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132.金色の光を纏う少年 (斎藤・夢主・時尾)
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「あれ?まだ食べてなかったんですか?お味噌汁が冷めちゃいますよ。」
と、武尊が居間に戻って来た時、斎藤と時尾は膳を前に武尊を待っていた。
「なに、今煙草を丁度吸い終わった頃だ。」
斎藤はさらっとそう言い、時尾は
「それに御御御付けを温め直したところですから本当に丁度よかったんですよ。」
と、にっこり笑った。
(嘘、手元に灰皿なんてないじゃない。)
と、武尊は斎藤の見え見えの嘘にむっとした視線を斎藤に送ると、斎藤は手で『早く座れ』と合図をした。
三人そろっての夕餉。
二人が自分を待っていてくれた事にじわっと胸を熱くしながら武尊は両手を合わせた。
「いただきます!」
と食事の挨拶と共に武尊はぺこりとおじぎをした。
家族の幸せの時間とはこういうのをいうんだろうか、と武尊はじみじみと御飯を口に運んだ。
そして目の前の二人を見ながら、もうこうやって食事をする機会はもうあまりないんだなぁ、と武尊は寂しく思いつつ、こうやって自分を置いてくれた藤田夫婦の姿をこれも大事な思い出として心に残そうと二人の食事風景を見ていた。
武尊がそう思っていた時に時尾が、
「武尊さん、今日の御訪問はいかがでしたか。」
と、聞いてきた。
武尊は、しまった、そういう事ってやっぱり食事の時の話題だよね、ぬかった!そういえば重箱ごと置いて来てしまったんだった・・絶対炊き込みご飯のおにぎりの感想を聞かれそうな予感・・と思いつつ、
「あ・・すみません、ちょっといろいろありまして挨拶をしてすぐ帰って来たので風呂敷ごと重箱を置いてきちゃったんです。近々取りに行ってきます。」
と、返事をした。
「そうですか、御重箱はいつでもいいですよ。ただ皆さんのお口に合ったかどうか心配で・・。」
「いやそれは絶対大丈夫ですよ!文句なしに美味しかったですもの。」
と、武尊は慌てて弁明した。
「そう言って下さるなら嬉しいですわ。」
「時尾さんのお料理どれもおいしいですもの。私こんなにおいしい御飯初めて食べました。」
例え五つ星レストランの料理じゃなくてもお腹にしみいる美味しさは幸せそのもの。
「ま、武尊さんったらお上手なんだから。私は母が厳しかったから・・ぁ、ごめんなさい私ったら・・。」
「気にしないでください時尾さん、私の方こそ今になってもっと本気で料理をしておけばよかったと思っているんですから。お料理って【火が通れば何でも食べれる】ぐらいにしか考えてなかった私が問題なんです。」
あはっと武尊は笑いながら他愛もない話から延々と続く女同士の話に男は口を挟む余地はない。
だが斎藤は楽しそうに話す時尾と武尊時々視線を配りながらこういうのもたまには良いかと糠漬けをポリポリして一人静かに笑っていた。
その話が一段落した後、時尾は言った。
「武尊さん、五郎さんの転勤の話は聞いてますか。」
急に全く別の話題・・・斎藤の転勤の話を出されて武尊は、
「え・・・はい。今日伺いました。」
と答えた。
「私は会津の実家の方へ戻るんですよ。」
その事も斎藤から聞いたと思いながら武尊は時尾の言葉を聞いていた。
「武尊さんはどうするおつもりですか?」
話を自分に振られ一瞬『え?』となる武尊、そして斎藤もその言葉にピクっと反応し箸を止めて時尾と武尊の方を見た。
「え・・・どうするって・・・?(いったいどういう意味で・・。)」
と、武尊はちょっと時尾が聞いている意味に引っ掛かりながらも、
「ええと・・、私は・・・。」
と、後何日契約期間が残っていると指折り日を数えてみると、
(あれ?斎藤さんが転出する日が丁度契約した一ヶ月が終わる日だ!)
という事に武尊は初めて気づいた。
(だから斎藤さんは私に『北海道へ行く必要はない』っていったんだ。)
どうしてこんな事に今まで気が付かなかったんだろうと思うと同時に、武尊にとっては警察官としての任務が終わったらするべき事は決まっている。
一人で何やら指折りしていた武尊は顔をあげ時尾に、
「とりあえず神谷道場に行って用事を済ませます。その後は兄の行方を捜しに少し放浪しようと思います。」
と言った。
時尾は武尊の事について聞くのは初めてだった。
「まあ、武尊さんはお兄さんがいらっしゃるのですか。」
と、時尾は少し驚いて言った。
何故なら武尊から武尊には父も母もいないと聞いていたからであった。
両親がいなくてもせめて兄がいるならと、時尾は喜んだのもつかの間、
「いえ・・・ちょっと訳ありでそう呼んでいただけの人なんですが・・。」
と武尊が言葉を詰まらせながら言った。
「とりあえずその二つが私が東京に来た目的なんです。」
「そうですか、お兄様、見つかるといいですね。」
と、時尾はそう言いつつ心の中で少し落胆した。
それは武尊が夫について北海道へ行くのではないということが分かったから。
「いつか会津に来ることがあったら是非家に寄って下さいね。」
「ありがとうございます。」
そう締めくくって武尊は御馳走様をした。
と、武尊が居間に戻って来た時、斎藤と時尾は膳を前に武尊を待っていた。
「なに、今煙草を丁度吸い終わった頃だ。」
斎藤はさらっとそう言い、時尾は
「それに御御御付けを温め直したところですから本当に丁度よかったんですよ。」
と、にっこり笑った。
(嘘、手元に灰皿なんてないじゃない。)
と、武尊は斎藤の見え見えの嘘にむっとした視線を斎藤に送ると、斎藤は手で『早く座れ』と合図をした。
三人そろっての夕餉。
二人が自分を待っていてくれた事にじわっと胸を熱くしながら武尊は両手を合わせた。
「いただきます!」
と食事の挨拶と共に武尊はぺこりとおじぎをした。
家族の幸せの時間とはこういうのをいうんだろうか、と武尊はじみじみと御飯を口に運んだ。
そして目の前の二人を見ながら、もうこうやって食事をする機会はもうあまりないんだなぁ、と武尊は寂しく思いつつ、こうやって自分を置いてくれた藤田夫婦の姿をこれも大事な思い出として心に残そうと二人の食事風景を見ていた。
武尊がそう思っていた時に時尾が、
「武尊さん、今日の御訪問はいかがでしたか。」
と、聞いてきた。
武尊は、しまった、そういう事ってやっぱり食事の時の話題だよね、ぬかった!そういえば重箱ごと置いて来てしまったんだった・・絶対炊き込みご飯のおにぎりの感想を聞かれそうな予感・・と思いつつ、
「あ・・すみません、ちょっといろいろありまして挨拶をしてすぐ帰って来たので風呂敷ごと重箱を置いてきちゃったんです。近々取りに行ってきます。」
と、返事をした。
「そうですか、御重箱はいつでもいいですよ。ただ皆さんのお口に合ったかどうか心配で・・。」
「いやそれは絶対大丈夫ですよ!文句なしに美味しかったですもの。」
と、武尊は慌てて弁明した。
「そう言って下さるなら嬉しいですわ。」
「時尾さんのお料理どれもおいしいですもの。私こんなにおいしい御飯初めて食べました。」
例え五つ星レストランの料理じゃなくてもお腹にしみいる美味しさは幸せそのもの。
「ま、武尊さんったらお上手なんだから。私は母が厳しかったから・・ぁ、ごめんなさい私ったら・・。」
「気にしないでください時尾さん、私の方こそ今になってもっと本気で料理をしておけばよかったと思っているんですから。お料理って【火が通れば何でも食べれる】ぐらいにしか考えてなかった私が問題なんです。」
あはっと武尊は笑いながら他愛もない話から延々と続く女同士の話に男は口を挟む余地はない。
だが斎藤は楽しそうに話す時尾と武尊時々視線を配りながらこういうのもたまには良いかと糠漬けをポリポリして一人静かに笑っていた。
その話が一段落した後、時尾は言った。
「武尊さん、五郎さんの転勤の話は聞いてますか。」
急に全く別の話題・・・斎藤の転勤の話を出されて武尊は、
「え・・・はい。今日伺いました。」
と答えた。
「私は会津の実家の方へ戻るんですよ。」
その事も斎藤から聞いたと思いながら武尊は時尾の言葉を聞いていた。
「武尊さんはどうするおつもりですか?」
話を自分に振られ一瞬『え?』となる武尊、そして斎藤もその言葉にピクっと反応し箸を止めて時尾と武尊の方を見た。
「え・・・どうするって・・・?(いったいどういう意味で・・。)」
と、武尊はちょっと時尾が聞いている意味に引っ掛かりながらも、
「ええと・・、私は・・・。」
と、後何日契約期間が残っていると指折り日を数えてみると、
(あれ?斎藤さんが転出する日が丁度契約した一ヶ月が終わる日だ!)
という事に武尊は初めて気づいた。
(だから斎藤さんは私に『北海道へ行く必要はない』っていったんだ。)
どうしてこんな事に今まで気が付かなかったんだろうと思うと同時に、武尊にとっては警察官としての任務が終わったらするべき事は決まっている。
一人で何やら指折りしていた武尊は顔をあげ時尾に、
「とりあえず神谷道場に行って用事を済ませます。その後は兄の行方を捜しに少し放浪しようと思います。」
と言った。
時尾は武尊の事について聞くのは初めてだった。
「まあ、武尊さんはお兄さんがいらっしゃるのですか。」
と、時尾は少し驚いて言った。
何故なら武尊から武尊には父も母もいないと聞いていたからであった。
両親がいなくてもせめて兄がいるならと、時尾は喜んだのもつかの間、
「いえ・・・ちょっと訳ありでそう呼んでいただけの人なんですが・・。」
と武尊が言葉を詰まらせながら言った。
「とりあえずその二つが私が東京に来た目的なんです。」
「そうですか、お兄様、見つかるといいですね。」
と、時尾はそう言いつつ心の中で少し落胆した。
それは武尊が夫について北海道へ行くのではないということが分かったから。
「いつか会津に来ることがあったら是非家に寄って下さいね。」
「ありがとうございます。」
そう締めくくって武尊は御馳走様をした。