33章:ヒーローはいつだって遅れてやってくる
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飛行機と戦闘機は何もかもが違う。
覚悟していた事だがコックピット内の物々しい雰囲気に若葉の体は強ばってしまう。
『着けておけ』
目の前に現れた酸素マスクを口元に添えると金具で固定する。
『可能な限りお前の負担を減らすようにしてはあるが……』
「ありがとう」
この計画の発案者が自分自身であるのだからこそ責任を負わねばならない、そう思いながら若葉は大きく頷く。
ソレを確認したのと同時にスタースクリームはエンジンを吹かせた。
凄まじい早さで動く視界、伝わってくる激しい振動、全身が一気に重たくなる感覚に無意識の内に若葉は強く歯を食いしばっていた。
苦しさから狭窄する視界の中で何度も瞬きをしている内に、朧気な視界に見えたのは青い空だった。
『安全圏まで移動は完了した』
その言葉を聞いた直後、若葉を襲っていたモノは全て消え去る。
肩で息をしていた若葉であったが落ち着きを取り戻すとマスクを外そうとしたが、その行動をスタースクリームが制する。
『着けておけ。敵の追撃から逃れるために高度飛行している。酸素が薄い』
「解った……酸素が薄いって事は攻撃される可能性は低いの?」
『相手が人間ならば問題はない』
含みのある言い方に敵が人間だけではないことを若葉は再認識した。
メガトロンの敵がどのような者達なのかは解らないが、スタースクリームが後手に回っていることから油断できない相手であることくらい若葉にだって理解ができた。
敵から身を守ることすら満足にできない故、大人しくしているのが一番だと若葉が考えていたときだ。
突然、警告音が響く。
『掴まっていろ』
その言葉の直後、凄まじい早さでスタースクリームが移動を開始した。
激しく揺れる視界の中でこちらに接近してくる一機の戦闘機が見えた。上下激しく飛び回りながらこちらに向かって時折銃弾を撃ち込んでくる戦闘機からスタースクリームは回避行動を続ける。
相手の隙を見つけては攻撃をするが、相手はソレが解っているかのようにヒラリと躱す。
『ッチ!!』
舌打ちが聞こえた瞬間スタースクリームの機体から火花が飛び散った。
何事かと思いながら若葉がその方向を見ると、外装が剥がれバチバチと火花とともに黒煙が上がっている。
「スタースクリーム」
『問題ない』
執拗にスタースクリームを攻撃してくる敵機。
どれくらいこの襲撃が続くのか解らない若葉は悲鳴を上げそうになったときだ。様々な計器から突然耳障りな音が聞こえ始めたかと思えば、針が0へと向かって凄まじい早さで動き始める。
「ねぇ大丈夫なの?」
ガクンッと大きく体が揺さぶられたかと思えば急にスピードが落ち始め、高度も下がっていく。今までに無いほど大きく左右上下に揺れ、それは敵からの攻撃から逃れるためのものではない。
墜落しているかのような勢いで落下していく機体に気づいた若葉は悲鳴に近い声でスタースクリームの名を呼ぶ。
「スタースクリーム!!」
いつの間にか日本から離れていたらしく、下に見える紺碧の海が広がっている。このままでは海に墜落すると顔を引きつらせた瞬間、機体が体制を取り戻す。
不自然に揺れる機体と響くアラート音に若葉は少しの間、黙っていたがある事に気づくと信じられないという声で問いかけた。
「怪我治ってなかったの?」
その問いにスタースクリームは答えなかった。
覚悟していた事だがコックピット内の物々しい雰囲気に若葉の体は強ばってしまう。
『着けておけ』
目の前に現れた酸素マスクを口元に添えると金具で固定する。
『可能な限りお前の負担を減らすようにしてはあるが……』
「ありがとう」
この計画の発案者が自分自身であるのだからこそ責任を負わねばならない、そう思いながら若葉は大きく頷く。
ソレを確認したのと同時にスタースクリームはエンジンを吹かせた。
凄まじい早さで動く視界、伝わってくる激しい振動、全身が一気に重たくなる感覚に無意識の内に若葉は強く歯を食いしばっていた。
苦しさから狭窄する視界の中で何度も瞬きをしている内に、朧気な視界に見えたのは青い空だった。
『安全圏まで移動は完了した』
その言葉を聞いた直後、若葉を襲っていたモノは全て消え去る。
肩で息をしていた若葉であったが落ち着きを取り戻すとマスクを外そうとしたが、その行動をスタースクリームが制する。
『着けておけ。敵の追撃から逃れるために高度飛行している。酸素が薄い』
「解った……酸素が薄いって事は攻撃される可能性は低いの?」
『相手が人間ならば問題はない』
含みのある言い方に敵が人間だけではないことを若葉は再認識した。
メガトロンの敵がどのような者達なのかは解らないが、スタースクリームが後手に回っていることから油断できない相手であることくらい若葉にだって理解ができた。
敵から身を守ることすら満足にできない故、大人しくしているのが一番だと若葉が考えていたときだ。
突然、警告音が響く。
『掴まっていろ』
その言葉の直後、凄まじい早さでスタースクリームが移動を開始した。
激しく揺れる視界の中でこちらに接近してくる一機の戦闘機が見えた。上下激しく飛び回りながらこちらに向かって時折銃弾を撃ち込んでくる戦闘機からスタースクリームは回避行動を続ける。
相手の隙を見つけては攻撃をするが、相手はソレが解っているかのようにヒラリと躱す。
『ッチ!!』
舌打ちが聞こえた瞬間スタースクリームの機体から火花が飛び散った。
何事かと思いながら若葉がその方向を見ると、外装が剥がれバチバチと火花とともに黒煙が上がっている。
「スタースクリーム」
『問題ない』
執拗にスタースクリームを攻撃してくる敵機。
どれくらいこの襲撃が続くのか解らない若葉は悲鳴を上げそうになったときだ。様々な計器から突然耳障りな音が聞こえ始めたかと思えば、針が0へと向かって凄まじい早さで動き始める。
「ねぇ大丈夫なの?」
ガクンッと大きく体が揺さぶられたかと思えば急にスピードが落ち始め、高度も下がっていく。今までに無いほど大きく左右上下に揺れ、それは敵からの攻撃から逃れるためのものではない。
墜落しているかのような勢いで落下していく機体に気づいた若葉は悲鳴に近い声でスタースクリームの名を呼ぶ。
「スタースクリーム!!」
いつの間にか日本から離れていたらしく、下に見える紺碧の海が広がっている。このままでは海に墜落すると顔を引きつらせた瞬間、機体が体制を取り戻す。
不自然に揺れる機体と響くアラート音に若葉は少しの間、黙っていたがある事に気づくと信じられないという声で問いかけた。
「怪我治ってなかったの?」
その問いにスタースクリームは答えなかった。
