4章:職場訪問
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手を洗い終えた若葉はトイレから出るとこれからどうしようかと考え始める。
再婚相手がいる仕事部屋に戻るつもりは正直言ってない。
恐らく自分が居る事で満足に話も出来ないだろうと判断したからだ。
だからと言ってここに居る間に滞在している家に戻るのかと問われれば、答えは否だ。
車によってここに来たため帰り方が解らない。
「そもそもなんで私を連れてきたんだか」
普通ならば家で大人しく留守番しているように言うだろうと若葉は思いながら、小さな声で自分をここに連れてきた男に対し文句を言う。
「聞かれたくない話だってあるだろうに・・・軍事施設なんだから普通は一般市民を仕事部屋に呼ばないでしょう」
ボスがボスならば、部下も部下で誰もが当たり前のように再婚相手に対して報告していて、男はそれに対してどう処理をするべきか指示を出していた。
若葉が聞いては色々と問題になるだろう弾薬やら、聞き慣れぬ兵器やらの話題ですら当たり前のように会話をしていたのだ。
軍事施設にはお似合いの物騒な話だと思った時、ある事に若葉は気づく。
「ん?そういえば日本語で会話してたよね」
秘書風の男も、慌ただしく動いていた部下達も、全員が何故か日本を使って会話をしていたことを今になって若葉は理解するのと同時に、そうするように誰かが仕向けたのだということも理解してしまう。
「・・・・あーもぅ」
こんな気遣いなんて気づかなければ良かった。
そう思いながら若葉が額を押さえつけていたときだ。
「・・・・・?」
聞き覚えのない低い男の声が聞こえたのと同時に肩に手を添えられる。
突然のことに若葉は酷く驚き、弾かれるかのように身体を捩ってその手から逃れるかのように数歩後ろへと下がる。
すぐに背中が壁に当たった為、それほど距離を開くことは出来なかったがそれでも見知らぬ他人の感触を自分から離すことが出来たため若葉は少しだけ冷静さを取り戻す。
「・・・・?・・・・。・・・・?」
そこに居たのは初老の男性だった。
灰色の髪に不自然なほど澄んだ青い目をした男は若葉の事を訝しむかのように見つめながら、何か咎めるかのような声音で色々と質問をしてくるのだが、男が話しているのは英語であるので若葉には何を言っているのか全く解らない。
「あのですね、えぇっと・・・私は怪しい者じゃなくて。なんて言えば良いのかな?」
ジリジリと足下から忍び寄ってくる焦燥感からか若葉は怒られているかのような心境になりながらも、自分が怪しい人間ではないのだと説明しようとしたときだ。
「日本語?あぁそうか。君がそうなのか」
初老男性の口から出てきた言葉は聞き慣れた日本語で、それも発音の違いによる違和感を全く感じさせないほどのものだった事に若葉は驚く。
「君は若葉だな?」
男の声は静かなものだというのに若葉はその問いかけに対し、一瞬だけ息が出来なくなるかのような感覚を感じ取るのと同時に、男は母の再婚相手と同じく部下をまとめ上げて命令を下す立場に居るのだと理解する。
「返事はどうした?」
母の再婚相手と一つだけ違うのは、それはこの男には誰かを配慮するという思考がないことだ。
問いかけに対して反応のない若葉を冷たく見据えながら男は返答を求めることから、それは間違い無いと思いながら若葉は持てる力を振り絞りながら声を出す。
「はい。私が、若葉です」
出てきた声はひどく小さくて、そして掠れていたので聞き取り辛いものだった。
再婚相手がいる仕事部屋に戻るつもりは正直言ってない。
恐らく自分が居る事で満足に話も出来ないだろうと判断したからだ。
だからと言ってここに居る間に滞在している家に戻るのかと問われれば、答えは否だ。
車によってここに来たため帰り方が解らない。
「そもそもなんで私を連れてきたんだか」
普通ならば家で大人しく留守番しているように言うだろうと若葉は思いながら、小さな声で自分をここに連れてきた男に対し文句を言う。
「聞かれたくない話だってあるだろうに・・・軍事施設なんだから普通は一般市民を仕事部屋に呼ばないでしょう」
ボスがボスならば、部下も部下で誰もが当たり前のように再婚相手に対して報告していて、男はそれに対してどう処理をするべきか指示を出していた。
若葉が聞いては色々と問題になるだろう弾薬やら、聞き慣れぬ兵器やらの話題ですら当たり前のように会話をしていたのだ。
軍事施設にはお似合いの物騒な話だと思った時、ある事に若葉は気づく。
「ん?そういえば日本語で会話してたよね」
秘書風の男も、慌ただしく動いていた部下達も、全員が何故か日本を使って会話をしていたことを今になって若葉は理解するのと同時に、そうするように誰かが仕向けたのだということも理解してしまう。
「・・・・あーもぅ」
こんな気遣いなんて気づかなければ良かった。
そう思いながら若葉が額を押さえつけていたときだ。
「・・・・・?」
聞き覚えのない低い男の声が聞こえたのと同時に肩に手を添えられる。
突然のことに若葉は酷く驚き、弾かれるかのように身体を捩ってその手から逃れるかのように数歩後ろへと下がる。
すぐに背中が壁に当たった為、それほど距離を開くことは出来なかったがそれでも見知らぬ他人の感触を自分から離すことが出来たため若葉は少しだけ冷静さを取り戻す。
「・・・・?・・・・。・・・・?」
そこに居たのは初老の男性だった。
灰色の髪に不自然なほど澄んだ青い目をした男は若葉の事を訝しむかのように見つめながら、何か咎めるかのような声音で色々と質問をしてくるのだが、男が話しているのは英語であるので若葉には何を言っているのか全く解らない。
「あのですね、えぇっと・・・私は怪しい者じゃなくて。なんて言えば良いのかな?」
ジリジリと足下から忍び寄ってくる焦燥感からか若葉は怒られているかのような心境になりながらも、自分が怪しい人間ではないのだと説明しようとしたときだ。
「日本語?あぁそうか。君がそうなのか」
初老男性の口から出てきた言葉は聞き慣れた日本語で、それも発音の違いによる違和感を全く感じさせないほどのものだった事に若葉は驚く。
「君は若葉だな?」
男の声は静かなものだというのに若葉はその問いかけに対し、一瞬だけ息が出来なくなるかのような感覚を感じ取るのと同時に、男は母の再婚相手と同じく部下をまとめ上げて命令を下す立場に居るのだと理解する。
「返事はどうした?」
母の再婚相手と一つだけ違うのは、それはこの男には誰かを配慮するという思考がないことだ。
問いかけに対して反応のない若葉を冷たく見据えながら男は返答を求めることから、それは間違い無いと思いながら若葉は持てる力を振り絞りながら声を出す。
「はい。私が、若葉です」
出てきた声はひどく小さくて、そして掠れていたので聞き取り辛いものだった。