36章 彼の葛藤
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玄関先で話していることに気づいた若葉は慌ててサイドウェイズから離れると、ドアを開いて中に入るように促す。
けれどサイドウェイズはその場から動くことをせず、何かに怯えるかのように視線を忙しなく左右に動かしながらその場に立ち尽くしている。
「……いいのか?」
「うん。勿論いいよ」
何を可笑しな事を聞いてくるのだ?と言いたげな視線を若葉は向けながら返答をする。
けれどサイドウェイズはその場から動こうとはしない。
数秒ほどその場に留まっていた二人だが、先にしびれを切らしたのは若葉だ。
無言のままサイドウェイズの手を掴むと室内に引く。
「お、おい?」
突然のことに思わず足を止めたサイドウェイズに若葉はその場で蹈鞴を踏んだ後、咎めるかのような視線を向ける。
「どうしたの?」
「いや、どうしたって……それは俺の台詞だし」
この時間帯、間違いなく家の中に居るのは若葉だけだ。
つまり密室で二人ということになる。
種族は違うが、一応、男女である自分たちが密室で二人きりになるというは少々外聞が悪いのでは?とサイドウェイズが悩む。
そんなことなど知らない若葉はサイドウェイズの手をグイグイと引きながら告げる。
「ホラ!早く入っちゃってよ。一定時間空いたままだと閣下に異常事態報告がされるようになってるから」
以前、掃除をするために喚起目的で玄関を開けたままにしていると血相を変えたメガトロンが家の中に飛び込んできた。
突然のことに驚き固まってしまった若葉と、少しばかり息を乱したメガトロンは無言のまま数秒ほど見つめ合った。
メガトロンは若葉が無事である事を確認すると安心したように息を吐き出すと、若葉の頭に手を乗せながら告げた。
「施錠はしっかりしておけ。一定時間施錠がされなければ俺の元に報告がされるようになっている」
「ごめんなさい。気をつけます」
悪気があって若葉がしたわけではないと知ったメガトロン微笑むとその場を後にした。
「ってことがあってね」
他愛ない話のように口にした若葉であったが、それを聞かされたサイドウェイズにとっては大問題でしかない。
もしかしたら今まさにメガトロンの元に報告が届けられるかもしれない、そう判断するのと同時にサイドウェイズは外聞も何もかも捨てる。
他人の噂話よりも恐ろしいのは破壊大帝だ。
「それは大変だ」
若葉に対して少々過保護な破壊大帝が原因となった者にどのような対応をするのかなど考えるでもない。
すぐさまサイドウェイズは室内に入ると若葉は満面の笑みを浮かべながら歩き出す。
「あのさ、」
「なに?」
「手を……」
「手?手がどうしたの?」
歩みを止めて振り返った若葉の顔をじっと見たサイドウェイズは「なんでもない」と言葉を返すことしかできなかった。
けれどサイドウェイズはその場から動くことをせず、何かに怯えるかのように視線を忙しなく左右に動かしながらその場に立ち尽くしている。
「……いいのか?」
「うん。勿論いいよ」
何を可笑しな事を聞いてくるのだ?と言いたげな視線を若葉は向けながら返答をする。
けれどサイドウェイズはその場から動こうとはしない。
数秒ほどその場に留まっていた二人だが、先にしびれを切らしたのは若葉だ。
無言のままサイドウェイズの手を掴むと室内に引く。
「お、おい?」
突然のことに思わず足を止めたサイドウェイズに若葉はその場で蹈鞴を踏んだ後、咎めるかのような視線を向ける。
「どうしたの?」
「いや、どうしたって……それは俺の台詞だし」
この時間帯、間違いなく家の中に居るのは若葉だけだ。
つまり密室で二人ということになる。
種族は違うが、一応、男女である自分たちが密室で二人きりになるというは少々外聞が悪いのでは?とサイドウェイズが悩む。
そんなことなど知らない若葉はサイドウェイズの手をグイグイと引きながら告げる。
「ホラ!早く入っちゃってよ。一定時間空いたままだと閣下に異常事態報告がされるようになってるから」
以前、掃除をするために喚起目的で玄関を開けたままにしていると血相を変えたメガトロンが家の中に飛び込んできた。
突然のことに驚き固まってしまった若葉と、少しばかり息を乱したメガトロンは無言のまま数秒ほど見つめ合った。
メガトロンは若葉が無事である事を確認すると安心したように息を吐き出すと、若葉の頭に手を乗せながら告げた。
「施錠はしっかりしておけ。一定時間施錠がされなければ俺の元に報告がされるようになっている」
「ごめんなさい。気をつけます」
悪気があって若葉がしたわけではないと知ったメガトロン微笑むとその場を後にした。
「ってことがあってね」
他愛ない話のように口にした若葉であったが、それを聞かされたサイドウェイズにとっては大問題でしかない。
もしかしたら今まさにメガトロンの元に報告が届けられるかもしれない、そう判断するのと同時にサイドウェイズは外聞も何もかも捨てる。
他人の噂話よりも恐ろしいのは破壊大帝だ。
「それは大変だ」
若葉に対して少々過保護な破壊大帝が原因となった者にどのような対応をするのかなど考えるでもない。
すぐさまサイドウェイズは室内に入ると若葉は満面の笑みを浮かべながら歩き出す。
「あのさ、」
「なに?」
「手を……」
「手?手がどうしたの?」
歩みを止めて振り返った若葉の顔をじっと見たサイドウェイズは「なんでもない」と言葉を返すことしかできなかった。
