27章:楽しい空の旅
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唸り声に近い声で「あー」だの「うー」だの言いながら悶絶しているその姿から、今の発言は言いたくて言った事ではない事は明白だ。
つまりそれはスタースクリームの本心なのだと理解した若葉は唇をギュッと引き結んだまま沈黙を貫く。
そうしなければ嬉しさから笑みを浮かべてしまうことが解っていたからだ。
スタースクリームが今までであってきた人達の中でも矜持が高い事は若葉とて容易に解ってしまうほどだ。その彼が言いたくも無かった本心を思わぬ相手に吐露してしまったが今、色々な感情に苛まれ、今すぐきっとこの場から消えてしまいたいと思っているだろう事は解っている。
「(私が笑っている顔を見たら絶対に誤解する)」
精神的に切羽詰まっているスタースクリームが笑っている若葉を見て、最初に抱くのはきっと自分の不甲斐なさを笑われたと思うだろう。
だから若葉は絶対に笑わないように、表情筋をピクリとも動かさないようにするために必死になるのだが、そうはできない事情が起こってしまう。
何も見ないようにすべきだと解っているのに、すぐ近くにあるスタースクリームがソレを許してはくれない。
メガトロンとは違った色合いをしている銀色の髪から見え隠れする耳は羞恥からか真っ赤になっていて、ソレを見ていると若葉も自分の顔面が段々と熱くなってきたことに気づく。
何か言わなければ絶対に良くない展開になる、そう思った若葉が必死に何か弁解するための言葉を探していたときだ。
押し殺したかのような笑い声が狭い機内に響く。
「随分と仲が良いのだな」
「黙っていろ」
「貴様にしては随分とお優しい対応じゃないか」
「ロックダウン。俺は黙っていろと告げたぞ?俺は同じ事を何度も口にするのは嫌いだ。・・・ましてやそれが忠告ともなれば尚のことだとは思わないか?これ以上、俺の機嫌を損ねればどうなるのか貴様とて解らぬ訳ではあるまい?」
ソレまで浮かべていた表情を一瞬で消したスタースクリームは殺気の籠もった眼差しで目の前に居る者の名を吐き捨てるようにして呼ぶ。
男は人の姿をしているのだが、その正体はスタースクリームと同じく金属生命体であることを若葉は薄々感じ取っていた。
ただ、彼等と違うのは目の色だ。
赤か青のどちらかしかあの基地には居なかったのだが、ロックダウンの目の色は緑色をしている。
恐らくだがロックダウンはどちらの派閥にも属しておらず、だからこそスタースクリームがこんなにも敵意を剥き出しにしているのだと若葉は理解すると、どうやってこの場を乗り越えるべきだろうかと必死に考えていた時だ
視界の片隅にチラチラと銀色の何かの影が見えたためその方向へと視線を向けてみれば、そこにはこちらをジッと見つめてきているサイドスワイプの姿があった。
「(・・・助けて欲しい)」
切実な気持ちでジッと若葉はサイドスワイプを見つめる。
2人の視線が宙でかち合う。
スタースクリームとロックダウンを一瞬だけ見た後、再度サイドスワイプへと視線を向けた若葉の言わんとすることなど誰にでも解る事だった。
無言のまま必死にアイコンタクトを送る若葉だったが、ソレに返されたのは蔑むかのような眼差しと、右往左往することしか出来ない若葉の無力さを嘲笑うかのような人の悪い顔だった。
「(貴方に頼もうとした私が馬鹿だった)」
スッと顔から表情を消した若葉が真顔でサイドスワイプを見つめた時だ。
「さすがの貴様もメガトロンの娘となる者には気を遣うか?」
「・・・良い度胸だ」
座っていた椅子から立ち上がったスタースクリームがゆっくりと右手を胸の位置まで上げると、彼の手が大きくブレ始める。
次第にその腕が人の物から機械へと変わり、その金属の腕が殺傷力のありそうな銃へと変わっていくことに気づいた若葉の顔から血の気が引く。
この後起こるだろう展開など解りきっていた若葉は、それだけは阻止しなければならないと思うのと同時に慌ててスタースクリームの右腕にしがみついた。
「なっ!?」
突然のことに驚いたらしいスタースクリームの腕が人間のモノへと戻る。
つまりそれはスタースクリームの本心なのだと理解した若葉は唇をギュッと引き結んだまま沈黙を貫く。
そうしなければ嬉しさから笑みを浮かべてしまうことが解っていたからだ。
スタースクリームが今までであってきた人達の中でも矜持が高い事は若葉とて容易に解ってしまうほどだ。その彼が言いたくも無かった本心を思わぬ相手に吐露してしまったが今、色々な感情に苛まれ、今すぐきっとこの場から消えてしまいたいと思っているだろう事は解っている。
「(私が笑っている顔を見たら絶対に誤解する)」
精神的に切羽詰まっているスタースクリームが笑っている若葉を見て、最初に抱くのはきっと自分の不甲斐なさを笑われたと思うだろう。
だから若葉は絶対に笑わないように、表情筋をピクリとも動かさないようにするために必死になるのだが、そうはできない事情が起こってしまう。
何も見ないようにすべきだと解っているのに、すぐ近くにあるスタースクリームがソレを許してはくれない。
メガトロンとは違った色合いをしている銀色の髪から見え隠れする耳は羞恥からか真っ赤になっていて、ソレを見ていると若葉も自分の顔面が段々と熱くなってきたことに気づく。
何か言わなければ絶対に良くない展開になる、そう思った若葉が必死に何か弁解するための言葉を探していたときだ。
押し殺したかのような笑い声が狭い機内に響く。
「随分と仲が良いのだな」
「黙っていろ」
「貴様にしては随分とお優しい対応じゃないか」
「ロックダウン。俺は黙っていろと告げたぞ?俺は同じ事を何度も口にするのは嫌いだ。・・・ましてやそれが忠告ともなれば尚のことだとは思わないか?これ以上、俺の機嫌を損ねればどうなるのか貴様とて解らぬ訳ではあるまい?」
ソレまで浮かべていた表情を一瞬で消したスタースクリームは殺気の籠もった眼差しで目の前に居る者の名を吐き捨てるようにして呼ぶ。
男は人の姿をしているのだが、その正体はスタースクリームと同じく金属生命体であることを若葉は薄々感じ取っていた。
ただ、彼等と違うのは目の色だ。
赤か青のどちらかしかあの基地には居なかったのだが、ロックダウンの目の色は緑色をしている。
恐らくだがロックダウンはどちらの派閥にも属しておらず、だからこそスタースクリームがこんなにも敵意を剥き出しにしているのだと若葉は理解すると、どうやってこの場を乗り越えるべきだろうかと必死に考えていた時だ
視界の片隅にチラチラと銀色の何かの影が見えたためその方向へと視線を向けてみれば、そこにはこちらをジッと見つめてきているサイドスワイプの姿があった。
「(・・・助けて欲しい)」
切実な気持ちでジッと若葉はサイドスワイプを見つめる。
2人の視線が宙でかち合う。
スタースクリームとロックダウンを一瞬だけ見た後、再度サイドスワイプへと視線を向けた若葉の言わんとすることなど誰にでも解る事だった。
無言のまま必死にアイコンタクトを送る若葉だったが、ソレに返されたのは蔑むかのような眼差しと、右往左往することしか出来ない若葉の無力さを嘲笑うかのような人の悪い顔だった。
「(貴方に頼もうとした私が馬鹿だった)」
スッと顔から表情を消した若葉が真顔でサイドスワイプを見つめた時だ。
「さすがの貴様もメガトロンの娘となる者には気を遣うか?」
「・・・良い度胸だ」
座っていた椅子から立ち上がったスタースクリームがゆっくりと右手を胸の位置まで上げると、彼の手が大きくブレ始める。
次第にその腕が人の物から機械へと変わり、その金属の腕が殺傷力のありそうな銃へと変わっていくことに気づいた若葉の顔から血の気が引く。
この後起こるだろう展開など解りきっていた若葉は、それだけは阻止しなければならないと思うのと同時に慌ててスタースクリームの右腕にしがみついた。
「なっ!?」
突然のことに驚いたらしいスタースクリームの腕が人間のモノへと戻る。