24章:戦争が残した傷跡
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
話しが少し脱線してしまったと言って苦笑を浮かべたフォールンが続きを再開する。
「メガトロンはディセプティコンを率いていた・・・オプティマス・プライムはオートボットを率いていた。2人は思想の違い故に長く戦い続けていたのだが、地球に来てようやく争いを止め、そして共に手を取り合う事を選んだ」
それは喜ばしい事であるはずなのに、何故かフォールンがその選択を悔いているかのような気が若葉にはした。
「引き金を引いたのは我々だ。古く生きる者達だ・・・なれど当事者である者達は戦争にて命を落とし、星が潰え、命が失われたことに対する償いをすることをせぬまま終りを迎えた」
そっと目を伏せたフォールンの瞼の裏に浮かぶのは今は亡き兄弟達、そしてかつて共に戦場を馳せた懐かしい戦友達の姿だ。
そして理想を求め、ディセプティコンに心酔し、戦場にて命を落としてく若い者達の姿。
「我々がしなかった償いをメガトロンとオプティマスがすることになった。それが指揮官たる自分達の贖罪なのだと言ってな・・・」
他者を圧倒する強い力、他者にはないカリスマ性、統治者たる姿。
2人の思想は対極であったが故に、2人は違う道を選択し、そして気づけばそれぞれが軍を率いる者となっていた。
始まりがあれば終りがある。
戦争の終りを引き受ける者達が行う、長い戦争で失われた命に対する償い。
「あの2人だけが背負うべき問題でもなければないのだ」
その役目を代われるのならば良かった。今にも消えそうなほどの小さな声でフォールンは呟く。
悔いるかのようなフォールンの姿。
その姿はこの基地で出会ってきたメガトロンやオプティマスの部下達とよく似ていた。
彼等もまたフォールンと同じく、全ての責任を2人が背負って良いものではないのだと思っているのだ。
それだけ2人が負ったモノが、過背負わされたモノが重いのだと若葉にも嫌と言う程に伝わってきた。
気の遠くなるかのよう遠い昔から続く因縁はそれこそまさに罪と呼んで良いほどに重たく、そしてとても冷たいモノでもある。
失われた故郷、喪われた命への償いは先が見えなく、永遠と呼んで良いほどの時間がかかる事くらい若葉でも簡単に想像出来た。
「(閣下もオプティマスさんも私の事を考えて話すつもりだった)」
戦争を知らない子ども相手に残酷な現実を突きつけず、耳を塞ぎたくなるような事実を隠しながら話をしただろう。
それこそ若葉が深く追求しなければ自分達が争っていたのだという事実だけを口にして終りにしていた。
だからこそ若葉は何故この話をする際にフォールンがメガトロンを強引に追い出したのか若葉は理解をすることになる。
2人の抱えるモノを若葉が知ったのならば、どのような方法を選ぶのか解っていたからこそ、メガトロンとオプティマスは何も伝えぬ事を、何も悟らせない事を選んだ。
ソレは2人の優しさだ。
ならばその優しさに対して自分はどれだけの事ができるのだろうか?と若葉は思うと、意を決したかのようにキュッと手を握ると口を開く。
「フォールン様」
自分が今考えている事が正しいのか、誤りなのか、若葉には解らない。
フォールンははっきりと言葉にはしなかった。
けれど彼の雰囲気が、説明の一つ一つが、ある結論へと自分を導いているような気がしてならないのだ。
声に出して問いただすべきだと解っているのだが何故か解らないが、それをしてしまえば自分がその言葉に縛り付けられるような気がした為、若葉はフォールンの名を呼んだきり沈黙すると嫌なモノが部屋の中に満ちていく。
それは今までの経験上決して良くはないことだと解っている若葉だったが、だからと言って今の自分にこの状況を打破するような上手い言葉も、巧みな話術もない。
抗う術を持たぬ若葉に残された選択肢はただ、このまま沈黙を守るという事だ。
「お前は本当に聡いなぁ」
話を聞き終えた若葉が何を考えたのか見抜いたフォールンは若葉の肩に触れてきたその手は冷たかった。
「メガトロンはディセプティコンを率いていた・・・オプティマス・プライムはオートボットを率いていた。2人は思想の違い故に長く戦い続けていたのだが、地球に来てようやく争いを止め、そして共に手を取り合う事を選んだ」
それは喜ばしい事であるはずなのに、何故かフォールンがその選択を悔いているかのような気が若葉にはした。
「引き金を引いたのは我々だ。古く生きる者達だ・・・なれど当事者である者達は戦争にて命を落とし、星が潰え、命が失われたことに対する償いをすることをせぬまま終りを迎えた」
そっと目を伏せたフォールンの瞼の裏に浮かぶのは今は亡き兄弟達、そしてかつて共に戦場を馳せた懐かしい戦友達の姿だ。
そして理想を求め、ディセプティコンに心酔し、戦場にて命を落としてく若い者達の姿。
「我々がしなかった償いをメガトロンとオプティマスがすることになった。それが指揮官たる自分達の贖罪なのだと言ってな・・・」
他者を圧倒する強い力、他者にはないカリスマ性、統治者たる姿。
2人の思想は対極であったが故に、2人は違う道を選択し、そして気づけばそれぞれが軍を率いる者となっていた。
始まりがあれば終りがある。
戦争の終りを引き受ける者達が行う、長い戦争で失われた命に対する償い。
「あの2人だけが背負うべき問題でもなければないのだ」
その役目を代われるのならば良かった。今にも消えそうなほどの小さな声でフォールンは呟く。
悔いるかのようなフォールンの姿。
その姿はこの基地で出会ってきたメガトロンやオプティマスの部下達とよく似ていた。
彼等もまたフォールンと同じく、全ての責任を2人が背負って良いものではないのだと思っているのだ。
それだけ2人が負ったモノが、過背負わされたモノが重いのだと若葉にも嫌と言う程に伝わってきた。
気の遠くなるかのよう遠い昔から続く因縁はそれこそまさに罪と呼んで良いほどに重たく、そしてとても冷たいモノでもある。
失われた故郷、喪われた命への償いは先が見えなく、永遠と呼んで良いほどの時間がかかる事くらい若葉でも簡単に想像出来た。
「(閣下もオプティマスさんも私の事を考えて話すつもりだった)」
戦争を知らない子ども相手に残酷な現実を突きつけず、耳を塞ぎたくなるような事実を隠しながら話をしただろう。
それこそ若葉が深く追求しなければ自分達が争っていたのだという事実だけを口にして終りにしていた。
だからこそ若葉は何故この話をする際にフォールンがメガトロンを強引に追い出したのか若葉は理解をすることになる。
2人の抱えるモノを若葉が知ったのならば、どのような方法を選ぶのか解っていたからこそ、メガトロンとオプティマスは何も伝えぬ事を、何も悟らせない事を選んだ。
ソレは2人の優しさだ。
ならばその優しさに対して自分はどれだけの事ができるのだろうか?と若葉は思うと、意を決したかのようにキュッと手を握ると口を開く。
「フォールン様」
自分が今考えている事が正しいのか、誤りなのか、若葉には解らない。
フォールンははっきりと言葉にはしなかった。
けれど彼の雰囲気が、説明の一つ一つが、ある結論へと自分を導いているような気がしてならないのだ。
声に出して問いただすべきだと解っているのだが何故か解らないが、それをしてしまえば自分がその言葉に縛り付けられるような気がした為、若葉はフォールンの名を呼んだきり沈黙すると嫌なモノが部屋の中に満ちていく。
それは今までの経験上決して良くはないことだと解っている若葉だったが、だからと言って今の自分にこの状況を打破するような上手い言葉も、巧みな話術もない。
抗う術を持たぬ若葉に残された選択肢はただ、このまま沈黙を守るという事だ。
「お前は本当に聡いなぁ」
話を聞き終えた若葉が何を考えたのか見抜いたフォールンは若葉の肩に触れてきたその手は冷たかった。