25章:大切な人達の幸せのために
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情報参謀、その名を聞いて若葉の脳裏に浮かんだのはサウンドウェーブの顔だった。というか自分の知っている者達の中で情報に関して優れているのは彼以外に思い浮かばなかったというのが正解だ。
サウンドウェーブならばそれこそ秘密裏に動けるだろうし、そして万が一バレたとしてもメガトロンに対しても上手い言い訳ができそうだ。
「(よりにもよってサウンドウェーブさんか)」
フォールンとの打ち合わせをする際にサウンドウェーブを挟むことに関して若葉は少しだけ不安を抱く。
サウンドウェーブはメガトロン第一として動くだろうし、時としてフォールンの意図を彼が独自に解釈して暗躍する可能性が高い。
そういう人だと若葉はサウンドウェーブを認識しており、そしてそれが間違いでは無い事も解っている。
目的を果たすためには必要な犠牲を解っていて、その為に犠牲となる者を迷うこと無く切捨てる事が出来る人だ。
そういった人が仲介役に入るとなれば若葉の未来には暗いモノしかない。
「若葉?」
深刻そうな顔をしたきり黙り込んでしまった若葉に対し、フォールンは大丈夫か?と問うかのように名を呼ぶ。
それによってこの場に居るのが自分だけでは無いのだと理解した若葉はハッとしたかのように顔を上げると、ぎこちなく微笑みながら首を数回振る。
「すみません。ちょっと色々と考えていまして・・・えぇっと、私の今後の行動に関してサウンドウェーブさんに報告してフォールン様に連絡するようにお願いします。ただ・・・私がサウンドウェーブさんと直接連絡を取っていると知った閣下は絶対に疑います。」
「まぁそうだろうな」
フォールンの目から見てもサウンドウェーブが気軽に誰かと密な連絡を、それも友好的な連絡を取っているとは思えなかった。
「なのでサウンドウェーブさんの部下にフレンジー君を通しても良いですか?あの子と連絡を取っているとなれば多少は閣下の目を欺けるかと思います」
これは若葉の憶測でしかないのだが、フレンジーならば全てを言わなくとも大体を理解して臨機応変に動いてくれるような気がした。
自らがどう動くのが最善なのか解っていると言うかのような若葉の言葉を聞いたフォールンの胸に不安が浮かぶ。
何もかもがフォールンにとってこれ以上無いと言うほどに良い方へと進んでいる。
けれど何故かフォールンにはこの選択がとても良くはないことのように、まるで破滅へと真っ逆さまに落ちていくかのような感覚を抱いていた。
それはただの気の迷いだと、一抹の不安だと言って切捨てて良いものだ。
けれど永く生きてきたフォールンには今抱いたこの不安は、疑念は、決して楽観視して良いものではないのだと感じ取っていた。
「フォールン様。一つだけ私からお願いがあります」
少しだけその顔に罪悪感を浮かばせた若葉は上擦った声でフォールンへと問う。
若葉からのお願い、その言葉を聞いたフォールンは無意識の内に身体へと力を加えていた。
若葉が従順に動いていたのは全てこれから言うお願いの為だったのだ。
狡猾な者達の操り人形に成り果てた哀れな娘。
全てを理解した上でそうなることを決めた従順なその姿に絆され、いつの間にか警戒心を解いていたことに我ながら何とも迂闊だったとフォールンは内心、悔いながらもそれを顔には出さぬままお願いとやらを聞くために口を開く。
「なにかな?」
「私がフォールン様と密かに動いている事を閣下だけでは無く、母にも伏せては頂けませんか?・・・母は今とても大事な時期です。この先だって何が起こるのか解りません。だからこそいらぬ心配を掛けたくはありません。フォールン様にとっても赤ちゃんを喪うようなことは阻止したい事ですよね?」
メガトロンと血の繋がった子どもを喪いたくはないはずだ。
きっとこれから生まれてくる子どもは自分とは違って、メガトロンにとってかけがえのない存在となるだろうし、メガトロンの部下達にとっても特別視すべき存在となる。
「私とは違います・・・・だからどうかお願いします」
縋るように告げた若葉の言葉を聞いたフォールンは、目の前にいる若葉という人間が何とも哀れなものだと思う。
サウンドウェーブならばそれこそ秘密裏に動けるだろうし、そして万が一バレたとしてもメガトロンに対しても上手い言い訳ができそうだ。
「(よりにもよってサウンドウェーブさんか)」
フォールンとの打ち合わせをする際にサウンドウェーブを挟むことに関して若葉は少しだけ不安を抱く。
サウンドウェーブはメガトロン第一として動くだろうし、時としてフォールンの意図を彼が独自に解釈して暗躍する可能性が高い。
そういう人だと若葉はサウンドウェーブを認識しており、そしてそれが間違いでは無い事も解っている。
目的を果たすためには必要な犠牲を解っていて、その為に犠牲となる者を迷うこと無く切捨てる事が出来る人だ。
そういった人が仲介役に入るとなれば若葉の未来には暗いモノしかない。
「若葉?」
深刻そうな顔をしたきり黙り込んでしまった若葉に対し、フォールンは大丈夫か?と問うかのように名を呼ぶ。
それによってこの場に居るのが自分だけでは無いのだと理解した若葉はハッとしたかのように顔を上げると、ぎこちなく微笑みながら首を数回振る。
「すみません。ちょっと色々と考えていまして・・・えぇっと、私の今後の行動に関してサウンドウェーブさんに報告してフォールン様に連絡するようにお願いします。ただ・・・私がサウンドウェーブさんと直接連絡を取っていると知った閣下は絶対に疑います。」
「まぁそうだろうな」
フォールンの目から見てもサウンドウェーブが気軽に誰かと密な連絡を、それも友好的な連絡を取っているとは思えなかった。
「なのでサウンドウェーブさんの部下にフレンジー君を通しても良いですか?あの子と連絡を取っているとなれば多少は閣下の目を欺けるかと思います」
これは若葉の憶測でしかないのだが、フレンジーならば全てを言わなくとも大体を理解して臨機応変に動いてくれるような気がした。
自らがどう動くのが最善なのか解っていると言うかのような若葉の言葉を聞いたフォールンの胸に不安が浮かぶ。
何もかもがフォールンにとってこれ以上無いと言うほどに良い方へと進んでいる。
けれど何故かフォールンにはこの選択がとても良くはないことのように、まるで破滅へと真っ逆さまに落ちていくかのような感覚を抱いていた。
それはただの気の迷いだと、一抹の不安だと言って切捨てて良いものだ。
けれど永く生きてきたフォールンには今抱いたこの不安は、疑念は、決して楽観視して良いものではないのだと感じ取っていた。
「フォールン様。一つだけ私からお願いがあります」
少しだけその顔に罪悪感を浮かばせた若葉は上擦った声でフォールンへと問う。
若葉からのお願い、その言葉を聞いたフォールンは無意識の内に身体へと力を加えていた。
若葉が従順に動いていたのは全てこれから言うお願いの為だったのだ。
狡猾な者達の操り人形に成り果てた哀れな娘。
全てを理解した上でそうなることを決めた従順なその姿に絆され、いつの間にか警戒心を解いていたことに我ながら何とも迂闊だったとフォールンは内心、悔いながらもそれを顔には出さぬままお願いとやらを聞くために口を開く。
「なにかな?」
「私がフォールン様と密かに動いている事を閣下だけでは無く、母にも伏せては頂けませんか?・・・母は今とても大事な時期です。この先だって何が起こるのか解りません。だからこそいらぬ心配を掛けたくはありません。フォールン様にとっても赤ちゃんを喪うようなことは阻止したい事ですよね?」
メガトロンと血の繋がった子どもを喪いたくはないはずだ。
きっとこれから生まれてくる子どもは自分とは違って、メガトロンにとってかけがえのない存在となるだろうし、メガトロンの部下達にとっても特別視すべき存在となる。
「私とは違います・・・・だからどうかお願いします」
縋るように告げた若葉の言葉を聞いたフォールンは、目の前にいる若葉という人間が何とも哀れなものだと思う。