24章:戦争が残した傷跡
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触れている肩から伝わってくる震えに若葉は気づく。
答え合わせなどしなくとも、答えが分かってしまった若葉は先程抱いた疑問が、考えが、結果的に正しかったのだと理解する。
「私はどう動くのが良いのですか?」
フォールンへと答えを求める若葉の目はとても静かなものだった。
自分の今後に関して誰よりも理解をしていて、それを理不尽だと解っていながらも受け入れることを了承していた。
その目を間近で見たフォールンはソレを愚かだと思うの同時に、そのような決断をさせてしまったのは自分達なのだということを理解する。
いつかの未来でこの決断を誰かが悔いる事も解っている為、一瞬だけ悔いるかのように微かに目を細めると若葉の肩に乗せていた手を頬へと移動させる。
「お前がもっと愚かであればメガトロンも悩んだ末に私に頼ることもしなかっただろう」
若葉が年相応の無邪気さと愚かさで満たされている子どもであれば、何も知らせぬまま目と耳を塞ぎ都合良く導けた。
けれど周りの大人達が考えていたよりも若葉は聡かった。
それを喜ぶ出来なのだろうがこの状況がそれを許さない。
「そして私もこんなやり方を選ばなかっただろうな・・・なれど、私はどうしてもこのやり方しか思いつかなかった」
誰かを守る為に誰かを犠牲にするような残酷なやり方を。
けれどそうしなければならないのだ。と、フォールンは自分自身にそう言い聞かせながら、自分の中にまだ残っている微かな迷いを握り潰す。
そうしなければあの狡猾な男を出し抜くことは出来ないと解っているからだ。
「(いや、どちらにせよ同じ事か)」
フォールンの手を取ったとしても、センチネルの策略に落ちようとも、若葉という1人の人間が不幸になる事だけは確定している。
「恨むならば恨め、憎むのならば憎み続けても良い・・・だが、どうかメガトロンにだけはその感情を向ける事は止めてくれ」
悔いるかのような声音でフォールンから告げられた言葉を聞いた若葉の脳裏に浮かぶのはメガトロンの姿だ。
彼はきっと若葉の選択を歓迎しないだろうし、オプティマスもまたやんわりとだが拒絶をしてくるだろう。
心優しい何人かの人達はきっと若葉に考え直せと言ってくることは確かだ。
それでも若葉は自分の考えを変えるつもりはない。
若葉の為に苦言を呈する人が居てくれた。
出会って間もない人達であるが彼等が必死になってくれることがどうしようもなく嬉しくて、そしてそれと同じくらい彼等の気持ち分かっていながらも裏切ってしまう事が悲しかった。
けれどこうすることでしか守れない人も居て、誰かがそうしなければもっと多くの犠牲が出てしまう。
犠牲になるだろう者達の中に若葉の弟妹が含まれていて、それだけは絶対に阻止しなければならいのだ。
「(だって私はお姉ちゃんだから)」
名も知らぬ。顔も知らぬ。そんな弟妹の為に自分に出来る事をしたいのだと若葉は思うと笑みを浮かべる。
「フォールン様は閣下がこれ以上、辛い重荷を背負わないようにしたいのですね?今後生まれる閣下の子どものことも含めて閣下が辛い気持ちにならないように、というのが本心ですか?」
「そうだ。・・・故に私はメガトロンの背負うモノを一つでも減らすために動く。その結果、メガトロンが守りたいと思う者を犠牲にすることになったとしても、私はソレを迷うことなく実行する」
意図的に作り上げた冷たい声でフォールンは若葉に対して告げる。
それはメガトロンが望んだ事では無いと解っていても、いつか真実を知ったメガトロンが怒り、そして傷つき苦しむと解っている。
無論フォールンには悟らせぬつもりはない。
参謀達には事前に協力を要請しており、彼等はメガトロンのためならばと了承している。
「(許せ)」
メガトロンとの結婚を報告に来た博士の顔を思い出す。
博士とは何度か他愛ない世間話をした事があるのだが、その度に話題に上がるのが娘である若葉の事だった。
だからこそフォールンはこの決断が、この瞬間に起きている事に対し、若葉に対して罪悪感を抱くが、ソレを決して顔にも態度にも出さない。
それは決して許されぬ事だと彼が一番良く解っていたからだ。
答え合わせなどしなくとも、答えが分かってしまった若葉は先程抱いた疑問が、考えが、結果的に正しかったのだと理解する。
「私はどう動くのが良いのですか?」
フォールンへと答えを求める若葉の目はとても静かなものだった。
自分の今後に関して誰よりも理解をしていて、それを理不尽だと解っていながらも受け入れることを了承していた。
その目を間近で見たフォールンはソレを愚かだと思うの同時に、そのような決断をさせてしまったのは自分達なのだということを理解する。
いつかの未来でこの決断を誰かが悔いる事も解っている為、一瞬だけ悔いるかのように微かに目を細めると若葉の肩に乗せていた手を頬へと移動させる。
「お前がもっと愚かであればメガトロンも悩んだ末に私に頼ることもしなかっただろう」
若葉が年相応の無邪気さと愚かさで満たされている子どもであれば、何も知らせぬまま目と耳を塞ぎ都合良く導けた。
けれど周りの大人達が考えていたよりも若葉は聡かった。
それを喜ぶ出来なのだろうがこの状況がそれを許さない。
「そして私もこんなやり方を選ばなかっただろうな・・・なれど、私はどうしてもこのやり方しか思いつかなかった」
誰かを守る為に誰かを犠牲にするような残酷なやり方を。
けれどそうしなければならないのだ。と、フォールンは自分自身にそう言い聞かせながら、自分の中にまだ残っている微かな迷いを握り潰す。
そうしなければあの狡猾な男を出し抜くことは出来ないと解っているからだ。
「(いや、どちらにせよ同じ事か)」
フォールンの手を取ったとしても、センチネルの策略に落ちようとも、若葉という1人の人間が不幸になる事だけは確定している。
「恨むならば恨め、憎むのならば憎み続けても良い・・・だが、どうかメガトロンにだけはその感情を向ける事は止めてくれ」
悔いるかのような声音でフォールンから告げられた言葉を聞いた若葉の脳裏に浮かぶのはメガトロンの姿だ。
彼はきっと若葉の選択を歓迎しないだろうし、オプティマスもまたやんわりとだが拒絶をしてくるだろう。
心優しい何人かの人達はきっと若葉に考え直せと言ってくることは確かだ。
それでも若葉は自分の考えを変えるつもりはない。
若葉の為に苦言を呈する人が居てくれた。
出会って間もない人達であるが彼等が必死になってくれることがどうしようもなく嬉しくて、そしてそれと同じくらい彼等の気持ち分かっていながらも裏切ってしまう事が悲しかった。
けれどこうすることでしか守れない人も居て、誰かがそうしなければもっと多くの犠牲が出てしまう。
犠牲になるだろう者達の中に若葉の弟妹が含まれていて、それだけは絶対に阻止しなければならいのだ。
「(だって私はお姉ちゃんだから)」
名も知らぬ。顔も知らぬ。そんな弟妹の為に自分に出来る事をしたいのだと若葉は思うと笑みを浮かべる。
「フォールン様は閣下がこれ以上、辛い重荷を背負わないようにしたいのですね?今後生まれる閣下の子どものことも含めて閣下が辛い気持ちにならないように、というのが本心ですか?」
「そうだ。・・・故に私はメガトロンの背負うモノを一つでも減らすために動く。その結果、メガトロンが守りたいと思う者を犠牲にすることになったとしても、私はソレを迷うことなく実行する」
意図的に作り上げた冷たい声でフォールンは若葉に対して告げる。
それはメガトロンが望んだ事では無いと解っていても、いつか真実を知ったメガトロンが怒り、そして傷つき苦しむと解っている。
無論フォールンには悟らせぬつもりはない。
参謀達には事前に協力を要請しており、彼等はメガトロンのためならばと了承している。
「(許せ)」
メガトロンとの結婚を報告に来た博士の顔を思い出す。
博士とは何度か他愛ない世間話をした事があるのだが、その度に話題に上がるのが娘である若葉の事だった。
だからこそフォールンはこの決断が、この瞬間に起きている事に対し、若葉に対して罪悪感を抱くが、ソレを決して顔にも態度にも出さない。
それは決して許されぬ事だと彼が一番良く解っていたからだ。