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126.鶏の捕獲に奮闘す! (夢主・斎藤・張)
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「あ~これで勘弁してくれへんかな、旦那。」
と、張は手に持った小田原名物の蒲鉾をぶらぶらさせながら警視庁へ戻って来た。
伊藤卿を脅したつもりが口先で完全に負けた。
剣技で負けても悔しいが関西人が得意の口先で負けたとあって、かなりプライドが傷ついている張であったがそれよりも斎藤へ報告する時にどれだけ嫌味が降りかかって来るかと思えば気分は落ち込む。
それに武尊にもいい恰好がしたかった張としてはがっくりと肩を落として階段を上がった。
「帰りましたよ、旦那。」
と言いながら斎藤の部屋のドアを開けた張。
てっきり斎藤が戻って来たとドアの方を振り向いた武尊。
目が合った瞬間二人は固まった。
上半身裸の武尊。
しかも所々赤く汚れている。
そしてソファーの上には武尊の上着に血が付いたサラシと包帯が無造作に置かれている。
思わず反射的に武尊が、
「きゃ・・。」
と叫びそうになったのを張は慌ててダッシュして背後から手で武尊の口を塞いで言った。
「武尊、落ち着け!わいが悪かった!せやけど落ち着いてその悲鳴飲み込んでや!」
と張が必死で言った。
「あんたここでは【男】ちゅうことになっとんやろ、黄色い声を警視庁中に響かせたいんか!」
それに黄色い声なんかあげさせたのが【わい】ちゅう事が旦那に知れたら・・・殺されるかもしれへんっ!
と、張は己の危機を明確に感じた。
武尊の口を押えながら張は斎藤の姿を必死で探した。
武尊は急に扉が開いて、相手が斎藤さんじゃないのに気が動転して思わず悲鳴をあげそうになったが張のお陰で最初の一文字が口から出ただけで声を封じられた。
張の手袋が武尊の口を覆い塞ぐ。
そして背中の肌に感じる張の服。
一瞬気が動転したものの武尊は張の言葉に少し冷静になれて叫び声を飲みこんだ。
そして背中に当たっている張の服が自分の血で汚れるから手を離してと、首を上に向けて張の顔を見上げてそう言おうとしたが、手袋が喰いこんでいるため、
「ん~~んん~ん~~!。」
としか声が出ない。
張が、ん?と思って下を向き、武尊を見ると目が合って名がうんうんと頷いて、張も武尊がとりあえず大丈夫になったと手を離したと同時に、
「武尊に何をしている。」
と、声がした。
「うわっ、旦那!」
張が飛び上がって振り向くとそこには片方の手に新しい包帯とサラシ、もう片方に洗面器に濡れ手ぬぐいを持った斎藤の姿があった。
「張、扉を閉めろ。」
と斎藤は張に言うと自分は机の方へツカツカと歩き、
「武尊、こっちへ来い。」
と言った。
張は頭の中を真っ白にして斎藤に言われたまま、ドアを閉めた。
そしてその時に武尊が、
「張、ごめんね、服に血がつかなかった?」
と気遣いの声をかけた時、張は自分に対して斜めに振り返った武尊を見てしまった。
白い肌に薄桃色の乳首・・・。
ぶっ!!
と、張は興奮のあまり鼻血を出してしまい、慌てて自分の手で押さえながら顔を背けた。
「阿呆が。」
斎藤はそんな張に一言いろんな感情を込めて呟いた。
武尊は斎藤の噴き出た鼻血を見て、それが自分の姿の所為だと分かり、
「ばっ、馬鹿!」
と、慌てて張に背中を向けるが今度は張に怪我を見せつけるような形になってしまい、張は頭に登った血が一気に下がった。
「な、なんやねん、武尊、その傷は!」
と問いかけると、斎藤が間髪入れず、
「五月蝿い、黙ってそこを動くな。」
と言って張と武尊の間に自分を位置させ武尊の姿が張から隠れるようにした。
「○×△×▽・・。」
武尊の傷の酷さに驚いて口をパクパクとさせながら張はそれを声にすることが出来なかった。
ただ斎藤がする処置を自分の鼻を抑えながら見るしかなかった。
斎藤は硬く絞った濡れ手ぬぐいで傷口、それから血で汚れた背を拭いてやった。
そしてそれをひっくり返して武尊に渡すと、
「前は自分で拭け。」
と、言って武尊が前側を拭いている間にポケットから出した軟膏を傷に塗った。
「ひっ!」
思わず武尊がその感触に肩をすくめると、
「動くな阿呆、化膿止めだ。」
と、斎藤が説明した。
「斎藤さん、いつもこんなもの持ってるの?」
「いつもじゃないが俺もかすり傷ぐらいはたまにするんでな・・・これがあれば医者なんかわざわざ行かなくても塗っとけば治る。」
と、斎藤は先日薬屋に行ったついでにたまたま購入した軟膏がポケットに入っていたのを塗りながら言った。
「ちゃんと医者に行ってくださいよ・・もぅ・・・・・だああ!」
と、武尊が叫び声をあげた。
「痛たたっ!斎藤さんなにするんですか~。」
「それだけ傷が開いているということだ、阿呆。」
斎藤は塗り終わるとさっさと包帯を巻き、サラシを巻いてやり、
「終わったぞ。」
と、最後に武尊の髪をちょっと強めにくしゃくしゃっとして煙草に火を点けた。
「ありがと、斎藤さん。」
武尊は斎藤に礼をすると、脱ぎっぱなしの汚れた包帯やらをたたむためソファーの所へ行った。
ソファーには張が鼻に紙を突っ込んで鼻血を止めていた。
そばに来た武尊の包帯とサラシ姿に張はちょっと興奮し、止まった鼻血がつつーとまた流れでそうになって慌てて鼻をつまみながら、
「どないしたんや、武尊、いつからや、それ。」
と、武尊に聞いた。
「え・・・・。」
「『え?』やないわ、誰にやられたんや、ゆうとるんや。」
「え・・・、えええとぉ・・・・。」
武尊は返答に困った。
まさか本当の事をいう訳にはいかないし、十六夜丸の事も伏せておきたかった。
かと言って他に適当な理由なんて考えてなかったし、適当な事を言っても張にはすぐ嘘だとばれちゃうし・・・。
武尊は包帯をたたみながら、ちらっと張の顔を見るといつも二枚目半の張の顔もこんな時に限っておおまじだし・・・・。
と、武尊は困って、煙草を吸ってる斎藤の方を見た。
(斎藤さん・・・どうしよう・・・。)
と、助け舟を出してとばかりに武尊は斎藤に視線を送った。
二人のやりとりを見ていた斎藤はやれやれと思いながら、口を開いた。
「・・・俺だ。俺がやった。何か文句があるか、張。」
「だ、旦那が?!どういうことやねん!」
と、斎藤の意外な言葉を聞いて張は驚くも驚いた。
「武尊は刀を持った相手との戦闘が不得手だ。そんな理由で闘い方を指南していた時のちょっとした事故だ。」
「あないな酷い傷がちょっとした事故やっちゅうんか!」
と、張は斎藤に食って掛かったが、
「張、私が悪いんだ。びびって背を向けたのが悪かったの。」
と、武尊に言われてむむむ~と張は唸った。
武尊を見ると武尊はえへへっと笑っている。
これには張も
(どんだけ武尊は斎藤の事が好きなんや、二人で口裏合わせしよってからに。)
と思いつつも呆れながら、
「笑い事ちゃうやろ武尊。いくら相手が旦那ちゅうても人良すぎや。まあ旦那が責任とって武尊をもろうてくれるんならええけどな。」
と言った。
当然張はこの後武尊の照れ笑いがあって、そんな武尊と斎藤を冷やかしてやろうと思っていたのだが、その後に訪れたのは二人の沈黙であった。
と、張は手に持った小田原名物の蒲鉾をぶらぶらさせながら警視庁へ戻って来た。
伊藤卿を脅したつもりが口先で完全に負けた。
剣技で負けても悔しいが関西人が得意の口先で負けたとあって、かなりプライドが傷ついている張であったがそれよりも斎藤へ報告する時にどれだけ嫌味が降りかかって来るかと思えば気分は落ち込む。
それに武尊にもいい恰好がしたかった張としてはがっくりと肩を落として階段を上がった。
「帰りましたよ、旦那。」
と言いながら斎藤の部屋のドアを開けた張。
てっきり斎藤が戻って来たとドアの方を振り向いた武尊。
目が合った瞬間二人は固まった。
上半身裸の武尊。
しかも所々赤く汚れている。
そしてソファーの上には武尊の上着に血が付いたサラシと包帯が無造作に置かれている。
思わず反射的に武尊が、
「きゃ・・。」
と叫びそうになったのを張は慌ててダッシュして背後から手で武尊の口を塞いで言った。
「武尊、落ち着け!わいが悪かった!せやけど落ち着いてその悲鳴飲み込んでや!」
と張が必死で言った。
「あんたここでは【男】ちゅうことになっとんやろ、黄色い声を警視庁中に響かせたいんか!」
それに黄色い声なんかあげさせたのが【わい】ちゅう事が旦那に知れたら・・・殺されるかもしれへんっ!
と、張は己の危機を明確に感じた。
武尊の口を押えながら張は斎藤の姿を必死で探した。
武尊は急に扉が開いて、相手が斎藤さんじゃないのに気が動転して思わず悲鳴をあげそうになったが張のお陰で最初の一文字が口から出ただけで声を封じられた。
張の手袋が武尊の口を覆い塞ぐ。
そして背中の肌に感じる張の服。
一瞬気が動転したものの武尊は張の言葉に少し冷静になれて叫び声を飲みこんだ。
そして背中に当たっている張の服が自分の血で汚れるから手を離してと、首を上に向けて張の顔を見上げてそう言おうとしたが、手袋が喰いこんでいるため、
「ん~~んん~ん~~!。」
としか声が出ない。
張が、ん?と思って下を向き、武尊を見ると目が合って名がうんうんと頷いて、張も武尊がとりあえず大丈夫になったと手を離したと同時に、
「武尊に何をしている。」
と、声がした。
「うわっ、旦那!」
張が飛び上がって振り向くとそこには片方の手に新しい包帯とサラシ、もう片方に洗面器に濡れ手ぬぐいを持った斎藤の姿があった。
「張、扉を閉めろ。」
と斎藤は張に言うと自分は机の方へツカツカと歩き、
「武尊、こっちへ来い。」
と言った。
張は頭の中を真っ白にして斎藤に言われたまま、ドアを閉めた。
そしてその時に武尊が、
「張、ごめんね、服に血がつかなかった?」
と気遣いの声をかけた時、張は自分に対して斜めに振り返った武尊を見てしまった。
白い肌に薄桃色の乳首・・・。
ぶっ!!
と、張は興奮のあまり鼻血を出してしまい、慌てて自分の手で押さえながら顔を背けた。
「阿呆が。」
斎藤はそんな張に一言いろんな感情を込めて呟いた。
武尊は斎藤の噴き出た鼻血を見て、それが自分の姿の所為だと分かり、
「ばっ、馬鹿!」
と、慌てて張に背中を向けるが今度は張に怪我を見せつけるような形になってしまい、張は頭に登った血が一気に下がった。
「な、なんやねん、武尊、その傷は!」
と問いかけると、斎藤が間髪入れず、
「五月蝿い、黙ってそこを動くな。」
と言って張と武尊の間に自分を位置させ武尊の姿が張から隠れるようにした。
「○×△×▽・・。」
武尊の傷の酷さに驚いて口をパクパクとさせながら張はそれを声にすることが出来なかった。
ただ斎藤がする処置を自分の鼻を抑えながら見るしかなかった。
斎藤は硬く絞った濡れ手ぬぐいで傷口、それから血で汚れた背を拭いてやった。
そしてそれをひっくり返して武尊に渡すと、
「前は自分で拭け。」
と、言って武尊が前側を拭いている間にポケットから出した軟膏を傷に塗った。
「ひっ!」
思わず武尊がその感触に肩をすくめると、
「動くな阿呆、化膿止めだ。」
と、斎藤が説明した。
「斎藤さん、いつもこんなもの持ってるの?」
「いつもじゃないが俺もかすり傷ぐらいはたまにするんでな・・・これがあれば医者なんかわざわざ行かなくても塗っとけば治る。」
と、斎藤は先日薬屋に行ったついでにたまたま購入した軟膏がポケットに入っていたのを塗りながら言った。
「ちゃんと医者に行ってくださいよ・・もぅ・・・・・だああ!」
と、武尊が叫び声をあげた。
「痛たたっ!斎藤さんなにするんですか~。」
「それだけ傷が開いているということだ、阿呆。」
斎藤は塗り終わるとさっさと包帯を巻き、サラシを巻いてやり、
「終わったぞ。」
と、最後に武尊の髪をちょっと強めにくしゃくしゃっとして煙草に火を点けた。
「ありがと、斎藤さん。」
武尊は斎藤に礼をすると、脱ぎっぱなしの汚れた包帯やらをたたむためソファーの所へ行った。
ソファーには張が鼻に紙を突っ込んで鼻血を止めていた。
そばに来た武尊の包帯とサラシ姿に張はちょっと興奮し、止まった鼻血がつつーとまた流れでそうになって慌てて鼻をつまみながら、
「どないしたんや、武尊、いつからや、それ。」
と、武尊に聞いた。
「え・・・・。」
「『え?』やないわ、誰にやられたんや、ゆうとるんや。」
「え・・・、えええとぉ・・・・。」
武尊は返答に困った。
まさか本当の事をいう訳にはいかないし、十六夜丸の事も伏せておきたかった。
かと言って他に適当な理由なんて考えてなかったし、適当な事を言っても張にはすぐ嘘だとばれちゃうし・・・。
武尊は包帯をたたみながら、ちらっと張の顔を見るといつも二枚目半の張の顔もこんな時に限っておおまじだし・・・・。
と、武尊は困って、煙草を吸ってる斎藤の方を見た。
(斎藤さん・・・どうしよう・・・。)
と、助け舟を出してとばかりに武尊は斎藤に視線を送った。
二人のやりとりを見ていた斎藤はやれやれと思いながら、口を開いた。
「・・・俺だ。俺がやった。何か文句があるか、張。」
「だ、旦那が?!どういうことやねん!」
と、斎藤の意外な言葉を聞いて張は驚くも驚いた。
「武尊は刀を持った相手との戦闘が不得手だ。そんな理由で闘い方を指南していた時のちょっとした事故だ。」
「あないな酷い傷がちょっとした事故やっちゅうんか!」
と、張は斎藤に食って掛かったが、
「張、私が悪いんだ。びびって背を向けたのが悪かったの。」
と、武尊に言われてむむむ~と張は唸った。
武尊を見ると武尊はえへへっと笑っている。
これには張も
(どんだけ武尊は斎藤の事が好きなんや、二人で口裏合わせしよってからに。)
と思いつつも呆れながら、
「笑い事ちゃうやろ武尊。いくら相手が旦那ちゅうても人良すぎや。まあ旦那が責任とって武尊をもろうてくれるんならええけどな。」
と言った。
当然張はこの後武尊の照れ笑いがあって、そんな武尊と斎藤を冷やかしてやろうと思っていたのだが、その後に訪れたのは二人の沈黙であった。