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122.手土産 (時尾・夢主・斎藤・蒼紫)
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何だかいい匂い・・・。
くんくん。
武尊は障子の隙間から微かに流れてきたおいしそうな匂いでいつもより早く目が覚めた。
(すごくいい匂い・・・醤油に・・・ごぼうかな?)
武尊は匂いにつられるように台所へ吸い寄せられていった。
台所に下りたつっかけの音に時尾が気が付いて振り向けばそこには武尊の姿。
「あら、武尊さん、おはようございます、今日は早いんですね、よく眠れました?」
と、時尾がにっこり挨拶をした。
「おはようございます、時尾さん。ええ、なんだかものすごくいい匂いで目が覚めちゃって・・・何作ってるんですか。」
と、武尊は匂いのする方へ顔を向けるとお釜から水蒸気が立ち上っていた。
「武尊さん、今日は御挨拶に道場の方へ行かれるんでしょ?その時是非これをお持ちになっていってくださいね。もう出来ますから。」
と、時尾がお釜の蓋をとるともうもうと湯気が立ち昇り、一気においしそうな匂いが台所中に立ち込めた。
「うわぁ、いい匂い!」
と、武尊が釜の中を覗き込むと白い湯気の間から茶色い御飯にいろいろ具が入っているのが見えた。
「炊き込みごはんだ!」
武尊は本当に嬉しそうな声をあげた。
「これをおにぎりにして重箱に詰めますからどうかお持ちになっていってくださいね。」
「えっ!いいんですか!」
「ええ、もちろんですよ。御挨拶に伺うのに手ぶらでは何でしょ。」
「そ、それは、まあ・・、助かります!ちょっとだけ顔を出すだけだと思っていたのでそこまで気が回りませんでした。」
と言った武尊に時尾はふふっと微笑んで、
「味見しますか?武尊さん。」
と言った。
「いえ、その前に先に顔洗ってきます!」
と、武尊はタタタと部屋に戻っていった。
早く味見したくて顔を洗って歯を磨いて来たかったからだ。
炊き込みごはんだなんて・・・今まではコンビニに行けばいろんな味のおむすびが並んでいたのが当たり前だったのがなんて贅沢だったんだろうと思う。
あまりにも炊き込み後はんの事で頭がいっぱいだった武尊は廊下の角を走って曲がった際、丁度反対側からやって来た斎藤の胸に思いっきりぶつかった。
「むぎゃ!」
ぶつかられた斎藤はぐらりとすることもなく、ただ、ちょっと目を大きくして武尊を見た。
「何だ朝から。」
「(鼻が・・)イテテ・・・、あ、斎藤さん・・・じゃなかった、藤田警部補おはようございます!」
と、武尊が斎藤を見上げると寝間着のまま。
(厠の帰りかな・・。)
と思いつつも普段の斎藤のそんな姿はいつ見ても新鮮というか、ドキっとする。
そんな武尊の目の色を見切った斎藤は片手を伸ばし武尊の髪をクシャクシャっと指を絡めた。
「さっ・・藤田警部補!」
武尊が斎藤の行動に焦るのを見て斎藤はフッと笑うと、
「この匂いに釣られたか、早く顔洗ってこい。」
と言って髪を解放した。
「えっ!何でわかったんですか!」
と、どうして自分がやろうとすることが分かったかと目を丸くした武尊だったが、
「涎のあとがついてるぞ。」
と、斎藤に言われると武尊は、
「きゃー!!」
と、井戸の方へ駆けて行った。
「ふっ。」
斎藤はそんな武尊を楽しそうに見送った。
斎藤は阿呆な女は嫌いだ、だが武尊の時々子供じみた反応は斎藤を楽しませる。
(・・・何もかもが愛しい。)
そんな想いが胸をよぎった斎藤だったが、今は静かにそれを封印しいつもの顔で居間に向かった。
くんくん。
武尊は障子の隙間から微かに流れてきたおいしそうな匂いでいつもより早く目が覚めた。
(すごくいい匂い・・・醤油に・・・ごぼうかな?)
武尊は匂いにつられるように台所へ吸い寄せられていった。
台所に下りたつっかけの音に時尾が気が付いて振り向けばそこには武尊の姿。
「あら、武尊さん、おはようございます、今日は早いんですね、よく眠れました?」
と、時尾がにっこり挨拶をした。
「おはようございます、時尾さん。ええ、なんだかものすごくいい匂いで目が覚めちゃって・・・何作ってるんですか。」
と、武尊は匂いのする方へ顔を向けるとお釜から水蒸気が立ち上っていた。
「武尊さん、今日は御挨拶に道場の方へ行かれるんでしょ?その時是非これをお持ちになっていってくださいね。もう出来ますから。」
と、時尾がお釜の蓋をとるともうもうと湯気が立ち昇り、一気においしそうな匂いが台所中に立ち込めた。
「うわぁ、いい匂い!」
と、武尊が釜の中を覗き込むと白い湯気の間から茶色い御飯にいろいろ具が入っているのが見えた。
「炊き込みごはんだ!」
武尊は本当に嬉しそうな声をあげた。
「これをおにぎりにして重箱に詰めますからどうかお持ちになっていってくださいね。」
「えっ!いいんですか!」
「ええ、もちろんですよ。御挨拶に伺うのに手ぶらでは何でしょ。」
「そ、それは、まあ・・、助かります!ちょっとだけ顔を出すだけだと思っていたのでそこまで気が回りませんでした。」
と言った武尊に時尾はふふっと微笑んで、
「味見しますか?武尊さん。」
と言った。
「いえ、その前に先に顔洗ってきます!」
と、武尊はタタタと部屋に戻っていった。
早く味見したくて顔を洗って歯を磨いて来たかったからだ。
炊き込みごはんだなんて・・・今まではコンビニに行けばいろんな味のおむすびが並んでいたのが当たり前だったのがなんて贅沢だったんだろうと思う。
あまりにも炊き込み後はんの事で頭がいっぱいだった武尊は廊下の角を走って曲がった際、丁度反対側からやって来た斎藤の胸に思いっきりぶつかった。
「むぎゃ!」
ぶつかられた斎藤はぐらりとすることもなく、ただ、ちょっと目を大きくして武尊を見た。
「何だ朝から。」
「(鼻が・・)イテテ・・・、あ、斎藤さん・・・じゃなかった、藤田警部補おはようございます!」
と、武尊が斎藤を見上げると寝間着のまま。
(厠の帰りかな・・。)
と思いつつも普段の斎藤のそんな姿はいつ見ても新鮮というか、ドキっとする。
そんな武尊の目の色を見切った斎藤は片手を伸ばし武尊の髪をクシャクシャっと指を絡めた。
「さっ・・藤田警部補!」
武尊が斎藤の行動に焦るのを見て斎藤はフッと笑うと、
「この匂いに釣られたか、早く顔洗ってこい。」
と言って髪を解放した。
「えっ!何でわかったんですか!」
と、どうして自分がやろうとすることが分かったかと目を丸くした武尊だったが、
「涎のあとがついてるぞ。」
と、斎藤に言われると武尊は、
「きゃー!!」
と、井戸の方へ駆けて行った。
「ふっ。」
斎藤はそんな武尊を楽しそうに見送った。
斎藤は阿呆な女は嫌いだ、だが武尊の時々子供じみた反応は斎藤を楽しませる。
(・・・何もかもが愛しい。)
そんな想いが胸をよぎった斎藤だったが、今は静かにそれを封印しいつもの顔で居間に向かった。