※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
132.金色の光を纏う少年 (斎藤・夢主・時尾)
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食事の後片付けをした後武尊は、日中たくさん歩いたのと激しい運動をした所為なのか、急に疲れを感じて早々に藤田夫妻におやすみの挨拶をして部屋へ戻った。
夜空は今日も快晴、後は寝るだけの生活なら十分明るさは足りる。
薄暗い部屋、障子を開けていると部屋の中へ涼しい風そよそよと入って来る。
最近暑かったり涼しかったりを繰り返しているが、やはり風は秋の匂いを帯びて来ているみたいだと思いながら武尊は寝る前の日課の座禅を組んだ。
【気】を廻わせばそれだけ傷の治りがいい・・・というのが最近気のせいではなく実感してわかるようになった。
まだまだ自分の気を見るにはものすごく集中力がいるけれど、と思いつつ武尊は今自分の体表にゆらめく青いオーラを薄目を開けて確認した。
そして今日神谷道場で起こった出来事を思い出していた。
武尊は相楽左之助と呼ばれる惡一文字の男に殴られた時、咄嗟に腕でそれを受けて防御したのであったがその時に確かにその腕には自分の青い気が纏われていた事。
(確かにああいった場面では【気】って集中するよね。)
と、思いつつも武尊は以前斎藤に稽古をつけてもらった時、同じ受けでもオーラなしで斎藤の拳をまともに喰らった時は骨が折れたかと思った程の衝撃があった事も思い出し、今回は吹っ飛ばされたにしろ、腕自体はどうもなっていなかった事に武尊は一つの仮説を立てた。
(もしかして、このオーラってああいった防御に使える?)
武尊はふううん、と、我ながら半信半疑と思いながら改めて自分の【気】を眺めてみる。
青い炎のように揺らぎながら自分の周りにとどまるそれは、武尊が右手に意識を集中させると右手にオーラが増え、左手に集中させると左手に、自由に増やすことが出来るようになっていた。
(これってやっぱり霊力って言われるものなのかな?信じられないけどこういう力なら便利でいいかも・・。)
まさか明治でも自分の身に危険を感じる展開になろうとは思ってもいなかった武尊。
けれどもとりあえず警官という立場、そして十六夜丸という影が憑いてまわる限り、いつなんどき何が起こるか分からない現状を考えると身を守る術が出来ることはとても心強いことだと武尊は思った。
(霊力・・・か、とても現実的じゃないけどこれ本当。)
などと武尊は変に納得しながら再び目を閉じて座禅に集中した。
・・・・・・・無・・・・・。
武尊の意識が静寂の世界へ下りて行った時、武尊は久しぶりにあの
リーン
という透明の、そして少し物悲しい音色を聞いた。
最近は斎藤さんと蒼紫に斬られ生死の狭間の時に聞いたその音色。
そしてその時に出会った自分と同じ姿をした十六夜丸。
武尊はその時の状況をゆっくり思い出した。
夢の中の事だったのですっかり忘れていたその景色が鈴の音で鮮明に甦る。
(十六夜丸は私に【憑いてる】・・・って言ってたよね。という事は十六夜丸って幽霊とかなのかな?私何か十六夜丸に恨まれるような事したっけ?・・でも最初に薬飲まされたのは幕末に記憶失ってた時でどこかの御屋敷の時が初めてだったけど、その間に【憑かれる】ような事を人にした覚えなんてないんだけどな・・・。)
そもそも武尊は人生の今まで自分のクローン以外同じ顔をした人に出会ったことなどない。
そう考えた時、兄・・市彦が言っていた事を連鎖的に思い出した。
『お前は俺の妹だ。』
最初は記憶を失っていた自分にそういう役をさせるためにそう言ったのだと武尊は思っていたのだが、まったく赤の他人とは思えない感情が市彦にはあるのを武尊は感じていた。
(そんなによく似てたのかな・・・?)
と、今更ながら武尊は思った。
目の中に入れても痛くない程可愛かったのだろう。
(ま・・、私は鏡を見ても自分が可愛い顔をしているとは思ったことはないけど・・・性格が可愛かったのかな?私と違って。)
などと寄り道的な考えは置いておいて、っと自分で反れた話を元に戻して、
(若しかして私によく似た妹さんが十六夜丸に恨まれてた??で、私に間違って憑りついた?・・・・・もしそうだったら大迷惑!!)
と、武尊は心の中で叫んだ。
だが仮に間違って憑りつかれたにせよ、過去の事はどうにもならなく今現在も十六夜丸は自分の中にいる。
そして十六夜丸は武尊に、
『俺の糧はお前の【気】・・・。』
と言ったことも思い出した。
「・・・・・【気】か。」
武尊はまた薄目を開けて自分のオーラに包まれた手をじっと見た。
(十六夜丸はこれを食べてるってこと・・?幽霊は人に憑りついて生体エネルギーを吸うっていう話も聞いたことあるけど・・・うわっ。)
急に寒気がして武尊は鳥肌立った。
「まだ【気】とかのレベルの話なら眉唾ものでも科学的に分析できそうで理解できる。でも妖怪・幽霊とかのレベルはちょっと頭がついて行かない。でも今(明治)っていかにも出る時は出そうな感じがしてきた!やばっ、背筋が寒くなって来た、もう寝よう!」
と、武尊は布団に速攻飛び込んで天井を見ると、天井の木目が人の顔に見えて来た。
「きゃー!」
と、武尊は布団を頭までかぶりこんだ。
手に汗をかきながら武尊は思った。
(いや冷静になって考えれば十六夜丸の【力】って幽霊の範疇を超えてるよね・・・じゃあ・・・もっとヤバい物だったりする・・?)
治癒能力はともかく歩くリーサルウエポン(※1)のようなそんな物が自分の中に・・・。
あの薬がなければ出てこないと分かっているのがせめてもの救い。
「次に会った時は絶対聞いてやる・・・・あんた間違った人に憑りついてるんじゃないの!って。・・・・・でも人違いだってわかったら十六夜丸って別の人に憑りつく・・・?」
あくまでもこれは自分の勝手な頭の中の思い込みだけど。
と、武尊は前置きしてもう一度そのことについて考えた。
「自分から出て行った十六夜丸はどうなるんだろう・・・。」
今までそんな事考えたこともなかった。
自分に憑りついているという事自体、自分では実感できないのだ。
今の仮説も例えば、の話だ。
いい答えが見つからないまま武尊はいつの間にかそのまま眠りに落ちた。
(※1;リーサルウエポンとは映画のタイトルでもありましたがこの場合は『人間兵器』という意味でつかってます。)
夜空は今日も快晴、後は寝るだけの生活なら十分明るさは足りる。
薄暗い部屋、障子を開けていると部屋の中へ涼しい風そよそよと入って来る。
最近暑かったり涼しかったりを繰り返しているが、やはり風は秋の匂いを帯びて来ているみたいだと思いながら武尊は寝る前の日課の座禅を組んだ。
【気】を廻わせばそれだけ傷の治りがいい・・・というのが最近気のせいではなく実感してわかるようになった。
まだまだ自分の気を見るにはものすごく集中力がいるけれど、と思いつつ武尊は今自分の体表にゆらめく青いオーラを薄目を開けて確認した。
そして今日神谷道場で起こった出来事を思い出していた。
武尊は相楽左之助と呼ばれる惡一文字の男に殴られた時、咄嗟に腕でそれを受けて防御したのであったがその時に確かにその腕には自分の青い気が纏われていた事。
(確かにああいった場面では【気】って集中するよね。)
と、思いつつも武尊は以前斎藤に稽古をつけてもらった時、同じ受けでもオーラなしで斎藤の拳をまともに喰らった時は骨が折れたかと思った程の衝撃があった事も思い出し、今回は吹っ飛ばされたにしろ、腕自体はどうもなっていなかった事に武尊は一つの仮説を立てた。
(もしかして、このオーラってああいった防御に使える?)
武尊はふううん、と、我ながら半信半疑と思いながら改めて自分の【気】を眺めてみる。
青い炎のように揺らぎながら自分の周りにとどまるそれは、武尊が右手に意識を集中させると右手にオーラが増え、左手に集中させると左手に、自由に増やすことが出来るようになっていた。
(これってやっぱり霊力って言われるものなのかな?信じられないけどこういう力なら便利でいいかも・・。)
まさか明治でも自分の身に危険を感じる展開になろうとは思ってもいなかった武尊。
けれどもとりあえず警官という立場、そして十六夜丸という影が憑いてまわる限り、いつなんどき何が起こるか分からない現状を考えると身を守る術が出来ることはとても心強いことだと武尊は思った。
(霊力・・・か、とても現実的じゃないけどこれ本当。)
などと武尊は変に納得しながら再び目を閉じて座禅に集中した。
・・・・・・・無・・・・・。
武尊の意識が静寂の世界へ下りて行った時、武尊は久しぶりにあの
リーン
という透明の、そして少し物悲しい音色を聞いた。
最近は斎藤さんと蒼紫に斬られ生死の狭間の時に聞いたその音色。
そしてその時に出会った自分と同じ姿をした十六夜丸。
武尊はその時の状況をゆっくり思い出した。
夢の中の事だったのですっかり忘れていたその景色が鈴の音で鮮明に甦る。
(十六夜丸は私に【憑いてる】・・・って言ってたよね。という事は十六夜丸って幽霊とかなのかな?私何か十六夜丸に恨まれるような事したっけ?・・でも最初に薬飲まされたのは幕末に記憶失ってた時でどこかの御屋敷の時が初めてだったけど、その間に【憑かれる】ような事を人にした覚えなんてないんだけどな・・・。)
そもそも武尊は人生の今まで自分のクローン以外同じ顔をした人に出会ったことなどない。
そう考えた時、兄・・市彦が言っていた事を連鎖的に思い出した。
『お前は俺の妹だ。』
最初は記憶を失っていた自分にそういう役をさせるためにそう言ったのだと武尊は思っていたのだが、まったく赤の他人とは思えない感情が市彦にはあるのを武尊は感じていた。
(そんなによく似てたのかな・・・?)
と、今更ながら武尊は思った。
目の中に入れても痛くない程可愛かったのだろう。
(ま・・、私は鏡を見ても自分が可愛い顔をしているとは思ったことはないけど・・・性格が可愛かったのかな?私と違って。)
などと寄り道的な考えは置いておいて、っと自分で反れた話を元に戻して、
(若しかして私によく似た妹さんが十六夜丸に恨まれてた??で、私に間違って憑りついた?・・・・・もしそうだったら大迷惑!!)
と、武尊は心の中で叫んだ。
だが仮に間違って憑りつかれたにせよ、過去の事はどうにもならなく今現在も十六夜丸は自分の中にいる。
そして十六夜丸は武尊に、
『俺の糧はお前の【気】・・・。』
と言ったことも思い出した。
「・・・・・【気】か。」
武尊はまた薄目を開けて自分のオーラに包まれた手をじっと見た。
(十六夜丸はこれを食べてるってこと・・?幽霊は人に憑りついて生体エネルギーを吸うっていう話も聞いたことあるけど・・・うわっ。)
急に寒気がして武尊は鳥肌立った。
「まだ【気】とかのレベルの話なら眉唾ものでも科学的に分析できそうで理解できる。でも妖怪・幽霊とかのレベルはちょっと頭がついて行かない。でも今(明治)っていかにも出る時は出そうな感じがしてきた!やばっ、背筋が寒くなって来た、もう寝よう!」
と、武尊は布団に速攻飛び込んで天井を見ると、天井の木目が人の顔に見えて来た。
「きゃー!」
と、武尊は布団を頭までかぶりこんだ。
手に汗をかきながら武尊は思った。
(いや冷静になって考えれば十六夜丸の【力】って幽霊の範疇を超えてるよね・・・じゃあ・・・もっとヤバい物だったりする・・?)
治癒能力はともかく歩くリーサルウエポン(※1)のようなそんな物が自分の中に・・・。
あの薬がなければ出てこないと分かっているのがせめてもの救い。
「次に会った時は絶対聞いてやる・・・・あんた間違った人に憑りついてるんじゃないの!って。・・・・・でも人違いだってわかったら十六夜丸って別の人に憑りつく・・・?」
あくまでもこれは自分の勝手な頭の中の思い込みだけど。
と、武尊は前置きしてもう一度そのことについて考えた。
「自分から出て行った十六夜丸はどうなるんだろう・・・。」
今までそんな事考えたこともなかった。
自分に憑りついているという事自体、自分では実感できないのだ。
今の仮説も例えば、の話だ。
いい答えが見つからないまま武尊はいつの間にかそのまま眠りに落ちた。
(※1;リーサルウエポンとは映画のタイトルでもありましたがこの場合は『人間兵器』という意味でつかってます。)