36章 彼の葛藤
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サイドウェイズは若葉の手を繋いだまま黙り込んでしまった。
どこか思い詰めたかのようなその顔を黙って見つめていた若葉は限界を迎え、繋がれた手を緩く左右に振り始める。
最初はゆっくりと、だんだんと早さを上げていくとサイドウェイズが呆れたような眼差しで若葉を見つめてきた。
「これって何か意味が?」
「意味?」
「……東洋の儀式的な?一応、調べてみたけど検索に引っかからなくて」
「意味なんてないけど」
若葉の返答に驚愕したかのように目を見開いたサイドウェイズだったが、すぐに困惑した顔をすると繋いだ手を離そうとした。
けれどソレを阻止するかのように若葉は繋いでいる手に力を込める。
「……えぇぇぇぇ?」
心底困ったというかのような声を出したサイドウェイズに対し、若葉は楽しげに声を上げて笑う。
「本当に意味なんてないよ」
「だったら」
手を離して欲しい。
そう懇願してくる赤い瞳に向かい若葉は優しく微笑みかける。
「私の目の前にサイドウェイズさんがいる」
ずっと会いたかった人が目の前に居て、自分の行動に反応してくれることが嬉しくて仕方がない、そう言うかのように若葉は目を細めて笑う。
「ありがとう。会いに来てくれて」
若葉の言葉を聞いたサイドウェイズは一瞬だけ自分の中の全ての機能が停止したことに気づく。
気づけば空いている片方の手で若葉の頬に触れていた。
柔らかくて、暖かくて、扱いを間違えてしまえば一瞬で失われてしまう命。
掌から伝わってくる鼓動に、生き物の命に、サイドウェイズは訳もわからず目の奥が痛くなった。
体に発生した痛み、けれどエラーは表示されない。
それは正常だということ。
仮初めのこの体は人間とは違うのに、まるで人間のような反応をする。
「(あぁ……これはまるで)」
頬に触れていた手を動かす。
ゆっくりと、ゆっくりと、若葉を怖がらせないかのように動いた掌、そして指先が若葉の唇へと伸びる。
指先から伝わってくる柔らかな感触。
自分とは似ていて異なっている事に気づくのと同時に、サイドウェイズのスパークがドクリと強く反応する。
「若葉」
名を呼べば頬を少し赤くしている若葉が見つめてきた。
柔らかく細められた目がサイドウェイズへと向けられており、触れている場所が熱を持っている事に気づいたサイドウェイズは少しだけ冷静さを取り戻す。
やりすぎた。
そう判断したサイドウェイズは慌てて離れようとする。
サイドウェイズだけならば問題なく離れられたのだが、今の彼は若葉と手を繋いでいる状態だ。
何の前触れもなく突然、勢いよく数歩下がったサイドウェイズの行動に若葉は対処できず、引き寄せられるかのように勢いよくサイドウェイズの胸元に飛び込んでしまう。
「「え?」」
思っていたよりも勢いがあった、そして突然のことに対処できなかった二人はそのまま床の上に倒れ込んだ。
どこか思い詰めたかのようなその顔を黙って見つめていた若葉は限界を迎え、繋がれた手を緩く左右に振り始める。
最初はゆっくりと、だんだんと早さを上げていくとサイドウェイズが呆れたような眼差しで若葉を見つめてきた。
「これって何か意味が?」
「意味?」
「……東洋の儀式的な?一応、調べてみたけど検索に引っかからなくて」
「意味なんてないけど」
若葉の返答に驚愕したかのように目を見開いたサイドウェイズだったが、すぐに困惑した顔をすると繋いだ手を離そうとした。
けれどソレを阻止するかのように若葉は繋いでいる手に力を込める。
「……えぇぇぇぇ?」
心底困ったというかのような声を出したサイドウェイズに対し、若葉は楽しげに声を上げて笑う。
「本当に意味なんてないよ」
「だったら」
手を離して欲しい。
そう懇願してくる赤い瞳に向かい若葉は優しく微笑みかける。
「私の目の前にサイドウェイズさんがいる」
ずっと会いたかった人が目の前に居て、自分の行動に反応してくれることが嬉しくて仕方がない、そう言うかのように若葉は目を細めて笑う。
「ありがとう。会いに来てくれて」
若葉の言葉を聞いたサイドウェイズは一瞬だけ自分の中の全ての機能が停止したことに気づく。
気づけば空いている片方の手で若葉の頬に触れていた。
柔らかくて、暖かくて、扱いを間違えてしまえば一瞬で失われてしまう命。
掌から伝わってくる鼓動に、生き物の命に、サイドウェイズは訳もわからず目の奥が痛くなった。
体に発生した痛み、けれどエラーは表示されない。
それは正常だということ。
仮初めのこの体は人間とは違うのに、まるで人間のような反応をする。
「(あぁ……これはまるで)」
頬に触れていた手を動かす。
ゆっくりと、ゆっくりと、若葉を怖がらせないかのように動いた掌、そして指先が若葉の唇へと伸びる。
指先から伝わってくる柔らかな感触。
自分とは似ていて異なっている事に気づくのと同時に、サイドウェイズのスパークがドクリと強く反応する。
「若葉」
名を呼べば頬を少し赤くしている若葉が見つめてきた。
柔らかく細められた目がサイドウェイズへと向けられており、触れている場所が熱を持っている事に気づいたサイドウェイズは少しだけ冷静さを取り戻す。
やりすぎた。
そう判断したサイドウェイズは慌てて離れようとする。
サイドウェイズだけならば問題なく離れられたのだが、今の彼は若葉と手を繋いでいる状態だ。
何の前触れもなく突然、勢いよく数歩下がったサイドウェイズの行動に若葉は対処できず、引き寄せられるかのように勢いよくサイドウェイズの胸元に飛び込んでしまう。
「「え?」」
思っていたよりも勢いがあった、そして突然のことに対処できなかった二人はそのまま床の上に倒れ込んだ。
