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128.異動内示が意味するもの (斎藤・夢主・張)
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斎藤は小さくため息をつくと、
「川路の事はともかく、たかだか警部補の俺の異動の事までよく知っていたな、内務卿は。」
と、言った。
「え?異動?川路と斎藤さんが?」
武尊は突然の斎藤の言葉に驚きながらその眼に小さな不安の色をのぞかせ斎藤を見た。
斉藤は再びため息をつき、
「川路は来年早々仏蘭西へ行く。日本の警察制度を見直すためにな。そのついでに年末に他の欧州へも研修で回ることになっている。」
と言うと、
「え。」
「なんやって。」
と武尊と張はあまりにも遠いその場所に驚いた。
「おっさんも忙しいやっちゃな。そういう意味か、伊藤が言うとったんは。ほんなら武器密輸の事なんかかまっとる暇なんかないやんか。」
「ちょっと待って、ということは斎藤さんもフランスへ?」
斎藤は一瞬間をおいて、
「俺は北海道だ。開拓使からお呼びがかかった。密偵が欲しいそうだ。」
と言って煙草を吸いこんだ。
「まじか旦那、北海道ゆうたらこれから冬やんか。わい、寒いの苦手やねんー!」
張が、アカン~と、額に手を当て大きなため息をついている横で武尊は斎藤を見て固まっていた。
斉藤もじっと武尊を見つめた。
斉藤はふっと微笑を浮かべると、
「心配するな武尊。お前はもうすぐここの務めが終わる。北海道へ行く必要はない。向こうの冬は東京とは比べ物にならないぐらい厳しい、丁度よかったな。」
と言った。
武尊は口を僅かに開いたまま言葉が出せないでいた。
「俺は今月の十日付の異動だ。それまでの間向こうでの任務の準備がある。武器密輸の探りは続けたいところだが・・・。」
と斎藤は言うと急に険しい顔をして腕組みをした。
そして何か思案し始めた。
武尊は突然の異動の話に何と反応していいのか分からなかった。
確かに自分の此処での務めはもうすぐ終わる。
武尊にもそれは分かっていたけれど。
斉藤とも別れてなすべきことをなさないと、とも思っていたけれど。
(北海道・・・。)
あまりにも遠いそこへの異動はもう二度と会う事がない永遠の別れの予感が強く感じられたから。
沈黙する部屋の中で張が、
「旦那、もう伊藤を探らんでええんなら、わい今日はもう帰ってもええか?たまにはゆっくりさせて欲しいねんけど・・。」
と言った。
「嗚呼、好きにしろ。二日休みをやる。」
「二日もでっか!えろうおおきに。ほなさっそく・・。」
さいならと、張は斎藤にひらひらと手を振って部屋を出ようとして、ちらっと横目で武尊を見た。
そして、小さくため息をつくと、ポンと武尊の肩を叩いてから部屋を出て行った。
「川路の事はともかく、たかだか警部補の俺の異動の事までよく知っていたな、内務卿は。」
と、言った。
「え?異動?川路と斎藤さんが?」
武尊は突然の斎藤の言葉に驚きながらその眼に小さな不安の色をのぞかせ斎藤を見た。
斉藤は再びため息をつき、
「川路は来年早々仏蘭西へ行く。日本の警察制度を見直すためにな。そのついでに年末に他の欧州へも研修で回ることになっている。」
と言うと、
「え。」
「なんやって。」
と武尊と張はあまりにも遠いその場所に驚いた。
「おっさんも忙しいやっちゃな。そういう意味か、伊藤が言うとったんは。ほんなら武器密輸の事なんかかまっとる暇なんかないやんか。」
「ちょっと待って、ということは斎藤さんもフランスへ?」
斎藤は一瞬間をおいて、
「俺は北海道だ。開拓使からお呼びがかかった。密偵が欲しいそうだ。」
と言って煙草を吸いこんだ。
「まじか旦那、北海道ゆうたらこれから冬やんか。わい、寒いの苦手やねんー!」
張が、アカン~と、額に手を当て大きなため息をついている横で武尊は斎藤を見て固まっていた。
斉藤もじっと武尊を見つめた。
斉藤はふっと微笑を浮かべると、
「心配するな武尊。お前はもうすぐここの務めが終わる。北海道へ行く必要はない。向こうの冬は東京とは比べ物にならないぐらい厳しい、丁度よかったな。」
と言った。
武尊は口を僅かに開いたまま言葉が出せないでいた。
「俺は今月の十日付の異動だ。それまでの間向こうでの任務の準備がある。武器密輸の探りは続けたいところだが・・・。」
と斎藤は言うと急に険しい顔をして腕組みをした。
そして何か思案し始めた。
武尊は突然の異動の話に何と反応していいのか分からなかった。
確かに自分の此処での務めはもうすぐ終わる。
武尊にもそれは分かっていたけれど。
斉藤とも別れてなすべきことをなさないと、とも思っていたけれど。
(北海道・・・。)
あまりにも遠いそこへの異動はもう二度と会う事がない永遠の別れの予感が強く感じられたから。
沈黙する部屋の中で張が、
「旦那、もう伊藤を探らんでええんなら、わい今日はもう帰ってもええか?たまにはゆっくりさせて欲しいねんけど・・。」
と言った。
「嗚呼、好きにしろ。二日休みをやる。」
「二日もでっか!えろうおおきに。ほなさっそく・・。」
さいならと、張は斎藤にひらひらと手を振って部屋を出ようとして、ちらっと横目で武尊を見た。
そして、小さくため息をつくと、ポンと武尊の肩を叩いてから部屋を出て行った。