23章:青と赤の狡猾な者
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突然現れた老人、その人がメガトロンにとって師と呼ばれる立場の人であることは先程の会話で若葉にも解ったのだが、この人が来たとしてセンチネルが大人しく引き下がるとは到底思えない。
未だに掴まれたままの右腕へと視線を向けた若葉に気づいた老人が頷く。
その直後、若葉の腕を掴んでいたセンチネルの手が離れる。
驚いた若葉がセンチネルを見ると彼は自身の手首を押さえており、青い目をこれ以上無いと言う程釣り上げて老人を見ていた。
「フォールン。何の真似だ?」
「年甲斐もなくいつまでも若い娘の柔肌に未練がましく触れておるからだ」
センチネルに掴まれていた部分を老人、フォールンが労るかのように優しく撫でながら、至極当然のことのように言葉を返す。
「そう言えば先程、若葉をお前の管理下に置く等という下らん戯言を言っていたようだな」
「既に決まったことだ」
「ほぅ?・・・若葉の事に関しては博士が責任を持つ事になっていたと思ったのだが?」
「博士は現在ベッドから動けぬだろう。母親の不在を良いことにその娘が好き勝手な行動を取り、そしてどれだけの被害を我々に及ぼしたと考えている?・・・施設の破壊、その修繕費用、ここの施設は全て特殊な素材を使っている。修繕一つに関してどれほどの費用が掛かるのかまさか知らぬと言わぬだろう」
正論で責めてくるセンチネルの言葉に若葉は自分のやった事は想像以上に多くの人達に迷惑を掛けていたのだと嫌でも認識させられてしまう。
メガトロンはそれを決して若葉に教えず、悟らせないかのように密かに処理を行うだろう。ここでセンチネルから聞かされなければ若葉は何も知らぬまま、ここで過ごし続けた。
「愚か者には指導をせねばなるまい・・・だが指導すべき博士は不在、メガトロンに至ってはその娘を叱ることもせず、娘に好き勝手な行動をさせ続けた。ここは軍事施設だ。人間の子供らが通う学校ではない、守るべき規則があり、従うべきルールがあるのだ。1人が規律を乱せば全てが崩壊する」
「故にお前が若葉を指導すると?」
「そうだ」
「お前は若葉を自分にとって都合の良い傀儡にしたいだけだろう」
朗らかな声音で今まで会話をしていたフォールンであったが、突然その雰囲気を一変させた。
ビリッとこの場の空気が震える。
誰もが強ばった顔をしてセンチネルとフォールンを見つめており、一触即発の雰囲気に若葉はこうなったのは自分のせいなのだから、自分が何とかしなければと思うと口を開こうとしたときだ。
黙ってなさい、と言うかのようにそっと口元を塞がれる。
「我が弟子が若葉を大切に扱っている姿を見て、お前は若葉を利用してメガトロンに首輪を嵌めようと考えているのだろう?」
全て解っているのだと言うかのように赤い瞳を愉しげに細めて嗤うフォールンに対し、センチネルは何も言わずにただ黙って睨み返すことしかしない。
「アレは我が弟子にしては随分と甘いからな。自らの庇護下に入った者が強者に対し身を守ることも出来ぬ程に脆弱で、満足に抗う事すら難しいともなれば特に過保護にもなろう・・・狡猾なお前がソレに気づかぬ訳がない」
コツコツと杖の先端で床を軽く叩きながらフォールンはセンチネルに話しかける。
センチネルとしてはこれから生まれるだろう血の繋がりが、遺伝子の繋がりがある赤子を手に入れたいのだろうが、ソレを手に入れる事が難しいことくらい解っていた。
だからこそ赤子よりも重要性は多少落ちるが若葉を利用する事を決めた。
そういうやり方をフォールンは嫌いではない。
むしろ以前の自分ならば当たり前のように選び、そして実行をしていただろう。
「解っているのならば何故邪魔をする?」
「言っただろう?可愛い弟子からの頼み事だからだと・・・そして、メガトロンの娘となるのならば、私にとって若葉は孫娘になるだろう?孫娘には幸せな結婚とやらをして欲しいからなぁ」
そう呟いたフォールンはセンチネルの側に立っているオプティマスへと意味深な視線を向ければ、その視線と意図に気づいたオプティマスは困ったように微笑みながら自分にその意思は無いと告げるかのように無言のまま首を横に振った。
未だに掴まれたままの右腕へと視線を向けた若葉に気づいた老人が頷く。
その直後、若葉の腕を掴んでいたセンチネルの手が離れる。
驚いた若葉がセンチネルを見ると彼は自身の手首を押さえており、青い目をこれ以上無いと言う程釣り上げて老人を見ていた。
「フォールン。何の真似だ?」
「年甲斐もなくいつまでも若い娘の柔肌に未練がましく触れておるからだ」
センチネルに掴まれていた部分を老人、フォールンが労るかのように優しく撫でながら、至極当然のことのように言葉を返す。
「そう言えば先程、若葉をお前の管理下に置く等という下らん戯言を言っていたようだな」
「既に決まったことだ」
「ほぅ?・・・若葉の事に関しては博士が責任を持つ事になっていたと思ったのだが?」
「博士は現在ベッドから動けぬだろう。母親の不在を良いことにその娘が好き勝手な行動を取り、そしてどれだけの被害を我々に及ぼしたと考えている?・・・施設の破壊、その修繕費用、ここの施設は全て特殊な素材を使っている。修繕一つに関してどれほどの費用が掛かるのかまさか知らぬと言わぬだろう」
正論で責めてくるセンチネルの言葉に若葉は自分のやった事は想像以上に多くの人達に迷惑を掛けていたのだと嫌でも認識させられてしまう。
メガトロンはそれを決して若葉に教えず、悟らせないかのように密かに処理を行うだろう。ここでセンチネルから聞かされなければ若葉は何も知らぬまま、ここで過ごし続けた。
「愚か者には指導をせねばなるまい・・・だが指導すべき博士は不在、メガトロンに至ってはその娘を叱ることもせず、娘に好き勝手な行動をさせ続けた。ここは軍事施設だ。人間の子供らが通う学校ではない、守るべき規則があり、従うべきルールがあるのだ。1人が規律を乱せば全てが崩壊する」
「故にお前が若葉を指導すると?」
「そうだ」
「お前は若葉を自分にとって都合の良い傀儡にしたいだけだろう」
朗らかな声音で今まで会話をしていたフォールンであったが、突然その雰囲気を一変させた。
ビリッとこの場の空気が震える。
誰もが強ばった顔をしてセンチネルとフォールンを見つめており、一触即発の雰囲気に若葉はこうなったのは自分のせいなのだから、自分が何とかしなければと思うと口を開こうとしたときだ。
黙ってなさい、と言うかのようにそっと口元を塞がれる。
「我が弟子が若葉を大切に扱っている姿を見て、お前は若葉を利用してメガトロンに首輪を嵌めようと考えているのだろう?」
全て解っているのだと言うかのように赤い瞳を愉しげに細めて嗤うフォールンに対し、センチネルは何も言わずにただ黙って睨み返すことしかしない。
「アレは我が弟子にしては随分と甘いからな。自らの庇護下に入った者が強者に対し身を守ることも出来ぬ程に脆弱で、満足に抗う事すら難しいともなれば特に過保護にもなろう・・・狡猾なお前がソレに気づかぬ訳がない」
コツコツと杖の先端で床を軽く叩きながらフォールンはセンチネルに話しかける。
センチネルとしてはこれから生まれるだろう血の繋がりが、遺伝子の繋がりがある赤子を手に入れたいのだろうが、ソレを手に入れる事が難しいことくらい解っていた。
だからこそ赤子よりも重要性は多少落ちるが若葉を利用する事を決めた。
そういうやり方をフォールンは嫌いではない。
むしろ以前の自分ならば当たり前のように選び、そして実行をしていただろう。
「解っているのならば何故邪魔をする?」
「言っただろう?可愛い弟子からの頼み事だからだと・・・そして、メガトロンの娘となるのならば、私にとって若葉は孫娘になるだろう?孫娘には幸せな結婚とやらをして欲しいからなぁ」
そう呟いたフォールンはセンチネルの側に立っているオプティマスへと意味深な視線を向ければ、その視線と意図に気づいたオプティマスは困ったように微笑みながら自分にその意思は無いと告げるかのように無言のまま首を横に振った。