30章:急襲
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体の至る所が裂けており、そこから見える配線からバチバチと火花が飛び散っている。どこからか流れ出た液体がスタースクリームの足下を濡らしており、人間で言うのならば満身創痍なスタースクリームの姿を見た若葉は彼に駆け寄ろうとしたが、それを止めたのはスタースクリームだ。
『ロックダウン。動けるか?』
『あぁ……辛うじてだがな』
『お前の依頼を覚えているな?俺様の記憶違いでなければお前は依頼を違えぬ』
『勿論。ソレが俺の信条だ』
『ならば良い。……空港まで若葉を運べ。恐らく、ボッツの小僧がイェーガー一家と共にすでに待機している。政府の迎えが来るまで二体で防衛に努めろ』
スタースクリームからロックダウンへと告げられる内容を聞いている若葉の背筋に嫌なモノが伝い落ちていく。
ここから先の言葉は聞いては駄目だ。
そう思うのに体はぴくり共動かず、ただ、黙って二体の会話を聞くだけしかできない。
『敵は俺が引き受ける』
「待って。待ってよ、スタースクリーム」
何をするのか、何をしようとしているのか、そんなことくらい若葉とて理解できる。ソレが必要な事で、ソレが最善であることくらい解っている。
けれど若葉には受け入れられることのない答えだ。
「貴方も一緒に行くんでしょう?」
『……無理だな。駆動系に損傷が出ている。俺がついて行けば足手まといでしかない。俺の援護をしながら逃げ切れる相手ではない』
「それでもッ!!」
『若葉』
名を呼ぶのと同時に金属の手が鈍い音を立てながら近づいてくる。
ゆっくりと伸ばされた人差し指が若葉の頭を撫でる。
『俺様はここまでだ』
お別れの言葉を告げられた瞬間、若葉の脳裏に浮かんだのは悲しみでも、苦しみでも、スタースクリームの献身に対する敬意でもない。
激しいほどの怒りだ。
それこそ自分の中でブチリッと何かが音を立てて切れたのを合図に、若葉は押さえていた何かが解放される。
「ふざけんなッ!!!」
そう言うのと同時にシートベルトを外し凄まじい早さでスタースクリームへと近づくとガンガンとスタースクリームに向かい両拳を叩きつけ始めた。
「いつもそうやって勝手に決めて、私の意見なんて聞かないし、私の考えなんて後回しにして!!」
自身の周りにある全ての要因がただ、ただ、憎らしくて、腹立たしくて、どうしようもない感情が次々とこみ上げてきて、その衝動に身を任せるかのように若葉は目の前に居るスタースクリームに対して感情を爆発させ続ける。
「本当に勝手すぎる!!自分勝手!!馬鹿!なんで自分一人で決めちゃうの!?相談したら解決する事だってあるでしょう!?それなのに何も言わない!!!嫌いッ!!本当にそういうところが大っ嫌いッ!!!!」
矢継ぎ早に言葉を発しながらも器用なことに両目からボロボロと涙を流しながら猛抗議をする若葉の姿にスタースクリームは唖然としていたが、自分の装甲を叩く若葉の両手が赤くなっていることに気づくと、辛うじて動く手で慌てて若葉を掴む。
「離せ!セクハラ野郎!!」
妙に座った目で自分を睨めつけてくる若葉と視線が合ったスタースクリームはここは逆らわない方が賢明だと判断し素直に手を離す。
『お前を慮らずに勝手なことばかり言ってすまなかった』
その言葉を聞いた直後、若葉は顔をくしゃくしゃにすると声を上げて泣き始めた。
『ロックダウン。動けるか?』
『あぁ……辛うじてだがな』
『お前の依頼を覚えているな?俺様の記憶違いでなければお前は依頼を違えぬ』
『勿論。ソレが俺の信条だ』
『ならば良い。……空港まで若葉を運べ。恐らく、ボッツの小僧がイェーガー一家と共にすでに待機している。政府の迎えが来るまで二体で防衛に努めろ』
スタースクリームからロックダウンへと告げられる内容を聞いている若葉の背筋に嫌なモノが伝い落ちていく。
ここから先の言葉は聞いては駄目だ。
そう思うのに体はぴくり共動かず、ただ、黙って二体の会話を聞くだけしかできない。
『敵は俺が引き受ける』
「待って。待ってよ、スタースクリーム」
何をするのか、何をしようとしているのか、そんなことくらい若葉とて理解できる。ソレが必要な事で、ソレが最善であることくらい解っている。
けれど若葉には受け入れられることのない答えだ。
「貴方も一緒に行くんでしょう?」
『……無理だな。駆動系に損傷が出ている。俺がついて行けば足手まといでしかない。俺の援護をしながら逃げ切れる相手ではない』
「それでもッ!!」
『若葉』
名を呼ぶのと同時に金属の手が鈍い音を立てながら近づいてくる。
ゆっくりと伸ばされた人差し指が若葉の頭を撫でる。
『俺様はここまでだ』
お別れの言葉を告げられた瞬間、若葉の脳裏に浮かんだのは悲しみでも、苦しみでも、スタースクリームの献身に対する敬意でもない。
激しいほどの怒りだ。
それこそ自分の中でブチリッと何かが音を立てて切れたのを合図に、若葉は押さえていた何かが解放される。
「ふざけんなッ!!!」
そう言うのと同時にシートベルトを外し凄まじい早さでスタースクリームへと近づくとガンガンとスタースクリームに向かい両拳を叩きつけ始めた。
「いつもそうやって勝手に決めて、私の意見なんて聞かないし、私の考えなんて後回しにして!!」
自身の周りにある全ての要因がただ、ただ、憎らしくて、腹立たしくて、どうしようもない感情が次々とこみ上げてきて、その衝動に身を任せるかのように若葉は目の前に居るスタースクリームに対して感情を爆発させ続ける。
「本当に勝手すぎる!!自分勝手!!馬鹿!なんで自分一人で決めちゃうの!?相談したら解決する事だってあるでしょう!?それなのに何も言わない!!!嫌いッ!!本当にそういうところが大っ嫌いッ!!!!」
矢継ぎ早に言葉を発しながらも器用なことに両目からボロボロと涙を流しながら猛抗議をする若葉の姿にスタースクリームは唖然としていたが、自分の装甲を叩く若葉の両手が赤くなっていることに気づくと、辛うじて動く手で慌てて若葉を掴む。
「離せ!セクハラ野郎!!」
妙に座った目で自分を睨めつけてくる若葉と視線が合ったスタースクリームはここは逆らわない方が賢明だと判断し素直に手を離す。
『お前を慮らずに勝手なことばかり言ってすまなかった』
その言葉を聞いた直後、若葉は顔をくしゃくしゃにすると声を上げて泣き始めた。
