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142.幕末の決着 (斎藤・張・影宮・夢主・時尾・蒼紫)
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「旦那、こないな得体の知れん相手の時はとりあえず相手の思惑通り『何もなかった事』で通すのがええんやないか?」
ジロっと斎藤が張を睨んだ。
斎藤だって馬鹿じゃない。
なんでもかんでも白は白、黒は黒なんて言うつもりなど更々ない。
そんな正義は偽善だ。
黒には黒なりのルールがあって、斎藤にとっては悪党同士の小競り合いなどははっきり言ってどうでもいいことなのだ。
今回の事件もやくざ同士のもめごとであったなら、東京湾に何人沈んでようがそんな事は斎藤の関知することではない。
だが今回狙われたのはそんな奴らではなく、斎藤の大事な大事な武尊と時尾なのだ。
「阿呆が・・・誰がなかった事などにしてやるか。」
主謀者を掴まえて拷問にかけてすべて吐かせないと気が済まないぐらいにはらわたは煮えくりかえっているのだが、あまりにも掴みどころがないので手の打ち様がないのだ。
(時尾の話に寄ると相手は武尊の薬の話を知っている・・やはり主謀者は長州がらみだと思うんだがな・・・。)
斎藤はイライラ感から煙草の本数が進む。
(抜刀斎でさえ武尊と十六夜丸の関係を知らんのだ、という事は若し知っているならばもっと上層部ということになるが・・・。)
可能性としてはやはりこの間の軍・政府の高級官僚の中の可能性が高いが長州関係者はあまりにも多すぎた。
「・・旦那、灰皿がてんこ盛りでんがな、武尊もおらんし、ぼちぼち煙草やめた方がええんやないでっか。」
一応気をきかせて言っている張だが、斎藤は今日は抜群に機嫌が悪かった。
「五月蝿い、お前が気をきかして(灰皿を)代えてもいいんだぞ。」
「せやからわいは密偵でパシリちゃう言うてんやんけー!」
張もムキーっとなって斎藤に反論した。
そしてこれからもこの斎藤とこう言った腹が立つ会話をしていかなければならないのかと思うとウンザリする自分がいた。
「ところで張、お前はもう荷物はまとめたのか。俺は横浜から船だがお前は仙台から札幌へ来い。」
「なんやそれ!なんで旦那が横浜でわいが仙台なんや!ほんでそこまでは歩きなんやな?」
「当然だろう、嫌なら津軽海峡を泳ぐんだな。」
嘘や~~!
と、張はエビ反りで吠えたが斎藤は黙々と煙草を吸い続けた。
そんな斎藤を見て張は、
「旦那・・何もなかったらわい、荷物をまとめに帰ってもええか?」
「まとめる程の荷物があったのか?まあ、好きにしろ。」
「へい、ほんじゃお先・・・。」
「待て。」
張が帰ろうとした矢先、斎藤が張を呼び止めた。
「何でっか、わい、もう気落ちして今日は仕事にならへんさかい。」
「仕事の話じゃない。」
と、斎藤は前振りしておいてから張に歯切れ悪く、
「・・・さっきの抜刀斎の話・・・・武尊には言うなよ。」
と言った。
先程の毒舌とは別な斎藤の斎藤。
「・・・・・。」
張はそんな斎藤の言葉に驚いた。
「まさか・・旦那、抜刀斎に殺られ・・。」
「誰が殺られるか、阿呆。」
「殺られん自信があるんやったら何も心配せんでええやないか。」
「そういう心配をしているんじゃない、武尊が来たら勝負の邪魔になる (というか何をしでかすか分からんから連れては行けん・・この間のように飛び出されてそれこそ武尊が抜刀斎に斬られる事になったら洒落にもならん) だけという事だ。・・・それだけだ。」
と、斎藤は言うと席を立って窓際へ立った。
そしてもう張に何もいう事はないと、背を向けたままでいた。
「・・・へいへい、言いませんよ。わいにとってはそれも好都合やさかいに。」
張はそう言ってドアノブを握った。
そして出て行く寸前に、
「もし・・・旦那が殺られた場合は・・わいが武尊をもらいますさかいに恨まんといてぇな。」
と言ってドアを閉めた。
バタム。
ドアは閉まれど斎藤はその方向を振り返る事はなかった。
ジロっと斎藤が張を睨んだ。
斎藤だって馬鹿じゃない。
なんでもかんでも白は白、黒は黒なんて言うつもりなど更々ない。
そんな正義は偽善だ。
黒には黒なりのルールがあって、斎藤にとっては悪党同士の小競り合いなどははっきり言ってどうでもいいことなのだ。
今回の事件もやくざ同士のもめごとであったなら、東京湾に何人沈んでようがそんな事は斎藤の関知することではない。
だが今回狙われたのはそんな奴らではなく、斎藤の大事な大事な武尊と時尾なのだ。
「阿呆が・・・誰がなかった事などにしてやるか。」
主謀者を掴まえて拷問にかけてすべて吐かせないと気が済まないぐらいにはらわたは煮えくりかえっているのだが、あまりにも掴みどころがないので手の打ち様がないのだ。
(時尾の話に寄ると相手は武尊の薬の話を知っている・・やはり主謀者は長州がらみだと思うんだがな・・・。)
斎藤はイライラ感から煙草の本数が進む。
(抜刀斎でさえ武尊と十六夜丸の関係を知らんのだ、という事は若し知っているならばもっと上層部ということになるが・・・。)
可能性としてはやはりこの間の軍・政府の高級官僚の中の可能性が高いが長州関係者はあまりにも多すぎた。
「・・旦那、灰皿がてんこ盛りでんがな、武尊もおらんし、ぼちぼち煙草やめた方がええんやないでっか。」
一応気をきかせて言っている張だが、斎藤は今日は抜群に機嫌が悪かった。
「五月蝿い、お前が気をきかして(灰皿を)代えてもいいんだぞ。」
「せやからわいは密偵でパシリちゃう言うてんやんけー!」
張もムキーっとなって斎藤に反論した。
そしてこれからもこの斎藤とこう言った腹が立つ会話をしていかなければならないのかと思うとウンザリする自分がいた。
「ところで張、お前はもう荷物はまとめたのか。俺は横浜から船だがお前は仙台から札幌へ来い。」
「なんやそれ!なんで旦那が横浜でわいが仙台なんや!ほんでそこまでは歩きなんやな?」
「当然だろう、嫌なら津軽海峡を泳ぐんだな。」
嘘や~~!
と、張はエビ反りで吠えたが斎藤は黙々と煙草を吸い続けた。
そんな斎藤を見て張は、
「旦那・・何もなかったらわい、荷物をまとめに帰ってもええか?」
「まとめる程の荷物があったのか?まあ、好きにしろ。」
「へい、ほんじゃお先・・・。」
「待て。」
張が帰ろうとした矢先、斎藤が張を呼び止めた。
「何でっか、わい、もう気落ちして今日は仕事にならへんさかい。」
「仕事の話じゃない。」
と、斎藤は前振りしておいてから張に歯切れ悪く、
「・・・さっきの抜刀斎の話・・・・武尊には言うなよ。」
と言った。
先程の毒舌とは別な斎藤の斎藤。
「・・・・・。」
張はそんな斎藤の言葉に驚いた。
「まさか・・旦那、抜刀斎に殺られ・・。」
「誰が殺られるか、阿呆。」
「殺られん自信があるんやったら何も心配せんでええやないか。」
「そういう心配をしているんじゃない、武尊が来たら勝負の邪魔になる (というか何をしでかすか分からんから連れては行けん・・この間のように飛び出されてそれこそ武尊が抜刀斎に斬られる事になったら洒落にもならん) だけという事だ。・・・それだけだ。」
と、斎藤は言うと席を立って窓際へ立った。
そしてもう張に何もいう事はないと、背を向けたままでいた。
「・・・へいへい、言いませんよ。わいにとってはそれも好都合やさかいに。」
張はそう言ってドアノブを握った。
そして出て行く寸前に、
「もし・・・旦那が殺られた場合は・・わいが武尊をもらいますさかいに恨まんといてぇな。」
と言ってドアを閉めた。
バタム。
ドアは閉まれど斎藤はその方向を振り返る事はなかった。