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122.手土産 (時尾・夢主・斎藤・蒼紫)
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朝食に炊き込みご飯のおこげを入れてもらって幸せ感MAXの武尊は時尾と斎藤の出勤を見送った後、武尊も制服に着替え、おむすびを詰めた重箱三段を風呂敷に包み家を出た。
制服なのはもちろん顔出しが終わったら警視庁へ出勤する気満々の為。
そして蒼紫に教えてもらった道をひたすら歩いた。
武尊の体の回復は順調のようで、息も切らさず大分歩けるようになり背中の痛みも大分減っていた。
(この調子でいけば後2、3日で傷も閉じるかな・・・。)
そう思いながら町を抜け、田んぼを抜け、閑散とした雑木林を歩いていたが、人っ子一人すれ違わない雑木林の道に不安を覚えた頃、目の前に蒼紫が姿を現した。
「蒼紫。」
「道に迷う前でよかった。この辺りは下草が伸びると道を誤りやすい、こっちだ武尊。」
と、蒼紫は手招きした。
「うん・・・。」
武尊が地面をよく見ると、危なく違う方向へ行くところだった。
武尊は蒼紫の所まで行くと、
「若しかして迎えに来てくれたの?」
と聞くと、
「近道を教えたのは俺だ。迷われては困る。」
と蒼紫は答え、武尊の重箱が入った風呂敷を取りあげた。
「あっ。」
と叫んだ武尊に蒼紫は、
「だいぶ重いな。」
と言うと風呂敷を手に先へ進み始めた。
「自分で持てます!神谷道場への手土産なんですから!」
と武尊が手を伸ばすも蒼紫はそれをかわし、
「武尊がこっちに来るのをしばらく見ていたが、すぐに手を持ち替えて持っていたあたりからすると結構腕の疲れが溜まっているはずだ。今は無理をするな背中の傷にひびく。」
と、言った。
確かに片手で重箱が横にならないようにここまで持って来るのに腕は疲れていた。
だけど手土産というのは自分が持って渡さないと恰好がつかない。
(今返してって言っても返してくれなさそうだしなぁ・・・この人の性格じゃあ。)
と、武尊は心でため息をついて重箱奪還をあきらめた。
「では神谷道場の門までお願いします、ありがとうございます。」
と、武尊は礼を言った。
「傷の具合はどうだ。」
「ん・・、昨日よりいい感じがします。痛みも減りましたし、蒼紫はもう気にしなくていいですよ。そのうち治ると思うから・・・って蒼紫、少し痩せた?(なんとなく顎のラインが・・・。)」
武尊は蒼紫と並んで歩いていてふと横の蒼紫を見上げた時そう感じた。
「いや・・・大丈夫だ、特に問題はない。」
蒼紫は真っ直ぐ歩きながらそう答えた。
「ふうん・・・ならいいんだけど・・・若し私の怪我の事で気にしすぎて食欲がないって・・・ことだったら、もう気にしないで下さい。私の怪我はもう本当に大丈夫ですから。」
その言葉に蒼紫はちらっとも、じろっとしたような目で武尊を見た後、黙って歩き続けた。
(あら~、だんまりになっちゃった。まっ、いいけど・・。)
と、無言のまま二人は歩いていった。
その道中武尊はやっと初めて会える師匠のお弟子さんについてあれこれ想像していた。
幕末人斬り抜刀斎と呼ばれた師匠の弟子・・・飛天御剣流の使い手・・・。
といっても武尊自身は剣術自体よくわからない。
どのくらい、どのように強いのか。
(斎藤さんがずっとこだわってるぐらいだもんねぇ。)
と、武尊には強さについてはそのぐらいしか推測できない。
だが容姿はどうだ。
赤い髪に左頬の十字傷・・・そんな情報から想像するに、さぞかし異形な恐ろしい男・・(師匠が師匠であれだけ目つきが鋭いからその弟子もかなりやばそうな目つきかもしれないし、斎藤さんがライバル視するぐらいだから顔付きも相当なんだろうな・・(どういう根拠で?))と考えた。
蛇が出るか鬼が出るか・・・。
とりあえず構えておかなくては・・・と、武尊は思った。
何しろ相手は十六夜丸を知っている男なのだから・・。
武尊があれこれ考えながら歩いていると、しばらくして雑木林を抜け、畑を抜け。
「神谷道場はこの先だ。」
蒼紫が指差した方を武尊が見ると立派な土壁の屋敷が建つ町があった。
町へ入り見えてきたのが『神谷活心流剣術道場』という立派な看板があった。
門の前に立ち、
(よし!気合入れていくぞ!)
と握り拳に力を入れる武尊に蒼紫が、
「こっちだ、武尊。」
と声をかける。
裏門でもあるのかと蒼紫について角を曲がると
土塀に大きな穴というか破壊されたところがあり、蒼紫はそこから中に入って行く。
(え?門からじゃないの?)と思いつつ武尊も瓦礫をよけつつ敷地内に入るが・・
土塀のすぐ向かいの建物も悲惨な状態になっていた。
「なにこれ・・・。」
思わず絶句している武尊に蒼紫がこっちだと母屋の方へ向かう。
雪代縁が起こした事件のことは斎藤の机にあがって来る報告書で少しは知っていたものの、実際これほどとは想像していなかった。
(いったいこの明治の世に何を使ったらこんなに破壊出来るんだ?)
武尊が一瞬道場の方へ気をやった隙に蒼紫の姿が消えていた。
(うわ~、手土産が~!)
と、武尊は土産を求めて慌てて蒼紫の後を追った。
制服なのはもちろん顔出しが終わったら警視庁へ出勤する気満々の為。
そして蒼紫に教えてもらった道をひたすら歩いた。
武尊の体の回復は順調のようで、息も切らさず大分歩けるようになり背中の痛みも大分減っていた。
(この調子でいけば後2、3日で傷も閉じるかな・・・。)
そう思いながら町を抜け、田んぼを抜け、閑散とした雑木林を歩いていたが、人っ子一人すれ違わない雑木林の道に不安を覚えた頃、目の前に蒼紫が姿を現した。
「蒼紫。」
「道に迷う前でよかった。この辺りは下草が伸びると道を誤りやすい、こっちだ武尊。」
と、蒼紫は手招きした。
「うん・・・。」
武尊が地面をよく見ると、危なく違う方向へ行くところだった。
武尊は蒼紫の所まで行くと、
「若しかして迎えに来てくれたの?」
と聞くと、
「近道を教えたのは俺だ。迷われては困る。」
と蒼紫は答え、武尊の重箱が入った風呂敷を取りあげた。
「あっ。」
と叫んだ武尊に蒼紫は、
「だいぶ重いな。」
と言うと風呂敷を手に先へ進み始めた。
「自分で持てます!神谷道場への手土産なんですから!」
と武尊が手を伸ばすも蒼紫はそれをかわし、
「武尊がこっちに来るのをしばらく見ていたが、すぐに手を持ち替えて持っていたあたりからすると結構腕の疲れが溜まっているはずだ。今は無理をするな背中の傷にひびく。」
と、言った。
確かに片手で重箱が横にならないようにここまで持って来るのに腕は疲れていた。
だけど手土産というのは自分が持って渡さないと恰好がつかない。
(今返してって言っても返してくれなさそうだしなぁ・・・この人の性格じゃあ。)
と、武尊は心でため息をついて重箱奪還をあきらめた。
「では神谷道場の門までお願いします、ありがとうございます。」
と、武尊は礼を言った。
「傷の具合はどうだ。」
「ん・・、昨日よりいい感じがします。痛みも減りましたし、蒼紫はもう気にしなくていいですよ。そのうち治ると思うから・・・って蒼紫、少し痩せた?(なんとなく顎のラインが・・・。)」
武尊は蒼紫と並んで歩いていてふと横の蒼紫を見上げた時そう感じた。
「いや・・・大丈夫だ、特に問題はない。」
蒼紫は真っ直ぐ歩きながらそう答えた。
「ふうん・・・ならいいんだけど・・・若し私の怪我の事で気にしすぎて食欲がないって・・・ことだったら、もう気にしないで下さい。私の怪我はもう本当に大丈夫ですから。」
その言葉に蒼紫はちらっとも、じろっとしたような目で武尊を見た後、黙って歩き続けた。
(あら~、だんまりになっちゃった。まっ、いいけど・・。)
と、無言のまま二人は歩いていった。
その道中武尊はやっと初めて会える師匠のお弟子さんについてあれこれ想像していた。
幕末人斬り抜刀斎と呼ばれた師匠の弟子・・・飛天御剣流の使い手・・・。
といっても武尊自身は剣術自体よくわからない。
どのくらい、どのように強いのか。
(斎藤さんがずっとこだわってるぐらいだもんねぇ。)
と、武尊には強さについてはそのぐらいしか推測できない。
だが容姿はどうだ。
赤い髪に左頬の十字傷・・・そんな情報から想像するに、さぞかし異形な恐ろしい男・・(師匠が師匠であれだけ目つきが鋭いからその弟子もかなりやばそうな目つきかもしれないし、斎藤さんがライバル視するぐらいだから顔付きも相当なんだろうな・・(どういう根拠で?))と考えた。
蛇が出るか鬼が出るか・・・。
とりあえず構えておかなくては・・・と、武尊は思った。
何しろ相手は十六夜丸を知っている男なのだから・・。
武尊があれこれ考えながら歩いていると、しばらくして雑木林を抜け、畑を抜け。
「神谷道場はこの先だ。」
蒼紫が指差した方を武尊が見ると立派な土壁の屋敷が建つ町があった。
町へ入り見えてきたのが『神谷活心流剣術道場』という立派な看板があった。
門の前に立ち、
(よし!気合入れていくぞ!)
と握り拳に力を入れる武尊に蒼紫が、
「こっちだ、武尊。」
と声をかける。
裏門でもあるのかと蒼紫について角を曲がると
土塀に大きな穴というか破壊されたところがあり、蒼紫はそこから中に入って行く。
(え?門からじゃないの?)と思いつつ武尊も瓦礫をよけつつ敷地内に入るが・・
土塀のすぐ向かいの建物も悲惨な状態になっていた。
「なにこれ・・・。」
思わず絶句している武尊に蒼紫がこっちだと母屋の方へ向かう。
雪代縁が起こした事件のことは斎藤の机にあがって来る報告書で少しは知っていたものの、実際これほどとは想像していなかった。
(いったいこの明治の世に何を使ったらこんなに破壊出来るんだ?)
武尊が一瞬道場の方へ気をやった隙に蒼紫の姿が消えていた。
(うわ~、手土産が~!)
と、武尊は土産を求めて慌てて蒼紫の後を追った。