22章:父との決別
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何が起ころうとも、どんな暴力を振われようとも、絶対に離さないと言うかのような若葉を見た父はチッと舌打ちをすると2人を引き離すため、若葉の髪を乱暴に掴み上げる。
強引に髪を持ち上げられた若葉は痛みで顔を歪めるが、決してサイドウェイズから手を離すことはしない。
「全く・・・お前もお前の母親も無駄なことばかりをするものだ」
腹立たしげにそう告げた父は若葉の髪を力任せに引っ張り床へとたたきつける。
ブチブチと何本か髪が切れていく音を聞きながら若葉は左腕から床に倒れ込むと、焼けるような感覚が左腕から全身に伝わっていく。
何だと思い視線を向けてみればそこには大量のガラスが散らばっていた。
ソレを認識したのと同時に真っ赤な血がジワジワと床に広がっていくのを若葉は呆けたような顔をして見つめる事しか出来ない。
「痛いか?私に逆らうからそうなる」
娘が負傷してもソレを心配することなど欠片もせぬまま、むしろ怪我をしたのは逆らった若葉が悪いと言うかのような口調で父は告げる。
床へと向けていた視線を父へと向けた若葉の視界に見えたのは、何の感情も浮かんではいない父の顔だった。
顔に表情が出ないという人とここに来てから若葉は何人か会ったことがあるが、その誰とも父は似てはいない。
「私は貴方にとってどんな存在なの?」
口から出た疑問は父と会ってからずっとずっと感じていた事だ。
再会した時こそ父はそれを歓迎したが、それが嘘だったかのように反論した若葉に対して父は暴力を持って応えた。
短い時間ではあるがいくつか言葉を交わした時にはまるで若葉を操るかのような言葉を用いて、母との関係を根本から崩そうとした。
それらは全て若葉の為ではない。
まるで父自身のためのように感じられたのだ。
「そもそも私は自らの子どもを必要となんてしてはいなかった。お前を身ごもったとアイツから聞いた時も処分をしろと言ったのだがな・・・てっきりアイツも同意するかと思っていたのだが意外なことにアイツはお前を産むことを選択した」
随分と愚かな選択をしたものだ。
嘲笑うかのように告げた父の言葉に若葉は全身の血が音を立てて引いていくかのような感覚を抱く。
母と父との間でそのような会話があったことも、自分を産むことに対して意見の相違があったなど想像すらしていなかった。
「積み上げてきたキャリアも、研究者としての輝かしい未来も、何もかもを捨ててまでアイツはお前を産むことを選んだ」
研究者として生きるのか、母親として生きるのか、その選択肢を突きつけられた母が答えを出すときにどれだけ悩んだのか若葉には解らないが、それでも研究者としての地位を捨ててまで母は娘を産むことを選んだ。
「女とは本当に愚かだ」
「・・・違う」
「何が違う?」
父と母との間でそのような話し合いがされたのかは解らないが、今までの父の言動から何となくだが若葉には父がどんなことをしたのか見当がついた。
父は子どもが出来た責任全てを母1人に押しつけ、自らは素知らぬ素振りをしたのだ。
母が会わせたくなかった理由はきっと父が父らしくはない人間だったからなのだと理解した若葉は、父に対して抱いていた幻想が音を立てて砕けていくのを聞きながら、父を睨み付ける。
「一番愚かなのはアンタだ!!」
男としても、夫としても、父としても、責任を取らずに何もかもなかった事にしたお前が一番最低なのだと告げた瞬間、父の顔に今までとは比べものにならない怒りが浮かぶ。
再び髪を掴み上げられるのと同時に、父が大きな声で何かを言いながら掴んだ髪を乱暴に振り回す事に若葉は目をキツく閉じて必死に耐えていたときだ。
突然、その暴力がピタリと止る。
何だと思いながら恐る恐る目を開いた時だった。
「俺の娘に触るな」
その声を聞いた瞬間、若葉は声のした方へと視線を向ける。
そこに居たのはメガトロンだった。
強引に髪を持ち上げられた若葉は痛みで顔を歪めるが、決してサイドウェイズから手を離すことはしない。
「全く・・・お前もお前の母親も無駄なことばかりをするものだ」
腹立たしげにそう告げた父は若葉の髪を力任せに引っ張り床へとたたきつける。
ブチブチと何本か髪が切れていく音を聞きながら若葉は左腕から床に倒れ込むと、焼けるような感覚が左腕から全身に伝わっていく。
何だと思い視線を向けてみればそこには大量のガラスが散らばっていた。
ソレを認識したのと同時に真っ赤な血がジワジワと床に広がっていくのを若葉は呆けたような顔をして見つめる事しか出来ない。
「痛いか?私に逆らうからそうなる」
娘が負傷してもソレを心配することなど欠片もせぬまま、むしろ怪我をしたのは逆らった若葉が悪いと言うかのような口調で父は告げる。
床へと向けていた視線を父へと向けた若葉の視界に見えたのは、何の感情も浮かんではいない父の顔だった。
顔に表情が出ないという人とここに来てから若葉は何人か会ったことがあるが、その誰とも父は似てはいない。
「私は貴方にとってどんな存在なの?」
口から出た疑問は父と会ってからずっとずっと感じていた事だ。
再会した時こそ父はそれを歓迎したが、それが嘘だったかのように反論した若葉に対して父は暴力を持って応えた。
短い時間ではあるがいくつか言葉を交わした時にはまるで若葉を操るかのような言葉を用いて、母との関係を根本から崩そうとした。
それらは全て若葉の為ではない。
まるで父自身のためのように感じられたのだ。
「そもそも私は自らの子どもを必要となんてしてはいなかった。お前を身ごもったとアイツから聞いた時も処分をしろと言ったのだがな・・・てっきりアイツも同意するかと思っていたのだが意外なことにアイツはお前を産むことを選択した」
随分と愚かな選択をしたものだ。
嘲笑うかのように告げた父の言葉に若葉は全身の血が音を立てて引いていくかのような感覚を抱く。
母と父との間でそのような会話があったことも、自分を産むことに対して意見の相違があったなど想像すらしていなかった。
「積み上げてきたキャリアも、研究者としての輝かしい未来も、何もかもを捨ててまでアイツはお前を産むことを選んだ」
研究者として生きるのか、母親として生きるのか、その選択肢を突きつけられた母が答えを出すときにどれだけ悩んだのか若葉には解らないが、それでも研究者としての地位を捨ててまで母は娘を産むことを選んだ。
「女とは本当に愚かだ」
「・・・違う」
「何が違う?」
父と母との間でそのような話し合いがされたのかは解らないが、今までの父の言動から何となくだが若葉には父がどんなことをしたのか見当がついた。
父は子どもが出来た責任全てを母1人に押しつけ、自らは素知らぬ素振りをしたのだ。
母が会わせたくなかった理由はきっと父が父らしくはない人間だったからなのだと理解した若葉は、父に対して抱いていた幻想が音を立てて砕けていくのを聞きながら、父を睨み付ける。
「一番愚かなのはアンタだ!!」
男としても、夫としても、父としても、責任を取らずに何もかもなかった事にしたお前が一番最低なのだと告げた瞬間、父の顔に今までとは比べものにならない怒りが浮かぶ。
再び髪を掴み上げられるのと同時に、父が大きな声で何かを言いながら掴んだ髪を乱暴に振り回す事に若葉は目をキツく閉じて必死に耐えていたときだ。
突然、その暴力がピタリと止る。
何だと思いながら恐る恐る目を開いた時だった。
「俺の娘に触るな」
その声を聞いた瞬間、若葉は声のした方へと視線を向ける。
そこに居たのはメガトロンだった。