21章:臆病者のヒーロー
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明らかに好意的ではないサイドスワイプの様子を見た若葉はやっぱり詳しい事を話さなくて正解だったと思う。
「この辺にはサイドウェイズさんは居ないみたいですね。私、違う場所を探しに行きますので失礼します」
これ以上この場には居たくはなかった若葉はサイドスワイプへと一礼をすると、彼に背を向けて歩き出そうとしたときだった。
「アイツの居場所なら知ってるぜ」
「本当ですか!?」
思わず振り返った若葉は数歩開いていた距離を一気に詰めると縋るようにサイドスワイプを見つめる。
突然、すぐ近くまで近づいてきた若葉の反応が少しばかり意外だったらしいサイドスワイプは驚いたように青い目を見開いた後、フンッと鼻を鳴らしながらそっと視線を逸らすのと同時に若葉に背を向けた。
「案内してやるから着いてこい」
それがまるでこれから自らが行うことに対して彼なりに思うところがあってのことだった。いつもの若葉ならば様子の可笑しなサイドスワイプに気づけたのだろうが、サイドウェイズに会えるということしか頭になかった事、そしてサイドスワイプという者がどのような性格をしているのか詳しくは知らなかったため、様子がおかしいということに気づけなかった。
サイドスワイプに案内された場所は殺風景な建物だった。
警備として入口に立っている2人の軍人の手にある銃を見て若葉の顔が強ばるが、ソレに気づかぬままサイドスワイプは彼等の元へと近づくと一言二言言葉を交わす。
軍人の1人が持っていた無線機で誰かと会話する姿を若葉は黙って聞くことしか出来ずにいたが、やはりなんだか少し可笑しいような気がしたた、サイドスワイプにだけ聞こえるような声で問う。
「ねぇ・・・本当にここで合っているの?」
「あぁ」
素っ気なく返された返答に若葉は疑いを抱く。
再度建物の周りを見てみるが当りに建っている街灯以外に特にめぼしいモノはない。
そもそもここは若葉が知っている場所から少し離れた場所にぽつんと建っているのだ。
色々と良からぬ事を想像してしまうのは仕方の無い事で、こんな場所にサイドウェイズが居るとは到底思えない。
「サイドウェイズさんがこんな場所に居ると思えないんだけど・・・」
他の場所ではないのか?と再度問おうとした若葉の耳にドアのロックを解除する音が聞こえたため、その方向へと視線を向けると開かれたドアがあった。
軍人の1人が中に入れと言うかのように顎をしゃくる。
「行くぞ」
振り返ることなくサイドスワイプはそう告げると若葉の手首を掴み歩き出す。
堂々とした足取りで進むサイドスワイプに引っ張られる形で若葉は脚を動かし、中へと完全に入るのと同時にドアが閉められる。
背後から聞こえてきたドアの閉まる音がやけに大きく響いたような気がした。
建物中は無駄な音がしなかった。
いくつか曲がり角を曲がり、エレベーターを使って地下へと降りる間、2人の間に会話らしいものは何も無い。
サイドスワイプは一度も若葉の事を見ることはせず、それだけ彼が自分を嫌っているのだと若葉は理解していたため、彼の機嫌を損ねないようにするため唇を動かすことはしない。
けれど掴まれた手首は一向に開放されず、手首を通して伝わってくる他人の体温と感触に若葉は何とも言えない気持ちになる。
「(・・・閣下きっと怒っているだろうなぁ)」
脱走した自分に対してメガトロンからどんな説教があるのかは解らない。
暴力に出るようなタイプではないが、言葉による暴力はありそうだなぁと思っていたときだ。
「お前はさ・・・サイドウェイズに会ったらどうするつもりなんだ?」
若葉を見ることなく問われた言葉。
その問いに若葉は少しだけ視線を彷徨わせる。
「この辺にはサイドウェイズさんは居ないみたいですね。私、違う場所を探しに行きますので失礼します」
これ以上この場には居たくはなかった若葉はサイドスワイプへと一礼をすると、彼に背を向けて歩き出そうとしたときだった。
「アイツの居場所なら知ってるぜ」
「本当ですか!?」
思わず振り返った若葉は数歩開いていた距離を一気に詰めると縋るようにサイドスワイプを見つめる。
突然、すぐ近くまで近づいてきた若葉の反応が少しばかり意外だったらしいサイドスワイプは驚いたように青い目を見開いた後、フンッと鼻を鳴らしながらそっと視線を逸らすのと同時に若葉に背を向けた。
「案内してやるから着いてこい」
それがまるでこれから自らが行うことに対して彼なりに思うところがあってのことだった。いつもの若葉ならば様子の可笑しなサイドスワイプに気づけたのだろうが、サイドウェイズに会えるということしか頭になかった事、そしてサイドスワイプという者がどのような性格をしているのか詳しくは知らなかったため、様子がおかしいということに気づけなかった。
サイドスワイプに案内された場所は殺風景な建物だった。
警備として入口に立っている2人の軍人の手にある銃を見て若葉の顔が強ばるが、ソレに気づかぬままサイドスワイプは彼等の元へと近づくと一言二言言葉を交わす。
軍人の1人が持っていた無線機で誰かと会話する姿を若葉は黙って聞くことしか出来ずにいたが、やはりなんだか少し可笑しいような気がしたた、サイドスワイプにだけ聞こえるような声で問う。
「ねぇ・・・本当にここで合っているの?」
「あぁ」
素っ気なく返された返答に若葉は疑いを抱く。
再度建物の周りを見てみるが当りに建っている街灯以外に特にめぼしいモノはない。
そもそもここは若葉が知っている場所から少し離れた場所にぽつんと建っているのだ。
色々と良からぬ事を想像してしまうのは仕方の無い事で、こんな場所にサイドウェイズが居るとは到底思えない。
「サイドウェイズさんがこんな場所に居ると思えないんだけど・・・」
他の場所ではないのか?と再度問おうとした若葉の耳にドアのロックを解除する音が聞こえたため、その方向へと視線を向けると開かれたドアがあった。
軍人の1人が中に入れと言うかのように顎をしゃくる。
「行くぞ」
振り返ることなくサイドスワイプはそう告げると若葉の手首を掴み歩き出す。
堂々とした足取りで進むサイドスワイプに引っ張られる形で若葉は脚を動かし、中へと完全に入るのと同時にドアが閉められる。
背後から聞こえてきたドアの閉まる音がやけに大きく響いたような気がした。
建物中は無駄な音がしなかった。
いくつか曲がり角を曲がり、エレベーターを使って地下へと降りる間、2人の間に会話らしいものは何も無い。
サイドスワイプは一度も若葉の事を見ることはせず、それだけ彼が自分を嫌っているのだと若葉は理解していたため、彼の機嫌を損ねないようにするため唇を動かすことはしない。
けれど掴まれた手首は一向に開放されず、手首を通して伝わってくる他人の体温と感触に若葉は何とも言えない気持ちになる。
「(・・・閣下きっと怒っているだろうなぁ)」
脱走した自分に対してメガトロンからどんな説教があるのかは解らない。
暴力に出るようなタイプではないが、言葉による暴力はありそうだなぁと思っていたときだ。
「お前はさ・・・サイドウェイズに会ったらどうするつもりなんだ?」
若葉を見ることなく問われた言葉。
その問いに若葉は少しだけ視線を彷徨わせる。