24章:戦争が残した傷跡
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フォールンがメガトロンの師である以上、彼よりも発言力もあり、権力もあることはあのセンチネルを退けたことから明白すぎた。フォールンが持っているだろう権限も、立場も、この基地で出会った誰よりも上であることを若葉は理解していた。
そんな人物を気軽に”祖父”と呼んで良いのか解らない。
本人が許可しても周りがそれを認めない事だってあるのだから。
「えぇっと・・・」
言い訳をしようにも都合良くポンポンと言葉が出てくるわけも無く、若葉は困惑を隠せず、どのように答えれば良いのか解らずに言葉を濁していたときだ。
「お前は聡いな」
そう言ったきりピタリと口を閉ざし、無言のまま若葉の頭を撫でたフォールンの手は優しさと慈しみで満ちている。
目に見えるその優しさ、自分への愛情の欠片、それは疑いようもないことくらい解っているのに若葉はフォールンのそういった感情から目を背けたくなってしまう。
「(どうして私は・・・その気持ちを素直に受け入れられないんだろう?)」
フォールンの一挙一動には若葉に対し、初対面とは思えぬほどに友好的である意味ではこの基地で出会った人達の中で一番良い人のように思えた。
そんな人の言葉や行動を何故自分は受け入れられないのだろうか?疑ってしまうのだろうか?そう考えていた若葉がジッとフォールンの目を見つめ返していたときある事に気づく。
自分を見つめるその目には憐憫の情が浮かんでいた。
それがどのような意味を持っているのか若葉には解らない。
憐れみと愛おしさが複雑に混ざり合っているフォールンの眼差しは上手く表現できぬ、なんとも形容しがたい感情だったが、ただ確かなことはフォールンは若葉を害するつもりはないという事くらいで、それ以外の感情が全くと言って解らないのだ。
明確な感情が解っているはずなのに、それをである事だけが解った。
「メガトロンが私に頼んでくるのも無理はない・・・彼奴は反抗的な者を強引にねじ伏せることは得意としているのだが、お前のような者を相手にする事は不得手だろうからな」
「それは閣下が私を苦手だということでしょうか?」
自分が同年代の子達と比べて少しばかり捻くれた性格をしていて、それでいて上っ面だけが良いことは薄々解っていた事だが改めてその事実を他人から突きつけられると堪えるなぁと若葉が思いながら答えると、フォールンは一瞬だけ驚いた顔をしたがすぐに苦笑を浮かべるとその考えをやんわりと否定する。
「あぁすまんな。悪い意味ではない。むしろ、良い意味だ。・・・彼奴はお前を好ましく思っているし、愛おしいと思っている感情に偽りはない」
目元を綻ばせたフォールンはメガトロンのそんな変化を心から喜んでいるかのように見えた。
若葉自身、メガトロンの事をそれほど詳しくはない。
故に何故そんな風にフォールンが笑うのかが解らない為、ただ無言のままフォールンを見つめる。
「若葉。お前を好ましく思うが故にメガトロンは強引に事を運ぶことはできんのだ・・・」
思い出せばメガトロンは若葉が愚かな事を口にしたり、愚かな行動をしたときくらいしか強引な手段を執らなかった。
基本的に若葉の意を尊重してくれた。
ソレがどういった意味を持つのかメガトロンも解った上で尊重してくれたのだと、娘になる者の意思を尊重してくれたのだと若葉は今になって理解する。
メガトロンならばこそ、多くの者達を束ねる者だからこそ、彼はその選択が自らの首を絞めるだろう事も解っていたはずだ。
理不尽な事を求められることも解っていながらもメガトロンは若葉の意思を尊重してくれたのだ。
「それがいつか自分の首を絞めると解っていてもヤツはお前に対して今後の行動を替えることはしないだろう。お前の意思を尊重し、お前の未来を守るために動く。それがどのような意味を成すのか解った上でメガトロンは動く」
「ッ・・・・」
メガトロンの行動を愚かと言う者もいるだろう。
けれど若葉には、”彼の娘になる者”にとってはそれは言葉に出来ないほどの喜びで、それと同じくらいメガトロンに対して頭が下がる思いだ。
「若葉。少し昔話をしようか」
突然の提案に若葉は何故か解らないが身構えてしまったのは無理も無いことであった。
そんな人物を気軽に”祖父”と呼んで良いのか解らない。
本人が許可しても周りがそれを認めない事だってあるのだから。
「えぇっと・・・」
言い訳をしようにも都合良くポンポンと言葉が出てくるわけも無く、若葉は困惑を隠せず、どのように答えれば良いのか解らずに言葉を濁していたときだ。
「お前は聡いな」
そう言ったきりピタリと口を閉ざし、無言のまま若葉の頭を撫でたフォールンの手は優しさと慈しみで満ちている。
目に見えるその優しさ、自分への愛情の欠片、それは疑いようもないことくらい解っているのに若葉はフォールンのそういった感情から目を背けたくなってしまう。
「(どうして私は・・・その気持ちを素直に受け入れられないんだろう?)」
フォールンの一挙一動には若葉に対し、初対面とは思えぬほどに友好的である意味ではこの基地で出会った人達の中で一番良い人のように思えた。
そんな人の言葉や行動を何故自分は受け入れられないのだろうか?疑ってしまうのだろうか?そう考えていた若葉がジッとフォールンの目を見つめ返していたときある事に気づく。
自分を見つめるその目には憐憫の情が浮かんでいた。
それがどのような意味を持っているのか若葉には解らない。
憐れみと愛おしさが複雑に混ざり合っているフォールンの眼差しは上手く表現できぬ、なんとも形容しがたい感情だったが、ただ確かなことはフォールンは若葉を害するつもりはないという事くらいで、それ以外の感情が全くと言って解らないのだ。
明確な感情が解っているはずなのに、それをである事だけが解った。
「メガトロンが私に頼んでくるのも無理はない・・・彼奴は反抗的な者を強引にねじ伏せることは得意としているのだが、お前のような者を相手にする事は不得手だろうからな」
「それは閣下が私を苦手だということでしょうか?」
自分が同年代の子達と比べて少しばかり捻くれた性格をしていて、それでいて上っ面だけが良いことは薄々解っていた事だが改めてその事実を他人から突きつけられると堪えるなぁと若葉が思いながら答えると、フォールンは一瞬だけ驚いた顔をしたがすぐに苦笑を浮かべるとその考えをやんわりと否定する。
「あぁすまんな。悪い意味ではない。むしろ、良い意味だ。・・・彼奴はお前を好ましく思っているし、愛おしいと思っている感情に偽りはない」
目元を綻ばせたフォールンはメガトロンのそんな変化を心から喜んでいるかのように見えた。
若葉自身、メガトロンの事をそれほど詳しくはない。
故に何故そんな風にフォールンが笑うのかが解らない為、ただ無言のままフォールンを見つめる。
「若葉。お前を好ましく思うが故にメガトロンは強引に事を運ぶことはできんのだ・・・」
思い出せばメガトロンは若葉が愚かな事を口にしたり、愚かな行動をしたときくらいしか強引な手段を執らなかった。
基本的に若葉の意を尊重してくれた。
ソレがどういった意味を持つのかメガトロンも解った上で尊重してくれたのだと、娘になる者の意思を尊重してくれたのだと若葉は今になって理解する。
メガトロンならばこそ、多くの者達を束ねる者だからこそ、彼はその選択が自らの首を絞めるだろう事も解っていたはずだ。
理不尽な事を求められることも解っていながらもメガトロンは若葉の意思を尊重してくれたのだ。
「それがいつか自分の首を絞めると解っていてもヤツはお前に対して今後の行動を替えることはしないだろう。お前の意思を尊重し、お前の未来を守るために動く。それがどのような意味を成すのか解った上でメガトロンは動く」
「ッ・・・・」
メガトロンの行動を愚かと言う者もいるだろう。
けれど若葉には、”彼の娘になる者”にとってはそれは言葉に出来ないほどの喜びで、それと同じくらいメガトロンに対して頭が下がる思いだ。
「若葉。少し昔話をしようか」
突然の提案に若葉は何故か解らないが身構えてしまったのは無理も無いことであった。