24章:戦争が残した傷跡
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フォールンの口から語られたのは気の遠くなるような時間、絶えず戦い続けたという彼等の話。
和解をしたと、憎むのを止めたのだと、殺し合うことを止めたのだと言っても、所詮はソレは上辺だけの言葉でしかない。
長い間ずっと戦い続けた結果、大切な友を失って、大切な故郷を失って、大切な何かを失った者達は振り上げた拳の下ろすことを出来ずにいる。
中には拳をすでに下ろした者も居るのだろうが、そんな者達はごく一握りしかいない。
「敵対していた二つの種族が再び一つになる・・・・それを祝福するかのように残されていたオールスパークの欠片とそしてマトリクスの力により、地球での戦いで命を落とした者達は蘇ることが出来た。けれどそれは長い間に双方が払った犠牲と比べれば一握りにすらならぬ命だ」
還ってきた命を喜ぶのと同時に僅かな落胆が全員の心の中に広がった。
失った者達全員が蘇ったわけではない。
「・・・生き返らなかった方々はずっと記憶の中で生き続けるのですか?」
地球に来ることすら叶わず遠い昔に命を落とした者達はこのままなのだろうか?と疑問を抱いた若葉が問いかければ、フォールンは目を細めながら静かに首を振る。
フォールンのしわがれた手が何かをくいるかのようにきつく握られていることから、誰しもが望む結末を迎えたのではないと若葉は理解する。
「いずれの未来にて再び生を得るだろう。ただ、以前と同じ存在ではないが・・・お前達の言葉を用いるのであれば輪廻転生、もしくは”生まれ変わり”というのが近い」
似て異なる存在となって再開する。
それはかつての相手を知る者達にとって喜びと落胆を同時に与えることとなる。
全てを覚えていて生き続ける事、全てを忘れて新たな生を得る事、どちらが幸せなのだろうか?と若葉は考えるが答えなど出るわけも無い。
お伽噺のように幸せな結末を迎えることはない。
現実はいつも残酷なものでしかない。
「オートボットの軍医が言っていただろう?お主が他者の罪まで、他者の愚かさまで抱えずとも良いとな。全ては我々の種族が引き起こしたこと。お主は何も気にせずとも良いのだ・・・」
「フォールン様」
「なにかな?」
「私は今日こうしてフォールン様からお話を聞くまで、閣下やオプティマスさん達の間にどんなことがあったのか知りませんでした」
金属生命体達が地球に来ていたことも、そして日本から離れた遠い異国の地で彼等が戦っていることもTVを通して知っていた。
けれど若葉はそれは自分には関係のない土地で起こっている、全く関わりのない出来事だとしか認識していなかった。
こうして彼等と出会い、言葉を交わして初めて彼等もまた命ある者、心がある者なのだと知ることができたが、それと同時に出会わなければ知らなかった、否、知ろうともしなかっただろう。
「過去を知った今・・・私は閣下に何が出来るのでしょうか?」
あの不器用で優しい人の為に、父となろうと手探りで色々な事を探している人の為に、人として、娘として一体何が出来るのだろうか?と若葉が考えていた時だ。
「お主がメガトロンの事を心から思ってくれたこと、そして・・・・我らの悲しみと痛みに寄り添ってくれたことに感謝する」
そっと労るかのように頭を撫でられる。
驚いた若葉がその手の持ち主、フォールンを見上げると彼は微笑んでいた。
その顔に浮かぶのは純粋な喜びだったことに若葉は少しだけ救われたような気がした。
和解をしたと、憎むのを止めたのだと、殺し合うことを止めたのだと言っても、所詮はソレは上辺だけの言葉でしかない。
長い間ずっと戦い続けた結果、大切な友を失って、大切な故郷を失って、大切な何かを失った者達は振り上げた拳の下ろすことを出来ずにいる。
中には拳をすでに下ろした者も居るのだろうが、そんな者達はごく一握りしかいない。
「敵対していた二つの種族が再び一つになる・・・・それを祝福するかのように残されていたオールスパークの欠片とそしてマトリクスの力により、地球での戦いで命を落とした者達は蘇ることが出来た。けれどそれは長い間に双方が払った犠牲と比べれば一握りにすらならぬ命だ」
還ってきた命を喜ぶのと同時に僅かな落胆が全員の心の中に広がった。
失った者達全員が蘇ったわけではない。
「・・・生き返らなかった方々はずっと記憶の中で生き続けるのですか?」
地球に来ることすら叶わず遠い昔に命を落とした者達はこのままなのだろうか?と疑問を抱いた若葉が問いかければ、フォールンは目を細めながら静かに首を振る。
フォールンのしわがれた手が何かをくいるかのようにきつく握られていることから、誰しもが望む結末を迎えたのではないと若葉は理解する。
「いずれの未来にて再び生を得るだろう。ただ、以前と同じ存在ではないが・・・お前達の言葉を用いるのであれば輪廻転生、もしくは”生まれ変わり”というのが近い」
似て異なる存在となって再開する。
それはかつての相手を知る者達にとって喜びと落胆を同時に与えることとなる。
全てを覚えていて生き続ける事、全てを忘れて新たな生を得る事、どちらが幸せなのだろうか?と若葉は考えるが答えなど出るわけも無い。
お伽噺のように幸せな結末を迎えることはない。
現実はいつも残酷なものでしかない。
「オートボットの軍医が言っていただろう?お主が他者の罪まで、他者の愚かさまで抱えずとも良いとな。全ては我々の種族が引き起こしたこと。お主は何も気にせずとも良いのだ・・・」
「フォールン様」
「なにかな?」
「私は今日こうしてフォールン様からお話を聞くまで、閣下やオプティマスさん達の間にどんなことがあったのか知りませんでした」
金属生命体達が地球に来ていたことも、そして日本から離れた遠い異国の地で彼等が戦っていることもTVを通して知っていた。
けれど若葉はそれは自分には関係のない土地で起こっている、全く関わりのない出来事だとしか認識していなかった。
こうして彼等と出会い、言葉を交わして初めて彼等もまた命ある者、心がある者なのだと知ることができたが、それと同時に出会わなければ知らなかった、否、知ろうともしなかっただろう。
「過去を知った今・・・私は閣下に何が出来るのでしょうか?」
あの不器用で優しい人の為に、父となろうと手探りで色々な事を探している人の為に、人として、娘として一体何が出来るのだろうか?と若葉が考えていた時だ。
「お主がメガトロンの事を心から思ってくれたこと、そして・・・・我らの悲しみと痛みに寄り添ってくれたことに感謝する」
そっと労るかのように頭を撫でられる。
驚いた若葉がその手の持ち主、フォールンを見上げると彼は微笑んでいた。
その顔に浮かぶのは純粋な喜びだったことに若葉は少しだけ救われたような気がした。