18章:たすけて
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頭の中で不快な音がぐわんぐわんと不気味に響き渡っていく。
父の部屋で静かではあるか明白な音として耳に届けられていた空気清浄機のモーター音が耳の奥で鳴っていて、それが酷く耳障りで、荒れる心を逆なでしていく。
無数に響く誰かの声と思惑に若葉は頭の中が真っ白になっていく中、唯一最初から変わらなかった、決して揺らぐことがなかった事を口にした。
「貴方が現れなければ・・・ずっと、ずっと!!私だけの母さんだったのに」
そこに居たのは自分が悪い事をしていると自覚している愚かな子どもの姿だ。
解っているのに悪い事を止められない、そして自らが重ねる罪の重さに耐えきれず、押しつぶされてしまいそうな哀れな1人の人間だ。
そうなるように誰かが仕向け、そしてその企みを知らぬまま愚かな道化になってしまった子どもだ。
裏で糸を操っている者の存在などメガトロンは知っていた。
こうなると解っていたサウンドウェーブはあえて進言してきたのだと理解するのと同時に、自分が後手に回ってしまったことを今になり理解するのと同時に激しい怒りを抱く。
暗躍する者のせいで最愛の女性は苦しみ、そしてその娘は愚かな罪を重ね続けていくのだ。
誰かがソレ止めぬ限りずっとずっとこの悲しい連鎖は続いてく。
「お前はそれで良かったのか?ずっとアイツに対する罪悪感を抱きながら生きていく事を良しとしたのか?アイツに罪悪感という枷を嵌めながら共に暮すことを選ぶのか?お前自身がいつかその罪の重さに押しつぶされると解った上で生きるのか?」
若葉が母の交際相手に何をしたのか何もかも知っているのだ、と言うかのようなメガトロンの言葉を聞いた若葉の顔から全ての表情が消える。
「俺はアイツには笑っていて欲しい」
愛おしむかのような声で言われた言葉。
「そしてお前にも笑って生きて欲しい」
それを母が望んでいるのだ。だから自分はその願いを叶えるためならば何だってしても構わない。
言い終わるのと同時にメガトロンは若葉の両頬をそっと掌で包み込む。
伝わってくる温かな温もりに若葉は目を大きく開いてメガトロンを見つめる。
「俺は言っただろう?」
優しい声音と共に注がれるのは甘い毒。
その身を委ねてしまえと言うかのような、甘い甘い誘いだ。
けれど疲弊してしまった心にはとても心地の良いモノだった。
「お前は・・・いいや、お前達母子は俺のモノだ」
傲慢この上ないその物言いでしかないその言葉は若葉にとってはやけに優しく聞こえて、そして自分の心を満たしていく事に気づいた。
精神的に動揺していない若葉がメガトロンの言葉を聞いたのならば「馬鹿な事を言うな」と言って反発しただろうが、精神的に追い詰められている若葉にとってメガトロンのその発言は、黒く塗りつぶされていた心が拭われていくような気がした。
まるで救いのような言葉だ、そう思いながら若葉は目の前にある赤い瞳を見つめながら唇を動かした。
「閣下」
「なんだ?」
「私、私・・・母さんに酷い事を沢山言った。そのせいで母さんは体調を崩して苦しんでた」
「大丈夫だ。アイツの容態ならば問題はないとラチェットから報告を受けた」
「赤ちゃんは?」
「無事だ」
2人とも無事だった事に若葉は心から安心した。
ずっとずっと緊張状態だった心が少しだけ緩んだ瞬間、若葉の目から涙がボロボロとと溢れ出ていく。
父の部屋で静かではあるか明白な音として耳に届けられていた空気清浄機のモーター音が耳の奥で鳴っていて、それが酷く耳障りで、荒れる心を逆なでしていく。
無数に響く誰かの声と思惑に若葉は頭の中が真っ白になっていく中、唯一最初から変わらなかった、決して揺らぐことがなかった事を口にした。
「貴方が現れなければ・・・ずっと、ずっと!!私だけの母さんだったのに」
そこに居たのは自分が悪い事をしていると自覚している愚かな子どもの姿だ。
解っているのに悪い事を止められない、そして自らが重ねる罪の重さに耐えきれず、押しつぶされてしまいそうな哀れな1人の人間だ。
そうなるように誰かが仕向け、そしてその企みを知らぬまま愚かな道化になってしまった子どもだ。
裏で糸を操っている者の存在などメガトロンは知っていた。
こうなると解っていたサウンドウェーブはあえて進言してきたのだと理解するのと同時に、自分が後手に回ってしまったことを今になり理解するのと同時に激しい怒りを抱く。
暗躍する者のせいで最愛の女性は苦しみ、そしてその娘は愚かな罪を重ね続けていくのだ。
誰かがソレ止めぬ限りずっとずっとこの悲しい連鎖は続いてく。
「お前はそれで良かったのか?ずっとアイツに対する罪悪感を抱きながら生きていく事を良しとしたのか?アイツに罪悪感という枷を嵌めながら共に暮すことを選ぶのか?お前自身がいつかその罪の重さに押しつぶされると解った上で生きるのか?」
若葉が母の交際相手に何をしたのか何もかも知っているのだ、と言うかのようなメガトロンの言葉を聞いた若葉の顔から全ての表情が消える。
「俺はアイツには笑っていて欲しい」
愛おしむかのような声で言われた言葉。
「そしてお前にも笑って生きて欲しい」
それを母が望んでいるのだ。だから自分はその願いを叶えるためならば何だってしても構わない。
言い終わるのと同時にメガトロンは若葉の両頬をそっと掌で包み込む。
伝わってくる温かな温もりに若葉は目を大きく開いてメガトロンを見つめる。
「俺は言っただろう?」
優しい声音と共に注がれるのは甘い毒。
その身を委ねてしまえと言うかのような、甘い甘い誘いだ。
けれど疲弊してしまった心にはとても心地の良いモノだった。
「お前は・・・いいや、お前達母子は俺のモノだ」
傲慢この上ないその物言いでしかないその言葉は若葉にとってはやけに優しく聞こえて、そして自分の心を満たしていく事に気づいた。
精神的に動揺していない若葉がメガトロンの言葉を聞いたのならば「馬鹿な事を言うな」と言って反発しただろうが、精神的に追い詰められている若葉にとってメガトロンのその発言は、黒く塗りつぶされていた心が拭われていくような気がした。
まるで救いのような言葉だ、そう思いながら若葉は目の前にある赤い瞳を見つめながら唇を動かした。
「閣下」
「なんだ?」
「私、私・・・母さんに酷い事を沢山言った。そのせいで母さんは体調を崩して苦しんでた」
「大丈夫だ。アイツの容態ならば問題はないとラチェットから報告を受けた」
「赤ちゃんは?」
「無事だ」
2人とも無事だった事に若葉は心から安心した。
ずっとずっと緊張状態だった心が少しだけ緩んだ瞬間、若葉の目から涙がボロボロとと溢れ出ていく。