21章:臆病者のヒーロー
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改めて考えてみれば自分がこんなにもサイドウェイズに会いたいのは何故だろうか?父が彼に何かを危害を加えているかもしれないから?だから彼の無事を確かめるために会いたいのか?
次々と浮かんでくる疑問に対して若葉はどれも違うとすぐに反論する。
では何故サイドウェイズに会いたいのだ?と再度浮かんできた言葉に対し、若葉は記憶にあるサイドウェイズの顔を思い浮かべながら口を開く。
「・・・昼に会ったときサイドウェイズさんは怪我をしていたので、大丈夫ですか?って聞きたいから、ですかね?」
「疑問系かよ」
「すみません」
ぎこちなく微笑みながら若葉は視線を足下へと一瞬だけ落とす。
けれどすぐにその目線を上げるとサイドスワイプへと向ければ、相変わらずこちらに背を向けているサイドスワイプの姿があった。
後ろ姿でしかないがサイドスワイプとサイドウェイズは似ているような気がした。名前も似ているからもしかすると双子なのかな?と若葉は思う。
相反する思考、似ているようで異なる自分、どうしようもない事を考えるが故にサイドスワイプは辛辣な態度を取るのだろうか?そう思っていたときだ。
「言っただろ?あの程度の傷なんてすぐに治るって」
「そうですね。私は貴方達の事なんて何も知りませんから、サイドスワイプさんの言うようにすぐ治る傷も、治らない傷の違いも分かりません・・・だけど、そんな私にだって1つくらいは解る事だってあります」
「へぇ?」
不機嫌そうに青い目を眇めながらサイドスワイプは若葉へと視線を向ける。
どうせ俯いているのか、もしくは視線を逸らしたまま言われた言葉だとばかり思っていたサイドスワイプだったが、その意図に反して若葉の眼差しはサイドスワイプへと向けられていた。
頼りない瞳。
不安と先の解らぬ事に怯えている眼差し。
その目を見ているとスパークがざわつく事にサイドスワイプは気づくが、それを誤魔化すかのように若葉へと強い声で問いかける。
「何が解るのか言ってみろよ」
「サイドウェイズさんは貴方の言葉に傷ついた」
あの時のサイドウェイズは自身の不甲斐なさを解っていながらもソレをどう改善すれば良いのか解らないほど悩んでいた。
原因が分かっていながらもどうすることも出来ないこと。
たった一歩、踏み出せば変わるだろう事を解っていながらもソレを実行することができずにいる不甲斐ない自分。
踏み出してしまえばどうとでもないと解っているが、どうしてもその一歩を踏み出す勇気が得られない情けない自分。
ソレを誰よりも解っているのに、そのことを他人から指摘されたからこそ、サイドウェイズは傷ついたのだ。
若葉は何となくそんなサイドウェイズの気持ちが理解出来た。
同じようなモノを抱いているからこそ、形は違えど悩み苦しんでいるからこそ、何となく通じるモノが2人にはあった。
「だから私はあの人のことが気になるんだと思います。会って元気な姿を見たいと思うし、元気が無いのなら・・・何かしら彼のためにしてあげたいなと思うんです」
「それって同情って事か?随分と上目線だな」
吐き捨てるように言われた言葉に対し若葉はすぐに言葉を返せなかった。
サイドスワイプの言ったように自分はサイドウェイズに対して同情しているだけなのだろうか?と若葉は思うがそれは違うような気がした。
「友人を心配することはいけませんか?」
「出会ってばかりなのにもうお友達なのかよ?」
「・・・友人になるのに時間は関係ありますか?意気投合したのならばすぐさま友人になんてなれると思いますけど?」
「屁理屈を言うな」
「そうですね。では言葉を変えます。私に親切にしてくれた人を案じる事はいけないことですか?親切にしてくれたお返しをしたいと思うことはいけないことですか?」
脳裏に浮かぶのは初めてサイドウェイズと出会った時のことだ。
次々と浮かんでくる疑問に対して若葉はどれも違うとすぐに反論する。
では何故サイドウェイズに会いたいのだ?と再度浮かんできた言葉に対し、若葉は記憶にあるサイドウェイズの顔を思い浮かべながら口を開く。
「・・・昼に会ったときサイドウェイズさんは怪我をしていたので、大丈夫ですか?って聞きたいから、ですかね?」
「疑問系かよ」
「すみません」
ぎこちなく微笑みながら若葉は視線を足下へと一瞬だけ落とす。
けれどすぐにその目線を上げるとサイドスワイプへと向ければ、相変わらずこちらに背を向けているサイドスワイプの姿があった。
後ろ姿でしかないがサイドスワイプとサイドウェイズは似ているような気がした。名前も似ているからもしかすると双子なのかな?と若葉は思う。
相反する思考、似ているようで異なる自分、どうしようもない事を考えるが故にサイドスワイプは辛辣な態度を取るのだろうか?そう思っていたときだ。
「言っただろ?あの程度の傷なんてすぐに治るって」
「そうですね。私は貴方達の事なんて何も知りませんから、サイドスワイプさんの言うようにすぐ治る傷も、治らない傷の違いも分かりません・・・だけど、そんな私にだって1つくらいは解る事だってあります」
「へぇ?」
不機嫌そうに青い目を眇めながらサイドスワイプは若葉へと視線を向ける。
どうせ俯いているのか、もしくは視線を逸らしたまま言われた言葉だとばかり思っていたサイドスワイプだったが、その意図に反して若葉の眼差しはサイドスワイプへと向けられていた。
頼りない瞳。
不安と先の解らぬ事に怯えている眼差し。
その目を見ているとスパークがざわつく事にサイドスワイプは気づくが、それを誤魔化すかのように若葉へと強い声で問いかける。
「何が解るのか言ってみろよ」
「サイドウェイズさんは貴方の言葉に傷ついた」
あの時のサイドウェイズは自身の不甲斐なさを解っていながらもソレをどう改善すれば良いのか解らないほど悩んでいた。
原因が分かっていながらもどうすることも出来ないこと。
たった一歩、踏み出せば変わるだろう事を解っていながらもソレを実行することができずにいる不甲斐ない自分。
踏み出してしまえばどうとでもないと解っているが、どうしてもその一歩を踏み出す勇気が得られない情けない自分。
ソレを誰よりも解っているのに、そのことを他人から指摘されたからこそ、サイドウェイズは傷ついたのだ。
若葉は何となくそんなサイドウェイズの気持ちが理解出来た。
同じようなモノを抱いているからこそ、形は違えど悩み苦しんでいるからこそ、何となく通じるモノが2人にはあった。
「だから私はあの人のことが気になるんだと思います。会って元気な姿を見たいと思うし、元気が無いのなら・・・何かしら彼のためにしてあげたいなと思うんです」
「それって同情って事か?随分と上目線だな」
吐き捨てるように言われた言葉に対し若葉はすぐに言葉を返せなかった。
サイドスワイプの言ったように自分はサイドウェイズに対して同情しているだけなのだろうか?と若葉は思うがそれは違うような気がした。
「友人を心配することはいけませんか?」
「出会ってばかりなのにもうお友達なのかよ?」
「・・・友人になるのに時間は関係ありますか?意気投合したのならばすぐさま友人になんてなれると思いますけど?」
「屁理屈を言うな」
「そうですね。では言葉を変えます。私に親切にしてくれた人を案じる事はいけないことですか?親切にしてくれたお返しをしたいと思うことはいけないことですか?」
脳裏に浮かぶのは初めてサイドウェイズと出会った時のことだ。