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144.新たな恋敵 (夢主・張・斎藤・蒼紫)
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(生きてさえいれば・・生きてさえいれば・・だめだ・・まだ【生きたい】と思えない・・。この先斎藤さんと別れて自分の成すべき事をしなければいけないのに・・・。)
武尊にとって成すべき事を成すまでは【死ななければいいな・・・】と思うぐらいであって、【生きたい】ではないのだ。
(強さが欲しい・・・何事にも負けない強い心が・・・。)
じわっと、目頭が熱くなる。
武尊は、
(あっ、やばっ・・すぐに涙腺が緩くなるんだから!)
と、心で自分を叱咤していると突然窓から気配がして武尊も張も一斉に窓の方へ向いた。
武尊が見たものは月灯りを背にした窓の黒い大きな影。
張がすぐさまランプで窓の方を照らせばそこには蒼紫の姿があった。
武尊は驚いた。
ここは三階・・・しかも窓の外。
窓は先程斎藤が鍵を閉めたため、外からは開かない。
武尊はまだ足元がおぼつかないままだったが、すぐさま窓へ行って鍵を開けた。
「蒼紫・・?どうしてここへ」
蒼紫は斎藤のもの言いが気になって警視庁へ来てみたものの斎藤の部屋だけがほのかに明るく中に誰かがいると推測した。
門番は二人しかおらず、道にも誰もいない、という事で塀を乗り越えそのまま斎藤の部屋へ音もなく飛び上がったのだった。
そして中をのぞいてみれば武尊が項垂れている前で沢下条張がなにやら慌てふためいている。
それを見て蒼紫はつい、殺気を発してしまったのであった。
蒼紫は武尊の問いに答えるよりも、つかつかと張に詰め寄り、
「・・貴様・・武尊に何をした。」
「あ?急に入って来て何言うとんねん。」
「あ、蒼紫?張は何もしてないよ、私が勝手にちょっと落ち込んでただけ。」
「・・・そうなのか?」
「うん・・・って蒼紫はどうしてここに?」
武尊は警視庁へ来る前、自分の代りに時尾の警護を蒼紫にお願いした際に自分の代りに斎藤が帰って来た場合、御役御免で帰っていいと言ったはずだったのに、どうして警視庁へ来たのか分からなかった。
蒼紫は二度同じ質問をした武尊から視線を張に移してじっと張を見た。
そしてピンと来た。
これは男の直感である。
(こいつも武尊を・・・。)
いきなり蒼紫に睨まれて張も蒼紫にガンを飛ばした。
「何やいきなり。」
いきなり睨み合いを始めた二人に武尊はただ目を丸くした。
「蒼紫?」
「・・いや・・・なるほどなと思ってな。」
蒼紫の意味不明な言葉に武尊は首を傾げ、張と顔を見合わせ。
「結局斎藤のコマとなったわけだな・・。」
と、蒼紫はため息をついた。
「何言うとんやあんた、意味分からんで。」
「つまりは・・だ、お前が武尊に悪さをしていないか俺は見に来させられてしまったという事だ。」
「はい?」
武尊も蒼紫の言葉に再び目を丸くした。
その疑問に答えるかのように蒼紫は武尊に言った。
「俺の帰り際にわざと煽るような言い方をして俺がここへ来るように斎藤が仕掛けたという事だ。」
蒼紫の説明に張も男の直感が働いた。
(何や、こいつもか!!)
出来る男だと認めた斎藤ならともかく、元隠密御庭番衆だか何だか知らないが根暗のちょっと顔が良いだけの男に武尊を渡すものかと張の負けん気に火がついた。
「で、武尊がわいに何もされてへんちゅう事が分かったさかいに用は済んだやろ、早よ帰り。」
「待って、張。私まだ蒼紫にお礼をまだ言ってない・・・今日はありがとう、何か変わった事あった?」
「いや・・特に何も・・それより決闘はどうだったんだ。」
「どういう経緯(いきさつ)かよく分からないけど、私がここに来た時はすでに斎藤さんと張がこの部屋にいたの・・・斎藤さん曰く、『緋村剣心という男からの決闘は受ける理由がない』って・・・。」
「・・・そうか。」
蒼紫には斎藤の言い分も分からないではない気がしたが自分もあの男と決闘をした身、何が違ったのかを考えれば自分が求めたのは【最強の称号】であって斎藤が求めたのは【人斬りとしての決着】であって、それはどちらかが死に、どちらかが生き残るまで闘う命の決着であったのだという事だ。
つまり同じ男と闘うに当たり、自分は緋村剣心が抜刀斎でなくとも目の前の男が【最強】でありさえすれば闘う理由があり、逆に斎藤にはなかったということであったと蒼紫は推測した。
(何と難しい事だ・・・。)
思案している蒼紫を武尊と張が何だ何だという顔で見ていた。
「蒼紫、・・夜も遅いしそろそろ帰った方がいいんじゃない?道場の人が心配してるんじゃ・・。」
「緋村が斎藤に果し状を出したことは神谷道場の誰も知らん。俺も夜中に誰にも気付かれずに出て来たから問題はない。」
「あ・・そう。」
「それより武尊こそ遅くまで何故ここに居る、帰るなら送って行くが。」
「あ・・私朝一でやることが出来たから今日はここで寝ることにしたの。今から帰ってまた早く起きて来るの面倒だし。」
と、武尊は蒼紫にはそう言っておくことにして、内心それこそ絶対帰れるかと思った。
斎藤と時尾の最後の夜は誰にも邪魔させたくはなかったから・・・。
「せや、あんたの用は済んだんやったら早よ帰ってぇな、わいらは話中やったんや。」
しっしっと、あからさまに蒼紫を追い払うように言う張に対し、蒼紫もこんな夜更けにこれ以上武尊と二人っきりにさせるかと咄嗟に理由を考えた。
「まだ用は済んでいない、俺は武尊に聞きたい事がある。」
武尊にとって成すべき事を成すまでは【死ななければいいな・・・】と思うぐらいであって、【生きたい】ではないのだ。
(強さが欲しい・・・何事にも負けない強い心が・・・。)
じわっと、目頭が熱くなる。
武尊は、
(あっ、やばっ・・すぐに涙腺が緩くなるんだから!)
と、心で自分を叱咤していると突然窓から気配がして武尊も張も一斉に窓の方へ向いた。
武尊が見たものは月灯りを背にした窓の黒い大きな影。
張がすぐさまランプで窓の方を照らせばそこには蒼紫の姿があった。
武尊は驚いた。
ここは三階・・・しかも窓の外。
窓は先程斎藤が鍵を閉めたため、外からは開かない。
武尊はまだ足元がおぼつかないままだったが、すぐさま窓へ行って鍵を開けた。
「蒼紫・・?どうしてここへ」
蒼紫は斎藤のもの言いが気になって警視庁へ来てみたものの斎藤の部屋だけがほのかに明るく中に誰かがいると推測した。
門番は二人しかおらず、道にも誰もいない、という事で塀を乗り越えそのまま斎藤の部屋へ音もなく飛び上がったのだった。
そして中をのぞいてみれば武尊が項垂れている前で沢下条張がなにやら慌てふためいている。
それを見て蒼紫はつい、殺気を発してしまったのであった。
蒼紫は武尊の問いに答えるよりも、つかつかと張に詰め寄り、
「・・貴様・・武尊に何をした。」
「あ?急に入って来て何言うとんねん。」
「あ、蒼紫?張は何もしてないよ、私が勝手にちょっと落ち込んでただけ。」
「・・・そうなのか?」
「うん・・・って蒼紫はどうしてここに?」
武尊は警視庁へ来る前、自分の代りに時尾の警護を蒼紫にお願いした際に自分の代りに斎藤が帰って来た場合、御役御免で帰っていいと言ったはずだったのに、どうして警視庁へ来たのか分からなかった。
蒼紫は二度同じ質問をした武尊から視線を張に移してじっと張を見た。
そしてピンと来た。
これは男の直感である。
(こいつも武尊を・・・。)
いきなり蒼紫に睨まれて張も蒼紫にガンを飛ばした。
「何やいきなり。」
いきなり睨み合いを始めた二人に武尊はただ目を丸くした。
「蒼紫?」
「・・いや・・・なるほどなと思ってな。」
蒼紫の意味不明な言葉に武尊は首を傾げ、張と顔を見合わせ。
「結局斎藤のコマとなったわけだな・・。」
と、蒼紫はため息をついた。
「何言うとんやあんた、意味分からんで。」
「つまりは・・だ、お前が武尊に悪さをしていないか俺は見に来させられてしまったという事だ。」
「はい?」
武尊も蒼紫の言葉に再び目を丸くした。
その疑問に答えるかのように蒼紫は武尊に言った。
「俺の帰り際にわざと煽るような言い方をして俺がここへ来るように斎藤が仕掛けたという事だ。」
蒼紫の説明に張も男の直感が働いた。
(何や、こいつもか!!)
出来る男だと認めた斎藤ならともかく、元隠密御庭番衆だか何だか知らないが根暗のちょっと顔が良いだけの男に武尊を渡すものかと張の負けん気に火がついた。
「で、武尊がわいに何もされてへんちゅう事が分かったさかいに用は済んだやろ、早よ帰り。」
「待って、張。私まだ蒼紫にお礼をまだ言ってない・・・今日はありがとう、何か変わった事あった?」
「いや・・特に何も・・それより決闘はどうだったんだ。」
「どういう経緯(いきさつ)かよく分からないけど、私がここに来た時はすでに斎藤さんと張がこの部屋にいたの・・・斎藤さん曰く、『緋村剣心という男からの決闘は受ける理由がない』って・・・。」
「・・・そうか。」
蒼紫には斎藤の言い分も分からないではない気がしたが自分もあの男と決闘をした身、何が違ったのかを考えれば自分が求めたのは【最強の称号】であって斎藤が求めたのは【人斬りとしての決着】であって、それはどちらかが死に、どちらかが生き残るまで闘う命の決着であったのだという事だ。
つまり同じ男と闘うに当たり、自分は緋村剣心が抜刀斎でなくとも目の前の男が【最強】でありさえすれば闘う理由があり、逆に斎藤にはなかったということであったと蒼紫は推測した。
(何と難しい事だ・・・。)
思案している蒼紫を武尊と張が何だ何だという顔で見ていた。
「蒼紫、・・夜も遅いしそろそろ帰った方がいいんじゃない?道場の人が心配してるんじゃ・・。」
「緋村が斎藤に果し状を出したことは神谷道場の誰も知らん。俺も夜中に誰にも気付かれずに出て来たから問題はない。」
「あ・・そう。」
「それより武尊こそ遅くまで何故ここに居る、帰るなら送って行くが。」
「あ・・私朝一でやることが出来たから今日はここで寝ることにしたの。今から帰ってまた早く起きて来るの面倒だし。」
と、武尊は蒼紫にはそう言っておくことにして、内心それこそ絶対帰れるかと思った。
斎藤と時尾の最後の夜は誰にも邪魔させたくはなかったから・・・。
「せや、あんたの用は済んだんやったら早よ帰ってぇな、わいらは話中やったんや。」
しっしっと、あからさまに蒼紫を追い払うように言う張に対し、蒼紫もこんな夜更けにこれ以上武尊と二人っきりにさせるかと咄嗟に理由を考えた。
「まだ用は済んでいない、俺は武尊に聞きたい事がある。」