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142.幕末の決着 (斎藤・張・影宮・夢主・時尾・蒼紫)
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・・・紫煙がゆれる。
斎藤は五等巡査からあの書状を受け取った時、
(抜刀斎からの果し状・・・申し込んだのは奴の方だ。これで不殺などと言っているあまっちょろい奴を正当に始末出来る。)
と、幕末より願っていた抜刀斎との勝負がやっとつけられると喜んだ。
が、すぐに阿呆らしくなって己を自嘲するように笑った。
よくよく見れば差出人の名は『緋村剣心』、そのような男は幕末には見たことも聞いたこともない、故にそのような男と決闘などする理由もない。
ただ、人斬りはやめたとほざく男が今更どうしてこんなものを持ってきたのかと斎藤は不審に思った。
しかもまだ縁と闘って受けた傷も治りきっていないというのにこのような物を送りつけて来るとは不愉快を通り越して見くびられ過ぎだと己が憐れにさえ思われた。
(確かに奴の奥義、【天翔龍閃】は神速を越える超神速の抜刀術、今までこの目で見たのは二度・・・俺の牙突と競ってみたい気はないではないが・・・・・高ぶらん・・・。俺が勝負をつけたいのは【人斬り抜刀斎】だ・・・その他の何者でもない。)
斎藤にとって答えはすでに出ていた。
【不殺】の緋村剣心などと言う男は壬生狼の歯牙にかけるに値しない、と。
高ぶらない気持ちがすべてを物語る。
京都に行く前に神谷道場で抜刀斎と対峙したときのような高揚感・・幕末の頃と同じように血が熱くなるほどの闘いはもう二度とない・・・もう二度と・・・。
奴は二度と人斬りにはならない。
斎藤は志々雄真実と抜刀斎の対決、そして縁との対決、どちらの場合も抜刀斎は人斬りに戻らなかった。
もうこれ以上奴に執着するのは無意味。
「・・・つまらん。」
斎藤はようやく小さく思いを口にした。
そんな奴と何を闘えというのか。
斎藤にはもはや抜刀斎と闘う気はなかった。
だが、一枚の果し状は斎藤の記憶を過去へ、幕末へのあの熱き灼熱のごとく駆け抜けた時代へ引き戻すのには十分だった。
紫煙をゆらしながら昔も今も変わらぬ【悪即斬】を、【壬生狼の闘い】を、【過ぎ去ったこの十年の己の生き様】を斎藤はずっとふ振り返えり続けていた。
斎藤は五等巡査からあの書状を受け取った時、
(抜刀斎からの果し状・・・申し込んだのは奴の方だ。これで不殺などと言っているあまっちょろい奴を正当に始末出来る。)
と、幕末より願っていた抜刀斎との勝負がやっとつけられると喜んだ。
が、すぐに阿呆らしくなって己を自嘲するように笑った。
よくよく見れば差出人の名は『緋村剣心』、そのような男は幕末には見たことも聞いたこともない、故にそのような男と決闘などする理由もない。
ただ、人斬りはやめたとほざく男が今更どうしてこんなものを持ってきたのかと斎藤は不審に思った。
しかもまだ縁と闘って受けた傷も治りきっていないというのにこのような物を送りつけて来るとは不愉快を通り越して見くびられ過ぎだと己が憐れにさえ思われた。
(確かに奴の奥義、【天翔龍閃】は神速を越える超神速の抜刀術、今までこの目で見たのは二度・・・俺の牙突と競ってみたい気はないではないが・・・・・高ぶらん・・・。俺が勝負をつけたいのは【人斬り抜刀斎】だ・・・その他の何者でもない。)
斎藤にとって答えはすでに出ていた。
【不殺】の緋村剣心などと言う男は壬生狼の歯牙にかけるに値しない、と。
高ぶらない気持ちがすべてを物語る。
京都に行く前に神谷道場で抜刀斎と対峙したときのような高揚感・・幕末の頃と同じように血が熱くなるほどの闘いはもう二度とない・・・もう二度と・・・。
奴は二度と人斬りにはならない。
斎藤は志々雄真実と抜刀斎の対決、そして縁との対決、どちらの場合も抜刀斎は人斬りに戻らなかった。
もうこれ以上奴に執着するのは無意味。
「・・・つまらん。」
斎藤はようやく小さく思いを口にした。
そんな奴と何を闘えというのか。
斎藤にはもはや抜刀斎と闘う気はなかった。
だが、一枚の果し状は斎藤の記憶を過去へ、幕末へのあの熱き灼熱のごとく駆け抜けた時代へ引き戻すのには十分だった。
紫煙をゆらしながら昔も今も変わらぬ【悪即斬】を、【壬生狼の闘い】を、【過ぎ去ったこの十年の己の生き様】を斎藤はずっとふ振り返えり続けていた。