30章:急襲
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どれくらいの間、そうしていたのかは解らないがいつの間にか頬に叩きつけられていた風は止まっており、規則正しく揺れる車内に気づいた若葉は恐る恐る目を開くとそこは見慣れた車内だった。
『無事に敵は退けた』
恐る恐るサイドミラーを見た若葉は追ってきていた車が居ないことに、むしろ周りに車が居ないことにホッと胸をなで下ろしながら口を開く。
「ありがとうございます」
『どういたしまして』
「次からは何をするのかできる限り事前に教えてください」
切実な声で若葉が告げるとどこか楽しげな笑い声だけが返された。
ソレを聞いた若葉は「初対面の金属生命体とはわかり合えない」と小さな声で呟いたときだ。
『その物言いだとメガトロンは君にとって良い養父のようだな』
ロックダウンの言葉に若葉はどう答えるべきか悩む。
「私にとって閣下は良い養父ですが……私は閣下にとって良い娘ではないでしょう」
『そうかな?本当に君が娘として相応しくないのならば、メガトロンは君に適当に甘い汁を吸わせ満足させて放っておくだろう』
ロックダウンの言葉を否定できる事が若葉にはできず、ただ、曖昧に微笑んでこの場をやり過ごそうとしたときだった。
耳を劈くかのような警戒音が車内に響く。
『センサー探知外からの長距離だと!?』
「ロックダウン!回避しろッ!!」
『無理だな。可能な限り被害を最小限にする。掴まっていろ』
凄まじい勢いで回転するタイヤの音が聞こえた直後、体を襲う強い衝撃に若葉は無意識の内に息を止めるのと同時に身をすくめた。
激しく左右に揺れる車。時折、スタースクリームが聞いたことのない言葉で何かをロックダウンに告げているのを若葉は黙って聞いていることしかできない。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らない。
突然、全ての音が消えた事に驚いた若葉は大きく目を見開いていることしかできずにいた。音の消失と共に目の前の光景がスローモーションのように過ぎていく。
窓越しに見えるオレンジ色の火花、微かに漂ってくる焼け焦げたかのような異臭、凄まじい勢いで回転する視界、それらを黙ってみていることしかできなかった時だ。
「若葉」
自分の名を呼ぶ声に若葉が視線を向けると、そこには人の姿から金属生命体へと形を変えていくスタースクリームの姿が見えた。
人の姿と同じく全身にタトゥーまみれの金属生命体の赤い瞳と目が合った瞬間、自身へと伸ばされた大きな手に向かい若葉が応えるかのように手を伸ばしたときだった。
『スタースクリームッ!!ソレは悪手だ!!』
警告するかのようなロックダウンの声が聞こえた直後、スタースクリームの背後が爆発する。
一寸遅れて漂ってくる何かが焼け焦げた臭い、そしてバチバチという何かが爆ぜているかのような音に若葉は自分でも知らない内に口元を両手で覆う。
酷い臭いする煙と共に若葉の頭上からボタボタと粘着質な液体が落ち、ソレらが自分を汚していることなど気づかぬまま若葉は目の前に居るだろうスタースクリームの名の呼ぶが応える声はない。
「スタースクリーム」
縋るように何度も彼の名を呼ぶ。
何度呼んだのか解らないほどのスタースクリームの名前を口にしていた若葉の耳に雑音混じりの声が反応した。
『どうした小娘。酷い姿じゃないか』
反応があったことに若葉は安堵したかのように笑みを浮かべた時、風が吹き辺りを覆っていた煙が消え、現れた存在を見て若葉の顔は凍り付く。
そこに居たのは見るも無惨な姿をしているスタースクリームが力なく存在していたからだ。
『無事に敵は退けた』
恐る恐るサイドミラーを見た若葉は追ってきていた車が居ないことに、むしろ周りに車が居ないことにホッと胸をなで下ろしながら口を開く。
「ありがとうございます」
『どういたしまして』
「次からは何をするのかできる限り事前に教えてください」
切実な声で若葉が告げるとどこか楽しげな笑い声だけが返された。
ソレを聞いた若葉は「初対面の金属生命体とはわかり合えない」と小さな声で呟いたときだ。
『その物言いだとメガトロンは君にとって良い養父のようだな』
ロックダウンの言葉に若葉はどう答えるべきか悩む。
「私にとって閣下は良い養父ですが……私は閣下にとって良い娘ではないでしょう」
『そうかな?本当に君が娘として相応しくないのならば、メガトロンは君に適当に甘い汁を吸わせ満足させて放っておくだろう』
ロックダウンの言葉を否定できる事が若葉にはできず、ただ、曖昧に微笑んでこの場をやり過ごそうとしたときだった。
耳を劈くかのような警戒音が車内に響く。
『センサー探知外からの長距離だと!?』
「ロックダウン!回避しろッ!!」
『無理だな。可能な限り被害を最小限にする。掴まっていろ』
凄まじい勢いで回転するタイヤの音が聞こえた直後、体を襲う強い衝撃に若葉は無意識の内に息を止めるのと同時に身をすくめた。
激しく左右に揺れる車。時折、スタースクリームが聞いたことのない言葉で何かをロックダウンに告げているのを若葉は黙って聞いていることしかできない。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らない。
突然、全ての音が消えた事に驚いた若葉は大きく目を見開いていることしかできずにいた。音の消失と共に目の前の光景がスローモーションのように過ぎていく。
窓越しに見えるオレンジ色の火花、微かに漂ってくる焼け焦げたかのような異臭、凄まじい勢いで回転する視界、それらを黙ってみていることしかできなかった時だ。
「若葉」
自分の名を呼ぶ声に若葉が視線を向けると、そこには人の姿から金属生命体へと形を変えていくスタースクリームの姿が見えた。
人の姿と同じく全身にタトゥーまみれの金属生命体の赤い瞳と目が合った瞬間、自身へと伸ばされた大きな手に向かい若葉が応えるかのように手を伸ばしたときだった。
『スタースクリームッ!!ソレは悪手だ!!』
警告するかのようなロックダウンの声が聞こえた直後、スタースクリームの背後が爆発する。
一寸遅れて漂ってくる何かが焼け焦げた臭い、そしてバチバチという何かが爆ぜているかのような音に若葉は自分でも知らない内に口元を両手で覆う。
酷い臭いする煙と共に若葉の頭上からボタボタと粘着質な液体が落ち、ソレらが自分を汚していることなど気づかぬまま若葉は目の前に居るだろうスタースクリームの名の呼ぶが応える声はない。
「スタースクリーム」
縋るように何度も彼の名を呼ぶ。
何度呼んだのか解らないほどのスタースクリームの名前を口にしていた若葉の耳に雑音混じりの声が反応した。
『どうした小娘。酷い姿じゃないか』
反応があったことに若葉は安堵したかのように笑みを浮かべた時、風が吹き辺りを覆っていた煙が消え、現れた存在を見て若葉の顔は凍り付く。
そこに居たのは見るも無惨な姿をしているスタースクリームが力なく存在していたからだ。
