29章:砂時計の砂が落ちきる前に
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到着したホテルは若葉でも知っている有名ホテルだった。
一生に一度は泊まってみたいホテルランキングにて、ここ数年連続一位である。目を見張るような値段ではあるが予約が困難であることも有名だ。
若葉の帰国は急遽決まったことで、帰国が決まってからホテルの予約をするなど無理なことであるのは若葉とて解っている。
「(サウンドウェーブさんだろうなぁ)」
脳裏に浮かんだサウンドウェーブの顔。
恐らく何らかの手段を使ったことは間違いないが、その手段が誰かを犠牲にしていなければ良いなと願いながら若葉はホテルに入る。
至る所まで磨き上げられている大理石の床、品の良い調度品、微かに流れているクラシック、全てが若葉の想像以上の世界であったため、緊張故に若葉は背筋を伸ばす。
スタースクリームは無言のままフロントまで行くとホテルスタッフに向かいなにやら告げる姿を若葉は黙って見つめる。
「……行くぞ」
必要な手続きを終えたらしいスタースクリームが歩き出したため、若葉はその数歩後ろをひな鳥のようについて行っていたのだが、ふとあることに気づくと声をかけた。
「ねぇ。こういうホテルって部屋まで案内してくれるんじゃないの?」
「断った」
なんともらしい返答に若葉は呆れたような視線を向けることしかできない。
エレベーターホールに着くとスタッフによってエレベーターが確保されていたらしく、ドアが閉じないようにしていてくれたスタッフに向かい若葉は一礼をしてからエレベーターに乗り込む。
迷うことなくスタースクリームの指先が最上階のすぐ下のボタンを押したことに若葉の顔が引きつった。
「……凄く高い部屋だったりする?」
「いいや?」
その発言を若葉は素直に聞き入れるべきか悩む。
ただでさえ高いホテル、ましてやそのホテルの最上階が安いわけなどないのだ。
そもそも今回の帰国費用もホテル滞在費も誰が持つのか解らない。
仮にもしもメガトロンだったとしたら彼の総資産とやらはどれだけのものなのだろうか?と若葉は少々下世話な考えを抱く。
「ちなみに部屋のランクって何なの?」
滞在する部屋が豪華すぎると一般市民の感覚ではゆっくり休むことはできないと言うかのように若葉が問いかけると、スタースクリームは不満そうに鼻を鳴らすと応えた。
「ジュニアスイートだ。……お前の護衛のこともあるからワンフロアを貸し切ってある。あぁ同行しているケイド・イェーガー一家も同じフロアに部屋を取ってあるが会いに行くことは許可しないぞ」
その言葉に若葉は絶句する。
ジュニアスイートという単語だけでも信じられないのに、そのクラスの部屋があるフロアを貸し切ったと当たり前のことのように告げられた。
「嘘つき!!凄く高い部屋じゃん!?」
「はぁ?凄く高くはない、そこそこ高い部屋だろう?」
何をこいつは言っているんだ?と言うかのような蔑むかのような眼差しでスタースクリームは若葉を見つめながら、不満ですと言うかのような顔をして口を開く。
「ホテル手配やら移動に関してはサウンドウェーブに一任させた。本当ならばスイートを手配しようとしたらしいが、なにやら海外からの重要人物とやらが宿泊するとのことでフロア全てを貸し切っているらしい。まぁ奴がその気になれば奪い取ることは可能だったのだろうが下手にことを起こすと面倒な国際問題に発展しかねんとのことでな……」
不満そうにチッと舌打ちをしたスタースクリームとは対照的に若葉は内心「重要人物さん、ありがとう!!」と心から感謝していると、エレベーターが目的の階層に到着する。
ドアが開いた先の光景は若葉の知らぬ世界だった為、若葉は何ともいえない顔をすることしかできなかった。
一生に一度は泊まってみたいホテルランキングにて、ここ数年連続一位である。目を見張るような値段ではあるが予約が困難であることも有名だ。
若葉の帰国は急遽決まったことで、帰国が決まってからホテルの予約をするなど無理なことであるのは若葉とて解っている。
「(サウンドウェーブさんだろうなぁ)」
脳裏に浮かんだサウンドウェーブの顔。
恐らく何らかの手段を使ったことは間違いないが、その手段が誰かを犠牲にしていなければ良いなと願いながら若葉はホテルに入る。
至る所まで磨き上げられている大理石の床、品の良い調度品、微かに流れているクラシック、全てが若葉の想像以上の世界であったため、緊張故に若葉は背筋を伸ばす。
スタースクリームは無言のままフロントまで行くとホテルスタッフに向かいなにやら告げる姿を若葉は黙って見つめる。
「……行くぞ」
必要な手続きを終えたらしいスタースクリームが歩き出したため、若葉はその数歩後ろをひな鳥のようについて行っていたのだが、ふとあることに気づくと声をかけた。
「ねぇ。こういうホテルって部屋まで案内してくれるんじゃないの?」
「断った」
なんともらしい返答に若葉は呆れたような視線を向けることしかできない。
エレベーターホールに着くとスタッフによってエレベーターが確保されていたらしく、ドアが閉じないようにしていてくれたスタッフに向かい若葉は一礼をしてからエレベーターに乗り込む。
迷うことなくスタースクリームの指先が最上階のすぐ下のボタンを押したことに若葉の顔が引きつった。
「……凄く高い部屋だったりする?」
「いいや?」
その発言を若葉は素直に聞き入れるべきか悩む。
ただでさえ高いホテル、ましてやそのホテルの最上階が安いわけなどないのだ。
そもそも今回の帰国費用もホテル滞在費も誰が持つのか解らない。
仮にもしもメガトロンだったとしたら彼の総資産とやらはどれだけのものなのだろうか?と若葉は少々下世話な考えを抱く。
「ちなみに部屋のランクって何なの?」
滞在する部屋が豪華すぎると一般市民の感覚ではゆっくり休むことはできないと言うかのように若葉が問いかけると、スタースクリームは不満そうに鼻を鳴らすと応えた。
「ジュニアスイートだ。……お前の護衛のこともあるからワンフロアを貸し切ってある。あぁ同行しているケイド・イェーガー一家も同じフロアに部屋を取ってあるが会いに行くことは許可しないぞ」
その言葉に若葉は絶句する。
ジュニアスイートという単語だけでも信じられないのに、そのクラスの部屋があるフロアを貸し切ったと当たり前のことのように告げられた。
「嘘つき!!凄く高い部屋じゃん!?」
「はぁ?凄く高くはない、そこそこ高い部屋だろう?」
何をこいつは言っているんだ?と言うかのような蔑むかのような眼差しでスタースクリームは若葉を見つめながら、不満ですと言うかのような顔をして口を開く。
「ホテル手配やら移動に関してはサウンドウェーブに一任させた。本当ならばスイートを手配しようとしたらしいが、なにやら海外からの重要人物とやらが宿泊するとのことでフロア全てを貸し切っているらしい。まぁ奴がその気になれば奪い取ることは可能だったのだろうが下手にことを起こすと面倒な国際問題に発展しかねんとのことでな……」
不満そうにチッと舌打ちをしたスタースクリームとは対照的に若葉は内心「重要人物さん、ありがとう!!」と心から感謝していると、エレベーターが目的の階層に到着する。
ドアが開いた先の光景は若葉の知らぬ世界だった為、若葉は何ともいえない顔をすることしかできなかった。