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121.九月三十日夜(小田原の影、そして神谷道場)(伊藤卿、剣心、薫、左之助、操、弥彦、蒼紫)
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蒼紫が先ほどの部屋に戻って来ると、剣心以外はお土産のあんパンを食べていた。
食事の後にすぐあんパンか・・・と、蒼紫が思っていると操が、
「はい、蒼紫様、お茶いかがですか。」
と、操がお茶を持って来た。
「よかったら・・あんパンもいかがですか?」
と、薫が蒼紫にあんパンの入った盆を持って来た。
蒼紫は右手でお盆を制して断ろうと思ったが、寸でのところでその手であんパンを一つ掴み、
「後で頂く・・・。」
と、懐紙を取り出し包んで懐に入れた。
弥彦、操、左之助で騒がしい部屋の中、お茶を少しすすってそのまま無言の蒼紫を見かねてか剣心が、
「蒼紫、先程の話とはなんでござったろう。」
と、声をかけた。
「緋村、葵屋が比古清十郎から預かり、京都から連れて来た土岐武尊の事だが、明日、ここに顔を出しに来る・・・。」
と、蒼紫が言うと操が、
「やった-!武尊さん明日ここへ来るの?」
と、いちオクターブ高い声をあげた。
「何だか急な話だな。嬢ちゃんも剣心も今日帰って来たばかりだっていうのによ。」
と、左之助がそう言うと蒼紫が、
「俺達が東京に着いたころは雪代縁の件で緋村がいない時だった。そういう事もあり土岐は今別所にて預かりいただいてもらっている。それでもって短期で仕事をしているのだが、仕事が終わるまでもう暫くあるからとりあえず一度、顔だけでも出したいという意向だ。」
と言った。
「まあ・・こっちに来てすぐに仕事なんて大変ね、剣心。」
「そうでござるな、陶芸つながりでどこかの骨董屋にでも勤めてるのでござろうか・・。」
と、剣心が言っている時に口の中のあんパンをゴクンと飲み込んだ操が、
「違うよ緋村!それがちょっと聞いてよ、武尊さん、よりによってあの陰険警官の所にいるのよ!」
「陰険って・・・操ちゃん・・?」
「斎藤よ、斎藤!あいつ武尊さんと顔見知りだったらしいのよ!」
と、操が興奮気味に薫に言うと、
「え~~~!」
っと、一同驚きの声をあげた。
それは連れて来た師匠の弟子が斎藤と知合いだったという事だからか、若しくは斎藤が知合いだというその人物を泊めてやるような人柄というのが信じられなかったからなのか、あるいは両方の理由からか、その場はざわついた。
「ありえねぇだろう、あの斎藤がかよ!」
と左之助が言うと、操が、
「でも栄治も引き取っていったからあいつ顔に似合わず面倒見いいのかもよ。」
と言った。
「栄治って誰だよ。」
「あんたと一緒ぐらいの男の子よ弥彦、新月村で家族を志々雄一派に殺されたのよ。で、兄さんが斎藤の部下だったみたいなの。」
「ふ~ん、全然想像つかねぇけどな。て言うか斎藤がガキの世話なんか出来るのかよ。」
「同じガキのくせに偉そうなこというなこらっ。」
と、左之助は弥彦を捕まえ拳で頭をグリグリした。
「ってえよ!左之助!」
と遊んでいるのかいじめているのかわからない二人に剣心が、
「斎藤は結婚して御細君がおるらしいでござる。」
と言うと、
「え~~~~~~あの斎藤が~っ!」
と、ブーイングに似たざわめきが起こった。
「マジか・・・。」
と、左之助と弥彦は茫然とした。
「で、武尊さん、どうあいつに丸め込まれたか知らないけどこないだ会った時は警官の服着て張と一緒だったわ。」
と、操が言うと、
「なに~ぃ!」
と、一同再び声をあげて驚いた。
いったいどんな奴だよという会話が飛び交う中で蒼紫は、
「と言った理由から、仕事の都合上明日とりあえず顔だけでも出したいという本人の意向なんだが問題はあるか、神谷薫。」
と、蒼紫は薫の方に視線を向けた。
急に話を振られたのと蒼紫の無表情な顔に薫は、
「え、私は・・別に問題ないと思うんだけど、剣心はどう?」
と、剣心に話を振って助け舟を求めた。
「拙者も別にかまわんでござるが・・・。」
と、剣心が蒼紫に言うと、
「分かった、これで俺も葵屋が預かった土岐の身柄の引き渡しを終える事が出来るな。」
と言うと、席を立って出て行った。
おまけ:
121章のサブタイトルなのですが、実は、
【蒼紫が剣心に完全敗北した日】
というのも頭にあったのですが、やはりここは美しくまとめたかったので薫のセリフを引用しました。
食事の後にすぐあんパンか・・・と、蒼紫が思っていると操が、
「はい、蒼紫様、お茶いかがですか。」
と、操がお茶を持って来た。
「よかったら・・あんパンもいかがですか?」
と、薫が蒼紫にあんパンの入った盆を持って来た。
蒼紫は右手でお盆を制して断ろうと思ったが、寸でのところでその手であんパンを一つ掴み、
「後で頂く・・・。」
と、懐紙を取り出し包んで懐に入れた。
弥彦、操、左之助で騒がしい部屋の中、お茶を少しすすってそのまま無言の蒼紫を見かねてか剣心が、
「蒼紫、先程の話とはなんでござったろう。」
と、声をかけた。
「緋村、葵屋が比古清十郎から預かり、京都から連れて来た土岐武尊の事だが、明日、ここに顔を出しに来る・・・。」
と、蒼紫が言うと操が、
「やった-!武尊さん明日ここへ来るの?」
と、いちオクターブ高い声をあげた。
「何だか急な話だな。嬢ちゃんも剣心も今日帰って来たばかりだっていうのによ。」
と、左之助がそう言うと蒼紫が、
「俺達が東京に着いたころは雪代縁の件で緋村がいない時だった。そういう事もあり土岐は今別所にて預かりいただいてもらっている。それでもって短期で仕事をしているのだが、仕事が終わるまでもう暫くあるからとりあえず一度、顔だけでも出したいという意向だ。」
と言った。
「まあ・・こっちに来てすぐに仕事なんて大変ね、剣心。」
「そうでござるな、陶芸つながりでどこかの骨董屋にでも勤めてるのでござろうか・・。」
と、剣心が言っている時に口の中のあんパンをゴクンと飲み込んだ操が、
「違うよ緋村!それがちょっと聞いてよ、武尊さん、よりによってあの陰険警官の所にいるのよ!」
「陰険って・・・操ちゃん・・?」
「斎藤よ、斎藤!あいつ武尊さんと顔見知りだったらしいのよ!」
と、操が興奮気味に薫に言うと、
「え~~~!」
っと、一同驚きの声をあげた。
それは連れて来た師匠の弟子が斎藤と知合いだったという事だからか、若しくは斎藤が知合いだというその人物を泊めてやるような人柄というのが信じられなかったからなのか、あるいは両方の理由からか、その場はざわついた。
「ありえねぇだろう、あの斎藤がかよ!」
と左之助が言うと、操が、
「でも栄治も引き取っていったからあいつ顔に似合わず面倒見いいのかもよ。」
と言った。
「栄治って誰だよ。」
「あんたと一緒ぐらいの男の子よ弥彦、新月村で家族を志々雄一派に殺されたのよ。で、兄さんが斎藤の部下だったみたいなの。」
「ふ~ん、全然想像つかねぇけどな。て言うか斎藤がガキの世話なんか出来るのかよ。」
「同じガキのくせに偉そうなこというなこらっ。」
と、左之助は弥彦を捕まえ拳で頭をグリグリした。
「ってえよ!左之助!」
と遊んでいるのかいじめているのかわからない二人に剣心が、
「斎藤は結婚して御細君がおるらしいでござる。」
と言うと、
「え~~~~~~あの斎藤が~っ!」
と、ブーイングに似たざわめきが起こった。
「マジか・・・。」
と、左之助と弥彦は茫然とした。
「で、武尊さん、どうあいつに丸め込まれたか知らないけどこないだ会った時は警官の服着て張と一緒だったわ。」
と、操が言うと、
「なに~ぃ!」
と、一同再び声をあげて驚いた。
いったいどんな奴だよという会話が飛び交う中で蒼紫は、
「と言った理由から、仕事の都合上明日とりあえず顔だけでも出したいという本人の意向なんだが問題はあるか、神谷薫。」
と、蒼紫は薫の方に視線を向けた。
急に話を振られたのと蒼紫の無表情な顔に薫は、
「え、私は・・別に問題ないと思うんだけど、剣心はどう?」
と、剣心に話を振って助け舟を求めた。
「拙者も別にかまわんでござるが・・・。」
と、剣心が蒼紫に言うと、
「分かった、これで俺も葵屋が預かった土岐の身柄の引き渡しを終える事が出来るな。」
と言うと、席を立って出て行った。
おまけ:
121章のサブタイトルなのですが、実は、
【蒼紫が剣心に完全敗北した日】
というのも頭にあったのですが、やはりここは美しくまとめたかったので薫のセリフを引用しました。