20章:抜け出した先に待ち受けるのは
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若葉を決してこの部屋から出さぬように命じたメガトロンが去ってから、それなりに時間が経過しているのだがベッドに腰掛けている若葉は無言のまま黙りこみ口を閉ざしていた。
「若葉。平気?大丈夫?」
不安そうな、心配そうな赤い目が若葉を見つめる。
遠慮がちに名前を呼びながら手を伸ばして来たのはスコルポノックだ。可愛い小さな手が若葉に触れそうになった瞬間、その手は何かによって問答無用ではじき飛ばされてしまう。
何が起こったのか解らないのは若葉とスコルポノックだ。
2人はキョトンとした顔をしたまま呆然としていたのだが、すぐさま自分の手を叩き払ったのが誰なのか理解したスコルポノックは、すぐ側に立っているドリラーへと鋭い眼差しを向ける。
「ドリラーッ!!」
「うるさいぞ、蠍」
「お前が叩くからだッ!!」
「抜け駆けしようとするからだろう?」
怒りで顔を真っ赤に染めながらスコルポノックはドリラーへと文句を言うのだが、それに対し、ドリラーは不機嫌そうに目を眇めながらいつもと変わらぬ淡々とした口調で自らの意見を口にした。
睨み合う2人に挟まれた若葉は助けを求めるかのように視線を彷徨わせたとき、ダンッという音と共に膝の上に何かが乗ってきたことに気づくビクリと肩を震わせる。
『ナァーオ』
甘えるかのような声で1つ鳴いたラヴィッジは若葉の腹部に甘えるかのように顔を押しつけ始めた。
可愛らしいその仕草に若葉は思わずラヴィッジを撫でようと手を動かしたのだが、右手をスコルポノック、左手をドリラーが掴みその行動を邪魔する。
「撫でるの禁止」
「調子に乗るなよ、クソ猫」
『シャーッ!!』
利害が一致したらしい2人がラヴィッジに対してそう告げれば、撫でられるのを邪魔されたラヴィッジが不服そうに唸り声を上げながら2人を睥睨する。
なにやら若葉には解らない言語で会話をしているらしい2体と1匹を困惑した目をして見つめる事しか出来ずにいた時だ。
「お前達いい加減にしろよ?」
うんざりとした声音でそう告げたのはフレンジーで彼の声を聞いた者達は動きを止める。
しかし彼等が沈黙していたのはほんの一瞬のことでしかなく、納得できないと言うかのように顔を歪めながら2人は同時に口を開いた。
「だってフレンジーッ!!」
「悪いのはクソ蠍とクソ猫だ」
「・・・俺達の役目を忘れたわけじゃねぇよなぁ?あんまり我儘言うようならお前達の主に命じてここから退出させてもいいんだぞ?」
メガトロンから若葉が外に出ないように監視しておけ、という命令はこの場に居るドローン全員に出されている。
それの意味を自分の都合の良いように解釈をしている者達に対し、フレンジーは最も優先されるのは自分達の意思ではなく、メガトロンの意思なのだと言うかのように通告する。
フレンジーの言わんとしていることの意味を理解したスコルポノックとドリラーは不満そうではあるものの、メガトロンからの命令は絶対であることを解っているため渋々という顔をして頷く。
「ラヴィッジ。お前もだ。調子に乗っているとサウンドウェーブに頼んでフーバーダムの警備に向かうように進言するぞ?」
『・・・・うにゃーん』
「可愛い声だして誤魔化そうたって駄目なものは駄目だ」
『シャーッ!!』
威嚇するかのように鳴いたラヴィッジは若葉の膝の上から降りると、部屋の隅に向かって歩いて行くその足取りが少しばかり力無いように若葉には見えた。
「若葉。平気?大丈夫?」
不安そうな、心配そうな赤い目が若葉を見つめる。
遠慮がちに名前を呼びながら手を伸ばして来たのはスコルポノックだ。可愛い小さな手が若葉に触れそうになった瞬間、その手は何かによって問答無用ではじき飛ばされてしまう。
何が起こったのか解らないのは若葉とスコルポノックだ。
2人はキョトンとした顔をしたまま呆然としていたのだが、すぐさま自分の手を叩き払ったのが誰なのか理解したスコルポノックは、すぐ側に立っているドリラーへと鋭い眼差しを向ける。
「ドリラーッ!!」
「うるさいぞ、蠍」
「お前が叩くからだッ!!」
「抜け駆けしようとするからだろう?」
怒りで顔を真っ赤に染めながらスコルポノックはドリラーへと文句を言うのだが、それに対し、ドリラーは不機嫌そうに目を眇めながらいつもと変わらぬ淡々とした口調で自らの意見を口にした。
睨み合う2人に挟まれた若葉は助けを求めるかのように視線を彷徨わせたとき、ダンッという音と共に膝の上に何かが乗ってきたことに気づくビクリと肩を震わせる。
『ナァーオ』
甘えるかのような声で1つ鳴いたラヴィッジは若葉の腹部に甘えるかのように顔を押しつけ始めた。
可愛らしいその仕草に若葉は思わずラヴィッジを撫でようと手を動かしたのだが、右手をスコルポノック、左手をドリラーが掴みその行動を邪魔する。
「撫でるの禁止」
「調子に乗るなよ、クソ猫」
『シャーッ!!』
利害が一致したらしい2人がラヴィッジに対してそう告げれば、撫でられるのを邪魔されたラヴィッジが不服そうに唸り声を上げながら2人を睥睨する。
なにやら若葉には解らない言語で会話をしているらしい2体と1匹を困惑した目をして見つめる事しか出来ずにいた時だ。
「お前達いい加減にしろよ?」
うんざりとした声音でそう告げたのはフレンジーで彼の声を聞いた者達は動きを止める。
しかし彼等が沈黙していたのはほんの一瞬のことでしかなく、納得できないと言うかのように顔を歪めながら2人は同時に口を開いた。
「だってフレンジーッ!!」
「悪いのはクソ蠍とクソ猫だ」
「・・・俺達の役目を忘れたわけじゃねぇよなぁ?あんまり我儘言うようならお前達の主に命じてここから退出させてもいいんだぞ?」
メガトロンから若葉が外に出ないように監視しておけ、という命令はこの場に居るドローン全員に出されている。
それの意味を自分の都合の良いように解釈をしている者達に対し、フレンジーは最も優先されるのは自分達の意思ではなく、メガトロンの意思なのだと言うかのように通告する。
フレンジーの言わんとしていることの意味を理解したスコルポノックとドリラーは不満そうではあるものの、メガトロンからの命令は絶対であることを解っているため渋々という顔をして頷く。
「ラヴィッジ。お前もだ。調子に乗っているとサウンドウェーブに頼んでフーバーダムの警備に向かうように進言するぞ?」
『・・・・うにゃーん』
「可愛い声だして誤魔化そうたって駄目なものは駄目だ」
『シャーッ!!』
威嚇するかのように鳴いたラヴィッジは若葉の膝の上から降りると、部屋の隅に向かって歩いて行くその足取りが少しばかり力無いように若葉には見えた。