やさしいせなか*10000キリリク
どうしてこいつは……ヘンに鼻が利く?
無邪気に背中を合わせていても、青木相手だと、ふとした拍子に火が点く危うさ。
それさえ忘れて寛いでいるはずなのに、奥深くに眠る無自覚すれすれの疼きを察知して、丁寧に掘り起こされるから堪らない。
「……あっ……そ、なに……舐め……な……っ」
雷が苦手だったのは、バロンであって僕じゃない。他者との境界線が曖昧な少年時代に伝染した怖さが、身体に残ってるだけなのに。
雷鳴に震えていた身体は、快楽の濁流に呑まれ甘く痺れて溶けていく。
「新しい部屋着……すごく良いですね」
脱がせやすい……と言われたわけじゃないのに、疚しさで肌が熱くなる。
素肌に纏ったキルトの部屋着は、とっくに脱がされた前開きの上衣とともに、ズボンも秒で下ろされる。
淫らなカタチに昂奮する性器にはあえて触れず、長い指が後ろから滑り込んできて、ナカの熱を掻き混ぜてくる。
「っ…………あっ……」
前のめりで性急な愛撫なのに、今はそれさえもどかしいくらいだ。
自分のナカに侵入してくる青木の熱い昂りに身体を押し上げられないよう背中にしがみついて受け止め「早く」と律動をせかす。
ようやく始まった抽送を、もっとゆっくり味わいたいのに。
「……あ……おき…………っ……はぁ……」
青木が音を上げるまで、僕の隅々まで縦横無尽に突かせたい。
そんな願いを打ち砕く、感度のキャパが恨めしい。
「そうやってあなたの感じやすいところが、俺……とても好きなんです」
慰めともつかない言葉で愛でながら、逝ったばかりの小さな身体を貫いたまま起こし、ベッドに向き合い座った姿勢で強く抱きしめる。
上り詰めて浮遊している薪の感覚が戻ったらまた動く気満々なのが、腕の強さやナカの屹立ぶりからからしっかりと伝わってくる。
「っ……バロンは……待ては出来たぞ」
「俺も今……できてますよ」
ここまで巻き込んでおいて今さらずるい答えだ。
ふわふわと分離した思考の欠片に、バロンと好奇心を刺激しあいながら、いろんな散歩ルートを開拓した想い出がほのかに閃く。
「お代わりしてもいいですか?」
断れないのを知っていて訊いてくる。罪な声と交接部の熱に煽られ、黙ったまま縦に揺れはじめる身体も、そんな状況を好ましく受け止める気持ちも。ありえないのに、どこから湧いてくるんだろう。
もしかすると、こいつの中のバロンに似た部分。それが自分や世界を好きだった頃の自分を、葬り去った筈のどこか奥底から、呼び覚ましてしまうからなのかもしれない。
無邪気に背中を合わせていても、青木相手だと、ふとした拍子に火が点く危うさ。
それさえ忘れて寛いでいるはずなのに、奥深くに眠る無自覚すれすれの疼きを察知して、丁寧に掘り起こされるから堪らない。
「……あっ……そ、なに……舐め……な……っ」
雷が苦手だったのは、バロンであって僕じゃない。他者との境界線が曖昧な少年時代に伝染した怖さが、身体に残ってるだけなのに。
雷鳴に震えていた身体は、快楽の濁流に呑まれ甘く痺れて溶けていく。
「新しい部屋着……すごく良いですね」
脱がせやすい……と言われたわけじゃないのに、疚しさで肌が熱くなる。
素肌に纏ったキルトの部屋着は、とっくに脱がされた前開きの上衣とともに、ズボンも秒で下ろされる。
淫らなカタチに昂奮する性器にはあえて触れず、長い指が後ろから滑り込んできて、ナカの熱を掻き混ぜてくる。
「っ…………あっ……」
前のめりで性急な愛撫なのに、今はそれさえもどかしいくらいだ。
自分のナカに侵入してくる青木の熱い昂りに身体を押し上げられないよう背中にしがみついて受け止め「早く」と律動をせかす。
ようやく始まった抽送を、もっとゆっくり味わいたいのに。
「……あ……おき…………っ……はぁ……」
青木が音を上げるまで、僕の隅々まで縦横無尽に突かせたい。
そんな願いを打ち砕く、感度のキャパが恨めしい。
「そうやってあなたの感じやすいところが、俺……とても好きなんです」
慰めともつかない言葉で愛でながら、逝ったばかりの小さな身体を貫いたまま起こし、ベッドに向き合い座った姿勢で強く抱きしめる。
上り詰めて浮遊している薪の感覚が戻ったらまた動く気満々なのが、腕の強さやナカの屹立ぶりからからしっかりと伝わってくる。
「っ……バロンは……待ては出来たぞ」
「俺も今……できてますよ」
ここまで巻き込んでおいて今さらずるい答えだ。
ふわふわと分離した思考の欠片に、バロンと好奇心を刺激しあいながら、いろんな散歩ルートを開拓した想い出がほのかに閃く。
「お代わりしてもいいですか?」
断れないのを知っていて訊いてくる。罪な声と交接部の熱に煽られ、黙ったまま縦に揺れはじめる身体も、そんな状況を好ましく受け止める気持ちも。ありえないのに、どこから湧いてくるんだろう。
もしかすると、こいつの中のバロンに似た部分。それが自分や世界を好きだった頃の自分を、葬り去った筈のどこか奥底から、呼び覚ましてしまうからなのかもしれない。