33章:ヒーローはいつだって遅れてやってくる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
轟音を上げながら離陸していく2機の飛行機が雲一つ無い晴天へと向かって飛び立っていく。
遠くなっていく機影が途中から左右に分かれて飛行していく姿に若葉はホッと胸をなで下ろす。
『時間だ。そろそろ乗れ』
背後から声をかけられた若葉が振り返った先に居るのは一機の戦闘機だ。
見覚えのあるボディペイントをこれでもかと言うほど施されている戦闘機に近づいた若葉は覚束ない足取りでコックピットの乗り込む。
映画の中でしか見たことのない戦闘機のコックピットに自分が座っていることが信じられないまま若葉はシートベルトを装着し、ヘルメットを被る。
若葉の搭乗準備が終わるのを確認してからスタースクリームがエンジンを動かす。
鈍いエンジン音と共に微かな振動が伝わってきた。
「上手くいくかな?」
『さぁな。ただまぁ……サウンドウェーブに報告した際、奴からは「手間がかかる」という文句は出たが、作戦に関しては否定的な言葉はなかった』
ヘルメット越しに聞こえてきたスタースクリームの声はいつにも増して機械的でコレが彼の本来の声なのだろうか?と若葉は考える。
『それにしても避難用の飛行機を囮として使うとは考えたな』
少しばかり感心した、というかのような口調でスタースクリームが告げた言葉に若葉はそんなことはないと言うかのように緩く首を振る。
若葉が考えた作戦、それは避難用に用意された飛行機を囮として使い、イェーガー一家と若葉は別ルートでそれぞれ避難するということだ。
ただその作戦には唯一にして最大の問題が一つだけあった。
飛行機の操縦者をどうやって助けるか、ということだったがソレは作戦を聞いたスタースクリームがサウンドウェーブに相談をすると操縦に関してはシステムにハッキングをしたサウンドウェーブが遠隔操作を行ってくれるとのことだった。
これで万が一、撃墜されたとしても人的被害は出ることはない。
「あの飛行機って日本に来るときに使った飛行機と同じ?」
『あぁそうだが?』
若葉の脳裏に浮かんだのはホテルのような豪華な内装だ。
シートも恐らく一級品だっただろうし、絨毯もふかふかしていたのだから良い物だっただろう。
「色々と豪華で凄かったよね?」
『確か要人用のものだったな』
「……凄くお高い?」
『そうだな』
問いかけに対して淡々と返されるスタースクリームの言葉に若葉の脳裏に浮かんだのはメアリングの姿だ。
恐らくお高い代物を損失してしまった事に対する糾弾の声が彼女へと向けられるだろう。そのことを少しばかり悪いと思う反面、イェーガー一家を犠牲にしようとした彼女に対する責任だと思ってしまう。
「イェーガーさん達は無事に逃げられた?」
『あぁ。サイドスワイプが上手くやっていると報告がある』
ケイド達はサイドスワイプに乗って避難する手筈になっている。
どのようなルートを選ぶのかは若葉達には知らされてはいない。出立の前にサイドスワイプは逃走ルートを伝えようとしたが、ソレを断ったのは若葉自身だ。
疑心暗鬼の状態では互いの逃走ルートを知らない方が良い。
想定外の襲撃を受けたときにきっと相手を恨んでしまうから、そう告げた若葉をサイドスワイプが苦虫を噛み潰したかのような顔をして見つめてきた。
『行くぞ』
滑走路に待機したスタースクリームの言葉に若葉はシートベルトを握りしめる。
遠くなっていく機影が途中から左右に分かれて飛行していく姿に若葉はホッと胸をなで下ろす。
『時間だ。そろそろ乗れ』
背後から声をかけられた若葉が振り返った先に居るのは一機の戦闘機だ。
見覚えのあるボディペイントをこれでもかと言うほど施されている戦闘機に近づいた若葉は覚束ない足取りでコックピットの乗り込む。
映画の中でしか見たことのない戦闘機のコックピットに自分が座っていることが信じられないまま若葉はシートベルトを装着し、ヘルメットを被る。
若葉の搭乗準備が終わるのを確認してからスタースクリームがエンジンを動かす。
鈍いエンジン音と共に微かな振動が伝わってきた。
「上手くいくかな?」
『さぁな。ただまぁ……サウンドウェーブに報告した際、奴からは「手間がかかる」という文句は出たが、作戦に関しては否定的な言葉はなかった』
ヘルメット越しに聞こえてきたスタースクリームの声はいつにも増して機械的でコレが彼の本来の声なのだろうか?と若葉は考える。
『それにしても避難用の飛行機を囮として使うとは考えたな』
少しばかり感心した、というかのような口調でスタースクリームが告げた言葉に若葉はそんなことはないと言うかのように緩く首を振る。
若葉が考えた作戦、それは避難用に用意された飛行機を囮として使い、イェーガー一家と若葉は別ルートでそれぞれ避難するということだ。
ただその作戦には唯一にして最大の問題が一つだけあった。
飛行機の操縦者をどうやって助けるか、ということだったがソレは作戦を聞いたスタースクリームがサウンドウェーブに相談をすると操縦に関してはシステムにハッキングをしたサウンドウェーブが遠隔操作を行ってくれるとのことだった。
これで万が一、撃墜されたとしても人的被害は出ることはない。
「あの飛行機って日本に来るときに使った飛行機と同じ?」
『あぁそうだが?』
若葉の脳裏に浮かんだのはホテルのような豪華な内装だ。
シートも恐らく一級品だっただろうし、絨毯もふかふかしていたのだから良い物だっただろう。
「色々と豪華で凄かったよね?」
『確か要人用のものだったな』
「……凄くお高い?」
『そうだな』
問いかけに対して淡々と返されるスタースクリームの言葉に若葉の脳裏に浮かんだのはメアリングの姿だ。
恐らくお高い代物を損失してしまった事に対する糾弾の声が彼女へと向けられるだろう。そのことを少しばかり悪いと思う反面、イェーガー一家を犠牲にしようとした彼女に対する責任だと思ってしまう。
「イェーガーさん達は無事に逃げられた?」
『あぁ。サイドスワイプが上手くやっていると報告がある』
ケイド達はサイドスワイプに乗って避難する手筈になっている。
どのようなルートを選ぶのかは若葉達には知らされてはいない。出立の前にサイドスワイプは逃走ルートを伝えようとしたが、ソレを断ったのは若葉自身だ。
疑心暗鬼の状態では互いの逃走ルートを知らない方が良い。
想定外の襲撃を受けたときにきっと相手を恨んでしまうから、そう告げた若葉をサイドスワイプが苦虫を噛み潰したかのような顔をして見つめてきた。
『行くぞ』
滑走路に待機したスタースクリームの言葉に若葉はシートベルトを握りしめる。
