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135.御札に込めた願い (時尾・夢主・斎藤・恵)
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(夫を待つのは妻の役目だからね・・。お邪魔虫は退散退散!)
と、余計かもしれない気遣いをしながら武尊は布団を引いて寝る準備を整えた。
そして寝間着に着替えていつもの座禅・・・その手には二枚の御札があった。
それは今日警視庁で書いたもの。
「自慢じゃないけど和尚さんから上手だって褒められてたんだよね。読めないけど写すのはこのころから得意だったんだ。」
と、武尊は子供のころ匿われていた実は偉い和尚の横で手習い代わりにお札を書いていた時の事を思い出していた。
「本当のお坊さんじゃないから霊験あたらかじゃないかもしれないけど、一応霊力っぽい力あるからね・・・。おまじない程度にしかならないかもしれないけど霊力を込めてみようかな・・・。」
と、武尊はいつも身体に廻している【気】を御札に籠めるように念じた。
これはもうすぐ京都へ帰るであろう蒼紫の為に書いたもの。
梵語で書いてある為、普通の人、もちろん武尊にも読めない。
一枚は【諸願成就】という意味を持つ御札。
「蒼紫は連れて帰るって言った・・・。」
帰路の途中、きっと蒼紫は死んだ御庭番衆の部下のお墓へ行くに違いないと武尊は思った。
あの四人の魂は蒼紫の側にある。
(あの暗い不思議な世界で御庭番衆に会った時、般若はいや、あの四人は蒼紫に今一度話がしたいと言った・・・蒼紫だってきっと同じ気持ちだと思う。)
だけどその霊魂達の力は儚く、特に現実主義の蒼紫とは波長が合わず、霊の存在を感じる事はまずない。
それでも武尊は出来る事なら会わせてあげたいとそう思った。
御札と自分の霊力、そして彼らの肉体が眠る場所なら若しかしたら何か力が働いて・・・蒼紫でも彼らを感じる事が出来るんじゃないかと武尊は直感的にそう思った。
だから武尊は御札の力に掛けてみることにした。
そしてもう一枚。
【悪霊退散】の意味を持つお札。
蒼紫の為に死んで本望と言っていたとはいえ、決していい人生だったと言えない死に方。
そして狂信的だと思えるほど絶対的崇拝。
蒼紫に対する未練が何らかの形で怨念へと変わり、蒼紫に害を与えようとするならば武尊は心を鬼にしてでも蒼紫を守る・・・つまり彼らが悪霊と変り果てていたなら滅却させるための強い御札。
あの四人が怨霊となる可能性は極めて低いとはいえ、若しそうなってしまっていたら、の為の保険の御札である。
それに帰りは操ちゃんもいるのだ、あの二人を危険に合わせるわけにはいかない。
(退散なんてかわいいお札じゃないんだけどね・・・本当は・・。)
それなら霊を蒼紫に引き合わせるなんて考えなければいいのに、と自分に対して問うてはみるものの、やっぱり会わせてあげることができたらなぁ・・・と考えてしまう武尊であった。
「今の私が出来ることって言えばこれくらいのことしかないんだ。」
と、武尊は蒼紫の姿を思い出し御札に【気】を込めた。
そして後はいつものように自分の為に座禅して、もぞもぞを布団にもぐりこむと武尊はすぐに眠りに落ちて行った。
真夜中に帰って来た斎藤は自分が寝る前に武尊の部屋の前へ行き、いつも少し空いている障子の隙間から熟睡している武尊を覗き込んでフッと笑って安堵の息を漏らすのであった。
と、余計かもしれない気遣いをしながら武尊は布団を引いて寝る準備を整えた。
そして寝間着に着替えていつもの座禅・・・その手には二枚の御札があった。
それは今日警視庁で書いたもの。
「自慢じゃないけど和尚さんから上手だって褒められてたんだよね。読めないけど写すのはこのころから得意だったんだ。」
と、武尊は子供のころ匿われていた実は偉い和尚の横で手習い代わりにお札を書いていた時の事を思い出していた。
「本当のお坊さんじゃないから霊験あたらかじゃないかもしれないけど、一応霊力っぽい力あるからね・・・。おまじない程度にしかならないかもしれないけど霊力を込めてみようかな・・・。」
と、武尊はいつも身体に廻している【気】を御札に籠めるように念じた。
これはもうすぐ京都へ帰るであろう蒼紫の為に書いたもの。
梵語で書いてある為、普通の人、もちろん武尊にも読めない。
一枚は【諸願成就】という意味を持つ御札。
「蒼紫は連れて帰るって言った・・・。」
帰路の途中、きっと蒼紫は死んだ御庭番衆の部下のお墓へ行くに違いないと武尊は思った。
あの四人の魂は蒼紫の側にある。
(あの暗い不思議な世界で御庭番衆に会った時、般若はいや、あの四人は蒼紫に今一度話がしたいと言った・・・蒼紫だってきっと同じ気持ちだと思う。)
だけどその霊魂達の力は儚く、特に現実主義の蒼紫とは波長が合わず、霊の存在を感じる事はまずない。
それでも武尊は出来る事なら会わせてあげたいとそう思った。
御札と自分の霊力、そして彼らの肉体が眠る場所なら若しかしたら何か力が働いて・・・蒼紫でも彼らを感じる事が出来るんじゃないかと武尊は直感的にそう思った。
だから武尊は御札の力に掛けてみることにした。
そしてもう一枚。
【悪霊退散】の意味を持つお札。
蒼紫の為に死んで本望と言っていたとはいえ、決していい人生だったと言えない死に方。
そして狂信的だと思えるほど絶対的崇拝。
蒼紫に対する未練が何らかの形で怨念へと変わり、蒼紫に害を与えようとするならば武尊は心を鬼にしてでも蒼紫を守る・・・つまり彼らが悪霊と変り果てていたなら滅却させるための強い御札。
あの四人が怨霊となる可能性は極めて低いとはいえ、若しそうなってしまっていたら、の為の保険の御札である。
それに帰りは操ちゃんもいるのだ、あの二人を危険に合わせるわけにはいかない。
(退散なんてかわいいお札じゃないんだけどね・・・本当は・・。)
それなら霊を蒼紫に引き合わせるなんて考えなければいいのに、と自分に対して問うてはみるものの、やっぱり会わせてあげることができたらなぁ・・・と考えてしまう武尊であった。
「今の私が出来ることって言えばこれくらいのことしかないんだ。」
と、武尊は蒼紫の姿を思い出し御札に【気】を込めた。
そして後はいつものように自分の為に座禅して、もぞもぞを布団にもぐりこむと武尊はすぐに眠りに落ちて行った。
真夜中に帰って来た斎藤は自分が寝る前に武尊の部屋の前へ行き、いつも少し空いている障子の隙間から熟睡している武尊を覗き込んでフッと笑って安堵の息を漏らすのであった。