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145.それぞれの朝 (蒼紫・剣心・張・夢主・斎藤・時尾)
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待っててと言われて部屋で待っていた張だったが厠や洗面にしてはちと遅いとソファーで貧乏ゆすりをしていた張だったが、そこに武尊が大包平を持って帰って来た。
「おおー!」
思わず立ち上がった。
「武尊、最後にもう一回拝ませてえな。」
「うん・・・私もお別れ言いたいし。」
と、武尊は刀袋から刀を取り出すと張に抜いてみせた。
朝のシンとした空気の中で見る大包平の刀身はある意味神がかって見えた。
すばらしい刀に感動して声も出ない張を前に武尊は、
「(十六夜丸が使っていたとしても)今まで私を守ってくれてありがとう、もう(誰からも使われることなく)自由になっていいよ・・・さようなら。」
と刀にお礼を言って鞘にしまった。
そして、
「はい。」
と、張に手渡した。
「おおおおおおお・・・・・。」
張は更に感動して声を震わせた。
「じゃあ、会津まで頼むね。」
「まかしときぃ、ちゃーんと旦那の奥さんも大包平も届けたるわ。」
「うん、じゃあ、行こうか。」
「そやな、早う東京たたんと宿場に付くのが遅うなるさかいに。」
「そうだね、大荷物もあるからね。」
と、部屋を出ようとした武尊だがふと足を止めて張を振り返った。
「何や、武尊。」
「張・・・今ふっと思ったんだけど、この刀、自分が主人だと思った人には抜かせてくれるんじゃないのかな。」
「なんやそれ。」
「だから張が将来、刀に認めてもらえれば抜けるようになるかもね。」
「・・・・なんか今のわいはまるであかんみたいやないか。」
武尊はくすっと笑って、
「さあ・・今の張は刀の好みじゃないのかもね。意外に人よりも内面がよく見えるのかも。」
「ふぅぅん~、よぉわからんけど、ま、せいぜい抜けるようにやってみようかの。」
「うん、頑張って。張ならきっと出来ると思うよ。」
と、武尊は張に微笑んだ。
・・・無意識とはいえ、まったく張をその気にさせるのが上手い武尊であった。
この後、武尊と別れた張が数年諸国を流れ歩いた末自分の気に入る刀がなくてついに自ら刀を打ち始める事になろうとはこの時の二人には考えもつかなかった事である。
かくして【刀狩りの張】は【刀鍛冶の張】となり、後に斎藤一御用達の刀鍛冶となろうとは・・・・運命とは不思議なものである。
「おおー!」
思わず立ち上がった。
「武尊、最後にもう一回拝ませてえな。」
「うん・・・私もお別れ言いたいし。」
と、武尊は刀袋から刀を取り出すと張に抜いてみせた。
朝のシンとした空気の中で見る大包平の刀身はある意味神がかって見えた。
すばらしい刀に感動して声も出ない張を前に武尊は、
「(十六夜丸が使っていたとしても)今まで私を守ってくれてありがとう、もう(誰からも使われることなく)自由になっていいよ・・・さようなら。」
と刀にお礼を言って鞘にしまった。
そして、
「はい。」
と、張に手渡した。
「おおおおおおお・・・・・。」
張は更に感動して声を震わせた。
「じゃあ、会津まで頼むね。」
「まかしときぃ、ちゃーんと旦那の奥さんも大包平も届けたるわ。」
「うん、じゃあ、行こうか。」
「そやな、早う東京たたんと宿場に付くのが遅うなるさかいに。」
「そうだね、大荷物もあるからね。」
と、部屋を出ようとした武尊だがふと足を止めて張を振り返った。
「何や、武尊。」
「張・・・今ふっと思ったんだけど、この刀、自分が主人だと思った人には抜かせてくれるんじゃないのかな。」
「なんやそれ。」
「だから張が将来、刀に認めてもらえれば抜けるようになるかもね。」
「・・・・なんか今のわいはまるであかんみたいやないか。」
武尊はくすっと笑って、
「さあ・・今の張は刀の好みじゃないのかもね。意外に人よりも内面がよく見えるのかも。」
「ふぅぅん~、よぉわからんけど、ま、せいぜい抜けるようにやってみようかの。」
「うん、頑張って。張ならきっと出来ると思うよ。」
と、武尊は張に微笑んだ。
・・・無意識とはいえ、まったく張をその気にさせるのが上手い武尊であった。
この後、武尊と別れた張が数年諸国を流れ歩いた末自分の気に入る刀がなくてついに自ら刀を打ち始める事になろうとはこの時の二人には考えもつかなかった事である。
かくして【刀狩りの張】は【刀鍛冶の張】となり、後に斎藤一御用達の刀鍛冶となろうとは・・・・運命とは不思議なものである。