22章:父との決別
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サイドウェイズの治療がここでは無理という事になったため、若葉の治療を行う事を決めたラチェットは持っていた鞄の中からはさみを取り出す。
「すまないが服を切っても良いかな?」
「はい」
ガラスによって引き裂かれた上着を今後も使い続ける事は不可能だということは明らかだった為、若葉は構わないと言うかのように1つ頷くとラチェットは慣れた手つきで上着の肩口まではさみを入れると治療の邪魔になる部分を切り落とす。
露わになった傷口は思っていたよりもグロテスクな状態であった為、若葉は直視することが出来ず視線を逸らしてしまう。
「傷口が深いものがいくつかあるな」
傷口付近をラチェットの指先がそっと撫でていく度、ビリビリとした痛みが発せられ思わず唇を噛みしめてしまった若葉に気づいたラチェットは申し訳ないと言うかのように悲痛な顔をすると傷口から指を離す。
「・・・ガラスの破片が腕に刺さった状態になっている所がいくつかある。ここで抜き、その後、傷口の深いものを縫合する事になるが構わないかな?」
「はい。お願いします」
「では麻酔を使おう」
鞄から取り出された注射器と液体の入った小さな小瓶を見た若葉は縋るような眼差しでサイドウェイズを見つめる。
「あの・・・終わるまでの間、お話をしてもらえませんか?」
「え?あぁ、俺で良いのなら喜んで。ってかどうせ俺はここから動けないから、やることねぇから気にするな」
困ったように笑ったサイドウェイズの言葉に若葉は嬉しそうに破顔して微笑むと、その顔を見たサイドウェイズは何とも言えない顔をして黙り込む。
「若葉。サイドウェイズの頭を抱きかかえたままだと色々と辛いだろう?彼の頭を君の膝に乗せた方が良い。その方が私も治療をしやすいしね」
さらりと告げられた言葉にサイドウェイズは片方しかない赤い目を見開いてラチェットを見ると、彼は心底楽しげな笑みを浮かべていた。
この腹黒軍医の本心など欠片も気づいてはいない、否、ラチェットは優しいお医者さんという印象しか抱いていない若葉は、そういうものだと大人しくラチェットの言い分を信用するとサイドウェイズの頭を自分の膝にそっと置く。
「苦しくないですか?」
「あぁ。平気。うん。この世での最期の幸福だ」
もしもこの状況をメガトロンが見たら絶対に激怒されるなぁとサイドウェイズは思う。
抱きかかえられたサイドウェイズを見るメガトロンの目は久方ぶりに見る破壊大帝のものだった。
やって来た参謀達も若葉に抱きかかえられているサイドウェイズを見て、それぞれの性格を現すかのような何とも言えない恐ろしい眼差しを向けてきたのだ。
「サイドウェイズさん」
「なんだ?」
「ごめんなさい」
消えそうな程小さな声に気づいたサイドウェイズが視線を向ければ、そこには今にも泣き出しそうな顔をして自分を見ている若葉の姿があった。
華奢な指先がそっとサイドウェイズの右目を撫でる。
「アンタがしたことじゃないだろ」
「だけど・・・・」
「治る傷だから安心してくれ。アンタにそういう顔をされる方が・・・・俺としては辛いんだ」
そう告げたサイドウェイズは若葉の頭を撫でてやりたくなったのだが、エラーを起こしている腕は動いてはくれなかった。
「すまないが服を切っても良いかな?」
「はい」
ガラスによって引き裂かれた上着を今後も使い続ける事は不可能だということは明らかだった為、若葉は構わないと言うかのように1つ頷くとラチェットは慣れた手つきで上着の肩口まではさみを入れると治療の邪魔になる部分を切り落とす。
露わになった傷口は思っていたよりもグロテスクな状態であった為、若葉は直視することが出来ず視線を逸らしてしまう。
「傷口が深いものがいくつかあるな」
傷口付近をラチェットの指先がそっと撫でていく度、ビリビリとした痛みが発せられ思わず唇を噛みしめてしまった若葉に気づいたラチェットは申し訳ないと言うかのように悲痛な顔をすると傷口から指を離す。
「・・・ガラスの破片が腕に刺さった状態になっている所がいくつかある。ここで抜き、その後、傷口の深いものを縫合する事になるが構わないかな?」
「はい。お願いします」
「では麻酔を使おう」
鞄から取り出された注射器と液体の入った小さな小瓶を見た若葉は縋るような眼差しでサイドウェイズを見つめる。
「あの・・・終わるまでの間、お話をしてもらえませんか?」
「え?あぁ、俺で良いのなら喜んで。ってかどうせ俺はここから動けないから、やることねぇから気にするな」
困ったように笑ったサイドウェイズの言葉に若葉は嬉しそうに破顔して微笑むと、その顔を見たサイドウェイズは何とも言えない顔をして黙り込む。
「若葉。サイドウェイズの頭を抱きかかえたままだと色々と辛いだろう?彼の頭を君の膝に乗せた方が良い。その方が私も治療をしやすいしね」
さらりと告げられた言葉にサイドウェイズは片方しかない赤い目を見開いてラチェットを見ると、彼は心底楽しげな笑みを浮かべていた。
この腹黒軍医の本心など欠片も気づいてはいない、否、ラチェットは優しいお医者さんという印象しか抱いていない若葉は、そういうものだと大人しくラチェットの言い分を信用するとサイドウェイズの頭を自分の膝にそっと置く。
「苦しくないですか?」
「あぁ。平気。うん。この世での最期の幸福だ」
もしもこの状況をメガトロンが見たら絶対に激怒されるなぁとサイドウェイズは思う。
抱きかかえられたサイドウェイズを見るメガトロンの目は久方ぶりに見る破壊大帝のものだった。
やって来た参謀達も若葉に抱きかかえられているサイドウェイズを見て、それぞれの性格を現すかのような何とも言えない恐ろしい眼差しを向けてきたのだ。
「サイドウェイズさん」
「なんだ?」
「ごめんなさい」
消えそうな程小さな声に気づいたサイドウェイズが視線を向ければ、そこには今にも泣き出しそうな顔をして自分を見ている若葉の姿があった。
華奢な指先がそっとサイドウェイズの右目を撫でる。
「アンタがしたことじゃないだろ」
「だけど・・・・」
「治る傷だから安心してくれ。アンタにそういう顔をされる方が・・・・俺としては辛いんだ」
そう告げたサイドウェイズは若葉の頭を撫でてやりたくなったのだが、エラーを起こしている腕は動いてはくれなかった。