20章:抜け出した先に待ち受けるのは
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椅子に座ったサウンドウェーブを確認したスタースクリームが不機嫌さを隠さぬ声で問いかける。
「・・・先程の言葉はどういう意味だ?」
「この基地の監視カメラを全てチェックしたのだがサイドウェイズの姿は確認できてはいない。可笑しいと思い監視カメラシステムを調べてみたところ、ハッキングが行われた形跡があり、数台の監視カメラの録画データが消されていた事が解った」
「それがどうしたと言うのだ?」
「だから貴様は馬鹿なんだ。監視カメラシステムは若葉様がここに来ると解った時点で俺自らがシステムの構築を組み直した。その意味が分からないのか?」
人間の作ったシステムなど穴だらけで意味を成さない。
嘲笑うかのように告げたサウンドウェーブの言葉を聞いた若葉は何故か解らないが、サウンドウェーブが善意でそれを行ったのでは無い事だけは理解出来た。
「情報参謀様がわざわざ作ったシステム。それをハッキングし、挙げ句の果てにはデータを消すなんていう馬鹿げた真似をするヤツなんて限られてるよな」
ケラケラと笑いながらそう告げたバリケードへと視線を向けた若葉の目に飛び込んできたのは、大量のチョコレートケーキをトレー一杯に乗せ、それを美味しそうに食べているバリケードの姿だった。
その姿を見た若葉は前にオプティマスが言っていたのはこの人のことなのだなぁと思いながらジッと見つめていると、その視線に気づいたらしいバリケードは不快そうに目を細める。
「やらんぞ」
チョコレートケーキを守るかのように腕で隠すバリケードの姿に若葉は何とも言えない気持ちになりながら首をフルフルと横に振る。
「私は一切れあれば十分ですので」
「そうか」
ホッと胸をなで下ろしたバリケードは口直しと言うかのようにコーヒーを飲んだのだが、きっとそのコーヒーにも大量の砂糖とミルクが入っているのだろう事は明らかだった。
それは彼の側に座っていたブラックアウトが甘ったるい砂糖の臭いに耐えられないと言うかのように口元を覆っているからだ。
「それで?我らがディセプティコンが誇る優秀な情報参謀様はどこの馬鹿がハッキングをしたのか解っているのだろう?これは大問題だぞ、サウンドウェーブ?閣下のご息女様が関わっているのだからなぁ?」
「貴様に心配されるほど俺は落ちぶれてはいない」
「ほぅ?それで?一体誰だというのだ?貴様がわざわざ組み直したシステムにハッキングをし、それを気づかせないままデータを消した優秀な奴は誰だ?そんな奴が居るのならば俺様の部下として是非とも採用したいものだなぁ?」
こんな風にサウンドウェーブを皆の前、特にメガトロンの前で責め立てるチャンスなど二度とないと解っているらしいスタースクリームが嬲るかのような声音で次々と問いかける。
そんなスタースクリームの姿を見た数人が、コイツも飽きねぇなぁと言うかのような顔をして無言のまま飲み物を口にしたり、チョコレートケーキを食べている中、サウンドウェーブは顔色1つ変えない。
一瞬だけ若葉を見た後、何かを問うかのようにメガトロンへと視線を向ける。
「構わん」
「・・・俺の作ったシステムにハッキングしたのはメガトロン様の奥方と御子様の為に新たに雇った研究者だ。もっとも奴に情報を密かに流していた内部の人間が数人居て、ソイツ等の身元は既に把握し、レノックスに報告して拘束するように要請している」
サウンドウェーブの言う研究者。
それが実の父である事を理解した若葉の脳裏に浮かんだのは、冷たい目をして自分を見下ろす父の顔だ。
監視カメラシステムへのハッキングだけでも許されないのに、父はその中のデータをいつか消した。
ソレの意味する事を若葉は理解してしまう。
「サウンドウェーブさん・・・消されたデータというのは、サイドウェイズさんに関するものだって言っていましたよね?それってつまり父が彼に何かしたって事ですか?」
嘘だと言ってくれ。
そう願いながら若葉はサウンドウェーブを見るが彼はその言葉を否定してはくれなかった。
「・・・先程の言葉はどういう意味だ?」
「この基地の監視カメラを全てチェックしたのだがサイドウェイズの姿は確認できてはいない。可笑しいと思い監視カメラシステムを調べてみたところ、ハッキングが行われた形跡があり、数台の監視カメラの録画データが消されていた事が解った」
「それがどうしたと言うのだ?」
「だから貴様は馬鹿なんだ。監視カメラシステムは若葉様がここに来ると解った時点で俺自らがシステムの構築を組み直した。その意味が分からないのか?」
人間の作ったシステムなど穴だらけで意味を成さない。
嘲笑うかのように告げたサウンドウェーブの言葉を聞いた若葉は何故か解らないが、サウンドウェーブが善意でそれを行ったのでは無い事だけは理解出来た。
「情報参謀様がわざわざ作ったシステム。それをハッキングし、挙げ句の果てにはデータを消すなんていう馬鹿げた真似をするヤツなんて限られてるよな」
ケラケラと笑いながらそう告げたバリケードへと視線を向けた若葉の目に飛び込んできたのは、大量のチョコレートケーキをトレー一杯に乗せ、それを美味しそうに食べているバリケードの姿だった。
その姿を見た若葉は前にオプティマスが言っていたのはこの人のことなのだなぁと思いながらジッと見つめていると、その視線に気づいたらしいバリケードは不快そうに目を細める。
「やらんぞ」
チョコレートケーキを守るかのように腕で隠すバリケードの姿に若葉は何とも言えない気持ちになりながら首をフルフルと横に振る。
「私は一切れあれば十分ですので」
「そうか」
ホッと胸をなで下ろしたバリケードは口直しと言うかのようにコーヒーを飲んだのだが、きっとそのコーヒーにも大量の砂糖とミルクが入っているのだろう事は明らかだった。
それは彼の側に座っていたブラックアウトが甘ったるい砂糖の臭いに耐えられないと言うかのように口元を覆っているからだ。
「それで?我らがディセプティコンが誇る優秀な情報参謀様はどこの馬鹿がハッキングをしたのか解っているのだろう?これは大問題だぞ、サウンドウェーブ?閣下のご息女様が関わっているのだからなぁ?」
「貴様に心配されるほど俺は落ちぶれてはいない」
「ほぅ?それで?一体誰だというのだ?貴様がわざわざ組み直したシステムにハッキングをし、それを気づかせないままデータを消した優秀な奴は誰だ?そんな奴が居るのならば俺様の部下として是非とも採用したいものだなぁ?」
こんな風にサウンドウェーブを皆の前、特にメガトロンの前で責め立てるチャンスなど二度とないと解っているらしいスタースクリームが嬲るかのような声音で次々と問いかける。
そんなスタースクリームの姿を見た数人が、コイツも飽きねぇなぁと言うかのような顔をして無言のまま飲み物を口にしたり、チョコレートケーキを食べている中、サウンドウェーブは顔色1つ変えない。
一瞬だけ若葉を見た後、何かを問うかのようにメガトロンへと視線を向ける。
「構わん」
「・・・俺の作ったシステムにハッキングしたのはメガトロン様の奥方と御子様の為に新たに雇った研究者だ。もっとも奴に情報を密かに流していた内部の人間が数人居て、ソイツ等の身元は既に把握し、レノックスに報告して拘束するように要請している」
サウンドウェーブの言う研究者。
それが実の父である事を理解した若葉の脳裏に浮かんだのは、冷たい目をして自分を見下ろす父の顔だ。
監視カメラシステムへのハッキングだけでも許されないのに、父はその中のデータをいつか消した。
ソレの意味する事を若葉は理解してしまう。
「サウンドウェーブさん・・・消されたデータというのは、サイドウェイズさんに関するものだって言っていましたよね?それってつまり父が彼に何かしたって事ですか?」
嘘だと言ってくれ。
そう願いながら若葉はサウンドウェーブを見るが彼はその言葉を否定してはくれなかった。