3章:最悪な初顔合わせ
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チラリと母の様子を窺えば、とても楽しげな顔をしていて、それは自分には決して向けられない母の女のとしての顔だと認識した瞬間、若葉はこれ以上この場に居る事が出来なかった。
「母さん」
自分でも驚くほど冷たい声音が若葉の口から出る。
母は初めて聞く娘の声に驚いた顔をして若葉を見つめるだけで、何も言葉を返すことはしない。
「私の部屋はどこなの?鞄から服を出したいんだけど」
素っ気ない声音で若葉は母に問いかけるがその目は母を見ることはしない。
「そうね。シワになっちゃうからそうした方が良いわ。えぇっと若葉ちゃんが滞在中に使うのはこの部屋よ」
ドアの前に立った母の言葉を聞いた少女はドアを問答無用で開けると、自分好みの内装をしている事に気づくと息を呑む。
こんな風にしてくれたのが母であり、それが母なりに慣れぬ異国の地で暮す娘の事を気を遣ってくれたことくらい解っている。いつもなら笑ってお礼を言えるほど嬉しい事のはずなのに、何故か今は母のそんな気遣いを拒絶したいという心が叫ぶ。
気づけばリビングにある荷物を手に持っていて、荒々しい足取りで自室へと向かって歩いていた。
「今日はもう疲れたから寝るね」
「若葉ちゃん?挨拶もしないで寝るなんて失礼でしょ?それに今夜は色々と話したいことがあるのよ?」
「ごめん」
「お母さんが聞きたいのはそういう言葉じゃなくて、」
ご立腹モードらしい母が追求しようとしてきたが、母の言葉が不自然な形で遮られてしまう。
いつもならば徹底的に追求してきて、互いに納得するまで話し合うはずの母らしくはない行動だと思いながら若葉が視線を向ければ、そこには母の肩に手を置いているメガトロンの姿があった。
睥睨しているかのような鋭い赤い目と視線が合う。
けれどすぐにメガトロンは若葉から視線を逸らすと、母の顔を見下ろしながら少しだけ目元を和らげながら口を開く。
「慣れぬことが立て続けに起きた長旅で疲れているのだろう。俺のことならば気にするな・・・ゆっくり休ませてやれ」
「でも」
「話ならば明日にでもできる」
容姿には似合わない寛容な言葉。
これから家族になるだろう義理の娘の我儘を許すかのような態度を目の当たりにした瞬間、若葉は頭が真っ白になる。
気づけば薄暗い部屋の中で独り佇んでいて、ドア越しに聞こえてくる誰かの声を聞く度に若葉は子供のように意味不明な癇癪を起こした自分が最低な人間用に感じられ、その感情を消すかのようにベッドへと飛び込んだ。
「母さん」
自分でも驚くほど冷たい声音が若葉の口から出る。
母は初めて聞く娘の声に驚いた顔をして若葉を見つめるだけで、何も言葉を返すことはしない。
「私の部屋はどこなの?鞄から服を出したいんだけど」
素っ気ない声音で若葉は母に問いかけるがその目は母を見ることはしない。
「そうね。シワになっちゃうからそうした方が良いわ。えぇっと若葉ちゃんが滞在中に使うのはこの部屋よ」
ドアの前に立った母の言葉を聞いた少女はドアを問答無用で開けると、自分好みの内装をしている事に気づくと息を呑む。
こんな風にしてくれたのが母であり、それが母なりに慣れぬ異国の地で暮す娘の事を気を遣ってくれたことくらい解っている。いつもなら笑ってお礼を言えるほど嬉しい事のはずなのに、何故か今は母のそんな気遣いを拒絶したいという心が叫ぶ。
気づけばリビングにある荷物を手に持っていて、荒々しい足取りで自室へと向かって歩いていた。
「今日はもう疲れたから寝るね」
「若葉ちゃん?挨拶もしないで寝るなんて失礼でしょ?それに今夜は色々と話したいことがあるのよ?」
「ごめん」
「お母さんが聞きたいのはそういう言葉じゃなくて、」
ご立腹モードらしい母が追求しようとしてきたが、母の言葉が不自然な形で遮られてしまう。
いつもならば徹底的に追求してきて、互いに納得するまで話し合うはずの母らしくはない行動だと思いながら若葉が視線を向ければ、そこには母の肩に手を置いているメガトロンの姿があった。
睥睨しているかのような鋭い赤い目と視線が合う。
けれどすぐにメガトロンは若葉から視線を逸らすと、母の顔を見下ろしながら少しだけ目元を和らげながら口を開く。
「慣れぬことが立て続けに起きた長旅で疲れているのだろう。俺のことならば気にするな・・・ゆっくり休ませてやれ」
「でも」
「話ならば明日にでもできる」
容姿には似合わない寛容な言葉。
これから家族になるだろう義理の娘の我儘を許すかのような態度を目の当たりにした瞬間、若葉は頭が真っ白になる。
気づけば薄暗い部屋の中で独り佇んでいて、ドア越しに聞こえてくる誰かの声を聞く度に若葉は子供のように意味不明な癇癪を起こした自分が最低な人間用に感じられ、その感情を消すかのようにベッドへと飛び込んだ。