実際には違う。
自身のスパークがズキリと軋むかのような痛み始めており、ネメシスは胸元に手を置いた時、創造主から言われた言葉を思い出す。
『我らの自己意識がスパークにあるのならば、人間の魂とやらは心臓にあるのだろうな』
ネメシスのスパークがある場所を指先で愛おしむかのように触れながら創造主は告げた。
『お前が行き続ける限りオプティマスも生き続ける。お前達は表裏一体の存在なのだから。お前はオプティマスであり、オプティマスはお前なのだ』
創造主の言葉はネメシスの中でオプティマスの魂が存在し続けることを示唆していた。
だからネメシスは警戒したのだ。
自身の中で微かに残っているオプティマス・プライムの存在に。
一瞬の隙を突いて自分を内側から食い殺すだろう者を。
けれどオプティマスは警戒するネメシスを杞憂だと言うかのように沈黙をしていた。
若葉が行動を起こすまでは。
