30章:急襲
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もしも自分たちの中に裏切り者が居るのだとしたら、その者の思惑が解らない。
参謀三人が意見を述べてもそれらしい者が浮かび上がらない。最初こそ誰もがスタースクリームを疑ったが、仮にそうだったとしたら何とも杜撰な計画と行動であるため「それはない」と結論が出された。
見えない敵の存在ほど厄介なモノではない。
後手に回らなければならない状況にスタースクリームは腹立たしいと言うかのように鋭い目で前を睨み付けながら乱暴に髪をかき上げたときだった。
「スタースクリーム。聞きたいことがあるの……」
微かな声で名を呼ばれた為、スタースクリームは思考を一時止めると若葉の方へと視線を向ける。
若葉の状態は酷いものだった。
「(当然か)」
日本が平和であることは事前情報から解っていたが、実際に日本に来てみると想像以上であったことはスタースクリームにとって誤算であった。
銃社会までとは言わないが多少の暴力的な事が”当たり前”であれば、若葉がこれほどまでに恐怖で疲弊する事はなかっただろうし、スタースクリームも少々危険な賭に出ることもできた。
TVニュースで流れた事件を見てスタースクリームは完全に駄目だと悟ったのは仕方のないことだ。
「…お前のことは必ず守るから安心しろ」
最悪の場合は街一つ犠牲になる可能性が高いがスタースクリームにとって拠点としている国ではない為、いざとなればトランスフォームして戦闘をしても何の問題もない。
空港までのルートをスパーク内で探索し、道中、敵が潜伏していそうな場所を見つけてはその場所を避けつつも最短で到着できるように考えていたスタースクリームであったが、突然視界が大きく揺れた事に気づく。
スッと視線を動かした先にはスタースクリームの胸ぐらを掴み、自分の方へと引き寄せている若葉の姿があった。
「私が聞きたいのはそれじゃない。……私を囮に使ったのは母さん達を守るため?」
命を脅かされている為か恐怖で引きつった顔と声であったが、それでもスタースクリームに問いかける視線だけは偽りを告げることは許さないと無言のまま告げてきていた。
そんな若葉の姿を見てスタースクリームはどうするか逡巡する。
自分たちの事情を伏せて言葉巧みに若葉を納得させる事などスタースクリームには容易いことだ。
けれど自分をヒタリと見据えてくる若葉を見ているとソレは駄目だと理解できた。ここでソレを選べば若葉はスタースクリームを信用しなくなる。それこそ一生だ。
何故かそれだけは受け入れられなかった、否、受け入れたくはなかったスタースクリームは自身の胸元を掴んでいる若葉の手にそっと手を置く。
「そうだ」
「母さん達を守れているの?」
「……お前どこまで解っている?」
今回の件はフォールンが主導で動いており、計画に関する事はスタースクリームの元にはあまり届いては居ない。故にスタースクリームは自身の持てる情報網を駆使し、ソレらを用いて独自に判断を下している。
メガトロンの右腕であるスタースクリームでさえ満足に情報を入手できない中、大事に守られている箱入り娘と言って良い若葉が事の核心を突いてきたことにスタースクリームは顔には出さないが警戒する。
もしかしたら自分たちの知らない間に若葉が第三者と繋がり、情報を入試している可能性があり、その相手が自分たちの情報を敵に売っているのではないか?と考えたスタースクリームは鋭い視線を若葉へと向ける中、若葉は至極当たり前のように答えた。
「何も解らないよ……いつだって私は蚊帳の外だから」
それは若葉がまだ子供で誰かの庇護下に居るからだということくら解っている。大人達は子供を守るために秘密を抱える事を若葉は知っている。
「でもね。私だって馬鹿じゃない」
子供は子供なりに考えることができるのだ。
考えた末の結論が大人にとって愚かとしか言いようのないものだとしても、子供はソレが正しいことだと思って突き進む。
参謀三人が意見を述べてもそれらしい者が浮かび上がらない。最初こそ誰もがスタースクリームを疑ったが、仮にそうだったとしたら何とも杜撰な計画と行動であるため「それはない」と結論が出された。
見えない敵の存在ほど厄介なモノではない。
後手に回らなければならない状況にスタースクリームは腹立たしいと言うかのように鋭い目で前を睨み付けながら乱暴に髪をかき上げたときだった。
「スタースクリーム。聞きたいことがあるの……」
微かな声で名を呼ばれた為、スタースクリームは思考を一時止めると若葉の方へと視線を向ける。
若葉の状態は酷いものだった。
「(当然か)」
日本が平和であることは事前情報から解っていたが、実際に日本に来てみると想像以上であったことはスタースクリームにとって誤算であった。
銃社会までとは言わないが多少の暴力的な事が”当たり前”であれば、若葉がこれほどまでに恐怖で疲弊する事はなかっただろうし、スタースクリームも少々危険な賭に出ることもできた。
TVニュースで流れた事件を見てスタースクリームは完全に駄目だと悟ったのは仕方のないことだ。
「…お前のことは必ず守るから安心しろ」
最悪の場合は街一つ犠牲になる可能性が高いがスタースクリームにとって拠点としている国ではない為、いざとなればトランスフォームして戦闘をしても何の問題もない。
空港までのルートをスパーク内で探索し、道中、敵が潜伏していそうな場所を見つけてはその場所を避けつつも最短で到着できるように考えていたスタースクリームであったが、突然視界が大きく揺れた事に気づく。
スッと視線を動かした先にはスタースクリームの胸ぐらを掴み、自分の方へと引き寄せている若葉の姿があった。
「私が聞きたいのはそれじゃない。……私を囮に使ったのは母さん達を守るため?」
命を脅かされている為か恐怖で引きつった顔と声であったが、それでもスタースクリームに問いかける視線だけは偽りを告げることは許さないと無言のまま告げてきていた。
そんな若葉の姿を見てスタースクリームはどうするか逡巡する。
自分たちの事情を伏せて言葉巧みに若葉を納得させる事などスタースクリームには容易いことだ。
けれど自分をヒタリと見据えてくる若葉を見ているとソレは駄目だと理解できた。ここでソレを選べば若葉はスタースクリームを信用しなくなる。それこそ一生だ。
何故かそれだけは受け入れられなかった、否、受け入れたくはなかったスタースクリームは自身の胸元を掴んでいる若葉の手にそっと手を置く。
「そうだ」
「母さん達を守れているの?」
「……お前どこまで解っている?」
今回の件はフォールンが主導で動いており、計画に関する事はスタースクリームの元にはあまり届いては居ない。故にスタースクリームは自身の持てる情報網を駆使し、ソレらを用いて独自に判断を下している。
メガトロンの右腕であるスタースクリームでさえ満足に情報を入手できない中、大事に守られている箱入り娘と言って良い若葉が事の核心を突いてきたことにスタースクリームは顔には出さないが警戒する。
もしかしたら自分たちの知らない間に若葉が第三者と繋がり、情報を入試している可能性があり、その相手が自分たちの情報を敵に売っているのではないか?と考えたスタースクリームは鋭い視線を若葉へと向ける中、若葉は至極当たり前のように答えた。
「何も解らないよ……いつだって私は蚊帳の外だから」
それは若葉がまだ子供で誰かの庇護下に居るからだということくら解っている。大人達は子供を守るために秘密を抱える事を若葉は知っている。
「でもね。私だって馬鹿じゃない」
子供は子供なりに考えることができるのだ。
考えた末の結論が大人にとって愚かとしか言いようのないものだとしても、子供はソレが正しいことだと思って突き進む。
