※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
143.お宝返却 (夢主・斎藤・張)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
武尊がようやく警視庁に着いた時、斎藤の部屋の窓は開いていた。
そして灯りの点いていない部屋の窓際に黒いシルエットが見えた。
(斎藤さん・・・いるの?)
入り口で敬礼し、また三階の部屋まで武尊は駆け上がった。
バン!
部屋の入り口を飛び込むように開けて武尊は部屋に入ってきた。
「さ・・・ハァハァ・・・斎藤さん・・・い・・た。」
汗だくで武尊は斎藤の名を呼んだ。
「どうした、こんな夜中に。」
「だって・・ハァハァ・・・抜刀斎から決闘・・・ハァハァ・・申し込まれた・・ハァハァ・・・んでしょ?」
「・・・・。」
やはり武尊はその件でここに来たのかと、斎藤はじろりと張を睨み直した。、
「わいやないで!」
「何も言っていない。」
何も言わなくてもその眼がものを言っとんねんと張は背中に冷たい汗を流した。
「・・・終わったの?」
と、武尊がまだ荒い息をしながら斎藤に聞いた。
今は子の刻が過ぎて間もない。
その時間に斎藤が抜刀斎でなく張とここに居るという事は決闘は子の刻ではなかった?と武尊は思ったりしたがとりあえず自分の目の前で斎藤は間違いなく生きている。
よかった・・・と、武尊は安堵した。
「何の話だ。」
「・・・え・・?決闘じゃなかったの?」
やっぱり果し状の内容が漏れていると斎藤が張に『貴様』と言おうとした矢先、今度は武尊が
「蒼紫が教えてくれたの・・。」
と口を開いた。
「は?あの根暗が?何でやねん。」
張はその武尊の言葉におもいっきり口を開けて驚いたが、逆に斎藤はなるほど情報源はあいつかと納得した。
それにしても余計な事だと斎藤は舌打ちした。
だが、もうここまで来てしまえば武尊に隠すことは無意味だと斎藤は懐から果し状を出した。
そして武尊に見えるようにヒラヒラと振った。
「来たさ・・・抜刀斎からこれが・・・な。」
と言って斎藤は煙草に果し状を近づけ息を吸った。
煙草の火のついている部分が明るくなったと思ったら果し状に火が点いた。
めらめらと炎を上げ燃えていく果し状。
(うわっ!)
っと武尊は思ったものの、炎に照らされる斎藤の顔に魅入られて何も言えなかった。
果し状はあっという間に大きな炎に包まれ、それを斎藤は床に落とし踏みつけて消した。
床は少し黒く焦げた。
一連の行動を言葉も出せずにいた武尊と張。
「俺が抜刀斎に殺られるとでも思ったのか。」
と、斎藤は武尊に尋ねた。
・・・斎藤が殺られる、それは抜刀斎が勝ち斎藤は負けるという事を示す。
そしてそれを肯定するという事ははなから斎藤が勝負に負けると言っているようなもの。
「殺られるとは思っていない。だけど・・・万が一の事があったら骨は拾わなくっちゃと思ったの・・・。」
矛盾する答え。
だけど武尊は斎藤を真っ直ぐ見てそう言った。
「死ななくても重傷で川なんかに落ちたらそれこそ死んじゃうかもしれないし、そのまま流されて・・・二度と・・・会えなくなるのは・・・・何も言えずに別れるのはもう・・・嫌だと思ったから・・・。」
と、武尊は喉を詰まらせた。
幕末ひかれあいながらも言葉を交わせなかったまま別れた事は二人にとって苦い記憶なのだ。
斎藤もその気持ちはよく分かる。
だが、武尊は気を取り直して言葉を続けた。
「それともう一つ・・・見て見たかったの十六夜丸と闘った斎藤さんや抜刀斎を・・・この目で・・・。」
と、武尊は俯いた。
「阿呆が・・・。」
そう言ってようやく窓際に居た斎藤が一歩、二歩と張を通り越し武尊に近づいて武尊をを抱きしめた。
そして張が見ているのなんかお構いなく、武尊の頭に自らの頬を摺り寄せて斎藤は耳元で優しく言った。
「俺は抜刀斎なんかには殺られん、だから屍を拾う必要はない。果し状だか何だか知らんが『緋村剣心』などという男からの決闘なんぞ受ける理由がない。・・・今日は少しばかり昔の事を思い出していただけだ・・・。」
(うん・・・。)
斎藤の胸の中で武尊は小さく頷くと武尊もその両腕を斎藤に回し斎藤を抱きしめた。
(うわー!もしかして、わい何かえらいもん見とるんか!?)
と目の前で熱く抱擁する二人に自分の場所はあらへんと張は固まっていた。
そして互いの体温を確かめた後、斎藤はようやく腕を緩めた。
「夜も更けた、帰るか。」
と斎藤が言うと、
「うん、そうだね・・・私、時尾さんの警護任されたんだけどここに来るために代りに蒼紫に警護お願いしてるから早く帰らないと蒼紫に迷惑かけちゃう。」
と武尊が言った。
(何!四乃森が我が家に!)
と、斎藤は蒼紫の名前に一瞬動揺したが武尊に時尾の警護を命じたのは自分で武尊がここへ来るためには代りを頼んだのはやむを得ないと仕方がないとため息をついた。
それでは早く帰らねばと斎藤が武尊を腕の中から解放した時武尊はふと目の前にいた張と目が合った。
そして顔を急に赤くした。
あまりにも決闘の事が気になっていて斎藤に抱きしめられていた間張の存在をすっかり忘れていたからだ。
見られていたのがどうにもこうにも恥ずかしくて武尊は誤魔化すように張に聞いた。
「張はどうしてこんな時間にここに居るの?もしかして斎藤さんを止めようとしてくれたとか?」
「わ・・・・・わいは・・・。」
真っ直ぐな眼をして聞いて来る武尊にまさか警視庁の金品お宝かっぱらってとんずらだとは言えずに張は口ごもった。
すると御丁寧に斎藤が張の代りに、
「そいつは俺のいない隙に警視庁の金目のものをもっておさらばする気だったらしいぞ。」
と、武尊に教えた。
「旦那、(武尊の前で)そりゃないでっせ。」
「何がだ、本当のことだろう。武尊、こんな阿呆放っといて帰るぞ。」
斎藤は張のトンズラを本気で考えているのか考えていないのか、書類が飛ばないようにさっさと窓を閉め部屋を出ようとした。
すると武尊は少し声のトーンを落として
「斎藤さん、先に帰って下さい。」
と、言った。
そして灯りの点いていない部屋の窓際に黒いシルエットが見えた。
(斎藤さん・・・いるの?)
入り口で敬礼し、また三階の部屋まで武尊は駆け上がった。
バン!
部屋の入り口を飛び込むように開けて武尊は部屋に入ってきた。
「さ・・・ハァハァ・・・斎藤さん・・・い・・た。」
汗だくで武尊は斎藤の名を呼んだ。
「どうした、こんな夜中に。」
「だって・・ハァハァ・・・抜刀斎から決闘・・・ハァハァ・・申し込まれた・・ハァハァ・・・んでしょ?」
「・・・・。」
やはり武尊はその件でここに来たのかと、斎藤はじろりと張を睨み直した。、
「わいやないで!」
「何も言っていない。」
何も言わなくてもその眼がものを言っとんねんと張は背中に冷たい汗を流した。
「・・・終わったの?」
と、武尊がまだ荒い息をしながら斎藤に聞いた。
今は子の刻が過ぎて間もない。
その時間に斎藤が抜刀斎でなく張とここに居るという事は決闘は子の刻ではなかった?と武尊は思ったりしたがとりあえず自分の目の前で斎藤は間違いなく生きている。
よかった・・・と、武尊は安堵した。
「何の話だ。」
「・・・え・・?決闘じゃなかったの?」
やっぱり果し状の内容が漏れていると斎藤が張に『貴様』と言おうとした矢先、今度は武尊が
「蒼紫が教えてくれたの・・。」
と口を開いた。
「は?あの根暗が?何でやねん。」
張はその武尊の言葉におもいっきり口を開けて驚いたが、逆に斎藤はなるほど情報源はあいつかと納得した。
それにしても余計な事だと斎藤は舌打ちした。
だが、もうここまで来てしまえば武尊に隠すことは無意味だと斎藤は懐から果し状を出した。
そして武尊に見えるようにヒラヒラと振った。
「来たさ・・・抜刀斎からこれが・・・な。」
と言って斎藤は煙草に果し状を近づけ息を吸った。
煙草の火のついている部分が明るくなったと思ったら果し状に火が点いた。
めらめらと炎を上げ燃えていく果し状。
(うわっ!)
っと武尊は思ったものの、炎に照らされる斎藤の顔に魅入られて何も言えなかった。
果し状はあっという間に大きな炎に包まれ、それを斎藤は床に落とし踏みつけて消した。
床は少し黒く焦げた。
一連の行動を言葉も出せずにいた武尊と張。
「俺が抜刀斎に殺られるとでも思ったのか。」
と、斎藤は武尊に尋ねた。
・・・斎藤が殺られる、それは抜刀斎が勝ち斎藤は負けるという事を示す。
そしてそれを肯定するという事ははなから斎藤が勝負に負けると言っているようなもの。
「殺られるとは思っていない。だけど・・・万が一の事があったら骨は拾わなくっちゃと思ったの・・・。」
矛盾する答え。
だけど武尊は斎藤を真っ直ぐ見てそう言った。
「死ななくても重傷で川なんかに落ちたらそれこそ死んじゃうかもしれないし、そのまま流されて・・・二度と・・・会えなくなるのは・・・・何も言えずに別れるのはもう・・・嫌だと思ったから・・・。」
と、武尊は喉を詰まらせた。
幕末ひかれあいながらも言葉を交わせなかったまま別れた事は二人にとって苦い記憶なのだ。
斎藤もその気持ちはよく分かる。
だが、武尊は気を取り直して言葉を続けた。
「それともう一つ・・・見て見たかったの十六夜丸と闘った斎藤さんや抜刀斎を・・・この目で・・・。」
と、武尊は俯いた。
「阿呆が・・・。」
そう言ってようやく窓際に居た斎藤が一歩、二歩と張を通り越し武尊に近づいて武尊をを抱きしめた。
そして張が見ているのなんかお構いなく、武尊の頭に自らの頬を摺り寄せて斎藤は耳元で優しく言った。
「俺は抜刀斎なんかには殺られん、だから屍を拾う必要はない。果し状だか何だか知らんが『緋村剣心』などという男からの決闘なんぞ受ける理由がない。・・・今日は少しばかり昔の事を思い出していただけだ・・・。」
(うん・・・。)
斎藤の胸の中で武尊は小さく頷くと武尊もその両腕を斎藤に回し斎藤を抱きしめた。
(うわー!もしかして、わい何かえらいもん見とるんか!?)
と目の前で熱く抱擁する二人に自分の場所はあらへんと張は固まっていた。
そして互いの体温を確かめた後、斎藤はようやく腕を緩めた。
「夜も更けた、帰るか。」
と斎藤が言うと、
「うん、そうだね・・・私、時尾さんの警護任されたんだけどここに来るために代りに蒼紫に警護お願いしてるから早く帰らないと蒼紫に迷惑かけちゃう。」
と武尊が言った。
(何!四乃森が我が家に!)
と、斎藤は蒼紫の名前に一瞬動揺したが武尊に時尾の警護を命じたのは自分で武尊がここへ来るためには代りを頼んだのはやむを得ないと仕方がないとため息をついた。
それでは早く帰らねばと斎藤が武尊を腕の中から解放した時武尊はふと目の前にいた張と目が合った。
そして顔を急に赤くした。
あまりにも決闘の事が気になっていて斎藤に抱きしめられていた間張の存在をすっかり忘れていたからだ。
見られていたのがどうにもこうにも恥ずかしくて武尊は誤魔化すように張に聞いた。
「張はどうしてこんな時間にここに居るの?もしかして斎藤さんを止めようとしてくれたとか?」
「わ・・・・・わいは・・・。」
真っ直ぐな眼をして聞いて来る武尊にまさか警視庁の金品お宝かっぱらってとんずらだとは言えずに張は口ごもった。
すると御丁寧に斎藤が張の代りに、
「そいつは俺のいない隙に警視庁の金目のものをもっておさらばする気だったらしいぞ。」
と、武尊に教えた。
「旦那、(武尊の前で)そりゃないでっせ。」
「何がだ、本当のことだろう。武尊、こんな阿呆放っといて帰るぞ。」
斎藤は張のトンズラを本気で考えているのか考えていないのか、書類が飛ばないようにさっさと窓を閉め部屋を出ようとした。
すると武尊は少し声のトーンを落として
「斎藤さん、先に帰って下さい。」
と、言った。