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130.忘れ物 (斎藤・夢主)
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どうにか狼の御機嫌を損ねずに【帰る】ということに成功した武尊はほっとしながら帰路に着いた。
もちろん二人とも帰る途中でも未だ気を抜くことはない。
先日から怪しい気配はしなくなったというものの、その目的が分からないままなのだから。
だからといって無言のまま歩くという事もない。
「武尊。」
「はい。」
「そう言えば背中どうした。」
「え?」
何を今更背中なのかと武尊は斎藤の言っている意図が分からなかった。
傷が開いていたことは先刻見せて知っているはずなのにと、武尊が思っていると、
「背中の広範囲に内出血の跡があった。俗にいう打撲、打ち身の類いだ。鶏に蹴られてあんな跡はつかないが。」
武尊はそういえば・・・、と今日の出来事を回想した。
打撲の原因となる事といえば、神谷道場で【惡】一文字を背に持つ兄さんにブッ飛ばされて道場の壁で背中を強打したこと。
でもそれはおそらく十六夜丸・・・つまり自分に原因があるようで・・・。
これから北海道へ赴任し忙しくするであろう斎藤にこの事を告げて余計な気苦労をさせたくないと、武尊は言うのを迷った。
「どうした、言えんのか。俺に対して気遣いなんぞはしなくていいぞ。」
武尊の気持ちを見透かすように斎藤は言った。
「う・・ん・・。」
と言って武尊は横の斎藤をちらっと見て、この事は絶対隠さなければいけない出来事ではないと判断し、
「鶏を捕まえるお手伝いをしたのは嘘じゃない。傷がその時に開いた可能性ももちろんある。だけど打ち身に関しては斎藤さんが言う通り鶏じゃない。実は神谷道場へ行ったとき・・・。」
と、武尊は神谷道場へ着いた後、惡一文字を背中に持つ男から一発喰らって道場の壁に叩きつけられたとい事を斎藤に順を追って話した。
(ほら・・・、眉間の皺が寄ってるよ・・。)
と、話しているうちにだんだん険しい顔つきになっていく斎藤に武尊は心の中でため息をついた。
「その人は赤報隊を覚えてるかって私に聞いてましたら十六夜丸が赤報隊に何かやったのだったら私には殴られる理由があります。だから斎藤さんはそれに関しては手出し無用です。」
と、最後に武尊はそう付け加えた。
「そうか・・・赤報隊か・・・。」
と斎藤は答えたきり無言になり、煙草を吸いながら一点を見て歩く。
武尊はそんな斎藤を見て、
(あ、シンキングタイムが始まった・・。)
と、武尊もそれ以上は何も言わず黙って隣を歩いた。
2014.1.24
もちろん二人とも帰る途中でも未だ気を抜くことはない。
先日から怪しい気配はしなくなったというものの、その目的が分からないままなのだから。
だからといって無言のまま歩くという事もない。
「武尊。」
「はい。」
「そう言えば背中どうした。」
「え?」
何を今更背中なのかと武尊は斎藤の言っている意図が分からなかった。
傷が開いていたことは先刻見せて知っているはずなのにと、武尊が思っていると、
「背中の広範囲に内出血の跡があった。俗にいう打撲、打ち身の類いだ。鶏に蹴られてあんな跡はつかないが。」
武尊はそういえば・・・、と今日の出来事を回想した。
打撲の原因となる事といえば、神谷道場で【惡】一文字を背に持つ兄さんにブッ飛ばされて道場の壁で背中を強打したこと。
でもそれはおそらく十六夜丸・・・つまり自分に原因があるようで・・・。
これから北海道へ赴任し忙しくするであろう斎藤にこの事を告げて余計な気苦労をさせたくないと、武尊は言うのを迷った。
「どうした、言えんのか。俺に対して気遣いなんぞはしなくていいぞ。」
武尊の気持ちを見透かすように斎藤は言った。
「う・・ん・・。」
と言って武尊は横の斎藤をちらっと見て、この事は絶対隠さなければいけない出来事ではないと判断し、
「鶏を捕まえるお手伝いをしたのは嘘じゃない。傷がその時に開いた可能性ももちろんある。だけど打ち身に関しては斎藤さんが言う通り鶏じゃない。実は神谷道場へ行ったとき・・・。」
と、武尊は神谷道場へ着いた後、惡一文字を背中に持つ男から一発喰らって道場の壁に叩きつけられたとい事を斎藤に順を追って話した。
(ほら・・・、眉間の皺が寄ってるよ・・。)
と、話しているうちにだんだん険しい顔つきになっていく斎藤に武尊は心の中でため息をついた。
「その人は赤報隊を覚えてるかって私に聞いてましたら十六夜丸が赤報隊に何かやったのだったら私には殴られる理由があります。だから斎藤さんはそれに関しては手出し無用です。」
と、最後に武尊はそう付け加えた。
「そうか・・・赤報隊か・・・。」
と斎藤は答えたきり無言になり、煙草を吸いながら一点を見て歩く。
武尊はそんな斎藤を見て、
(あ、シンキングタイムが始まった・・。)
と、武尊もそれ以上は何も言わず黙って隣を歩いた。
2014.1.24