36章 彼の葛藤
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目の前にあるサイドウェイズの顔を若葉は黙ったまま見つめる。
鼻先が触れそうなほど近くにある顔、人を模して作られたその体は人間そのものだ。
微かな毛穴も、触れた場所から伝わってくる体温も、自分とは違う誰かの匂いも、全てが人間そのものだということを若葉は実感していた。
「(本当に人間みたい)」
唯一決定的に違うのは目だ。
微かに発光しているのかキラキラと輝く赤い瞳。
宝石のようなソレを若葉はジッと見つめる。
「(閣下とは違う)」
どちらかと言えばメガトロンは鈍い光だ。感情の起伏に応じてその輝きが強くなったりする。
けれどサイドウェイズの光は柔らかい。
それは彼の気質から来るものだろうか?と考えながら若葉はジッとサイドウェイズの目を見つめる。
「若葉。どうした?」
視線が合ったきりピクリとも動かずに見つめてくる若葉に対し、サイドウェイズは困ったような声音で問う。
勢いよく倒れたサイドウェイズだったが、咄嗟に受け身をとるのと同時に若葉の背中と腰に手を添え、自身をクッション代わりにしたのだがどこか痛めたのだろうか?と不安そうな顔をする。
その時になって若葉は自身がサイドウェイズの上に居る事に気づくのと同時に若葉は勢いよく上半身を起こすと問う。
「大丈夫?」
「あぁ。平気だよ」
いつもと変わらぬ笑みを浮かべながら上半身を起こしたサイドウェイズは軽く自身の状態をスキャンするが、何のエラーも表示されなかったことに笑みを浮かべる。
「若葉こそ大丈夫か?結構勢いあっただろ?」
「私も平気。サイドウェイズさんが守ってくれたから」
そう告げた瞬間、若葉は自分の腰と背中に暖かな感触があることに気づく。
恐る恐る視線をその場所へと向けてみるとサイドウェイズの掌が添えられてた。
倒れるときに支えるために咄嗟に添えられたと解っているが、衣服越しに感じる誰かの感触、自分とは異なる温もりに若葉は目を白黒させる。
「若葉」
強ばった声音で名を呼ばれた若葉がゆっくりと視線を向けると、そこには真剣な面差しをしているサイドウェイズの姿があった。
「お前……ちゃんと飯食べてるか?」
「……え?」
何を言われたのか解らないという顔をした若葉は瞬きを繰り返す。
「閣下と暮らしているから大丈夫だと思うけど、お前凄く細くないか?もっと肉をつけた方が良いと思う」
うんうんと頷きながら若葉の体を撫でるサイドウェイズの顔は真剣そのものだ。決して彼が悪気があって言っているのではない、そうだと解っていても何となくその言葉に対して若葉は色々と思うことがあったため、勢いよくサイドウェイズから離れる。
「ご心配なく!閣下がきちんと栄養面で管理してくださっていますので!!!」
事実メガトロンはきっちりと一日に必要な摂取カロリーと栄養を計算している。
眦を上げながら自分を見据えてくる若葉の姿を見たサイドウェイズは自分が何か失言をしたことを理解すると慌てて両手で口を塞ぐ。
二人が数秒ほど黙って見つめ合っていたときだ。
インターフォンの音が突然鳴ったため、若葉は怪訝な顔をしながらドアを見つめる。
「来客の予定は?」
「ないよ。もしかしたらブラックアウトさん達かな?」
彼らは時間を見つけては若葉の元に来てくれる。
きっと彼らだろうと判断した若葉がドアを開けるために向かう後ろ姿を見たサイドウェイズは慌てて若葉の手を掴む。
「サイドウェイズさん?」
「俺が出る」
若葉に後ろに下がるように指示を出したのと同時に再度インターフォンが急かすかのように鳴る。
警戒しながらサイドウェイズがドアをゆっくりと開けた。
鼻先が触れそうなほど近くにある顔、人を模して作られたその体は人間そのものだ。
微かな毛穴も、触れた場所から伝わってくる体温も、自分とは違う誰かの匂いも、全てが人間そのものだということを若葉は実感していた。
「(本当に人間みたい)」
唯一決定的に違うのは目だ。
微かに発光しているのかキラキラと輝く赤い瞳。
宝石のようなソレを若葉はジッと見つめる。
「(閣下とは違う)」
どちらかと言えばメガトロンは鈍い光だ。感情の起伏に応じてその輝きが強くなったりする。
けれどサイドウェイズの光は柔らかい。
それは彼の気質から来るものだろうか?と考えながら若葉はジッとサイドウェイズの目を見つめる。
「若葉。どうした?」
視線が合ったきりピクリとも動かずに見つめてくる若葉に対し、サイドウェイズは困ったような声音で問う。
勢いよく倒れたサイドウェイズだったが、咄嗟に受け身をとるのと同時に若葉の背中と腰に手を添え、自身をクッション代わりにしたのだがどこか痛めたのだろうか?と不安そうな顔をする。
その時になって若葉は自身がサイドウェイズの上に居る事に気づくのと同時に若葉は勢いよく上半身を起こすと問う。
「大丈夫?」
「あぁ。平気だよ」
いつもと変わらぬ笑みを浮かべながら上半身を起こしたサイドウェイズは軽く自身の状態をスキャンするが、何のエラーも表示されなかったことに笑みを浮かべる。
「若葉こそ大丈夫か?結構勢いあっただろ?」
「私も平気。サイドウェイズさんが守ってくれたから」
そう告げた瞬間、若葉は自分の腰と背中に暖かな感触があることに気づく。
恐る恐る視線をその場所へと向けてみるとサイドウェイズの掌が添えられてた。
倒れるときに支えるために咄嗟に添えられたと解っているが、衣服越しに感じる誰かの感触、自分とは異なる温もりに若葉は目を白黒させる。
「若葉」
強ばった声音で名を呼ばれた若葉がゆっくりと視線を向けると、そこには真剣な面差しをしているサイドウェイズの姿があった。
「お前……ちゃんと飯食べてるか?」
「……え?」
何を言われたのか解らないという顔をした若葉は瞬きを繰り返す。
「閣下と暮らしているから大丈夫だと思うけど、お前凄く細くないか?もっと肉をつけた方が良いと思う」
うんうんと頷きながら若葉の体を撫でるサイドウェイズの顔は真剣そのものだ。決して彼が悪気があって言っているのではない、そうだと解っていても何となくその言葉に対して若葉は色々と思うことがあったため、勢いよくサイドウェイズから離れる。
「ご心配なく!閣下がきちんと栄養面で管理してくださっていますので!!!」
事実メガトロンはきっちりと一日に必要な摂取カロリーと栄養を計算している。
眦を上げながら自分を見据えてくる若葉の姿を見たサイドウェイズは自分が何か失言をしたことを理解すると慌てて両手で口を塞ぐ。
二人が数秒ほど黙って見つめ合っていたときだ。
インターフォンの音が突然鳴ったため、若葉は怪訝な顔をしながらドアを見つめる。
「来客の予定は?」
「ないよ。もしかしたらブラックアウトさん達かな?」
彼らは時間を見つけては若葉の元に来てくれる。
きっと彼らだろうと判断した若葉がドアを開けるために向かう後ろ姿を見たサイドウェイズは慌てて若葉の手を掴む。
「サイドウェイズさん?」
「俺が出る」
若葉に後ろに下がるように指示を出したのと同時に再度インターフォンが急かすかのように鳴る。
警戒しながらサイドウェイズがドアをゆっくりと開けた。
