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126.鶏の捕獲に奮闘す! (夢主・斎藤・張)
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蒼紫は自分も用事があるというので途中まで送ってもらってから別れた。
武尊は蒼紫に教えてもらった通りの近道を通り、迷わない所まで来た。
(後はこの道を真っ直ぐ・・・。)
と、思っていた時、
「ちょっとそこの兄ちゃんや~。」
と、道端の畑の向こうからおばあさんから大声を出していた。
「・・・私?ですか?」
武尊は自分の周りをきょろきょろ見るがおばあさんの視線の先はどうも自分らしい。
「あんたしかおらんじゃろ~ちょっとこっちさ来てけろ~。」
なんで私?と、一瞬思った武尊だったが、そういえば自分は今は一応警官の身分。
何か事件だったら顔は出さないといけないよね、っとおばあさんの方へ行ってみるとそのまま手を引っ張られ母屋の裏へ連れて行かれた。
「鶏が逃げたんでの、ほれ、見てみ、あそこじゃ。」
と言うので武尊が見てみると裏の畑で鶏が元気よく餌を突いていた。
「放し飼い・・・じゃないんですか?」
「馬鹿言うでねェ、今朝儂が卵を取った後、ちょ~っと鍵を閉め忘れた隙にみんな出てしもうた。丁度困っとったとこでの、さ、早いとこ捕まえてくれ。」
「えっ・・・若しかしてあれ全部ですか?」
「もちろん全部じゃとも、あんた警官じゃろ。困っとる人を助けるのが警官じゃないんかいの。」
「え、ええ・・・そうですが・・。」
と、武尊は作り笑顔でははは・・・と笑った。
「じゃ、頼んだで。」
と、言うとおばあさんはくるっと後ろを向いて歩き出した。
「ま、待ってください!」
「なんじゃ、ババの手伝いなんかは嫌じゃと申すか。」
「いえ、・・そうじゃなくて・・全部で何匹かなって。」
「あ?鶏は匹じゃなくて羽じゃろうが。十羽じゃよ、ほれ、小屋はあれじゃ。」
と、おばあさんは指をさすとさっさと行ってしまった。
「・・・・・やるしか・・・ないんだよね、この場合。」
茫然と立ち尽くしている場合ではないと武尊は鶏の方へ近づいた。
(鶏なんて捕まえたことないぞ・・。)
と思っているうちに鶏との距離が近づき草をついばんでいた鶏たちが武尊に気が付いて首をあげた。
武尊と一羽の鶏の目が合った。
「で・・・出来る・・。鶏のくせに・・。」
まるで斎藤さんと格闘の稽古をした時のようは緊迫感だ・・・と武尊は感じた。
「十匹か・・・。じゃあ行くよ!」
と、武尊は勝負を仕掛けた。
「と、いう事か。なるほどな、泥んこ遊びは楽しかったか?」
一応払って来たけど泥が乾いて白くなった制服をじ~~っと見ながら斎藤はクククと笑いながら言った。
「楽しいわけないじゃないですか。もう大変だったんだから!しかも十匹も!あ~、この白くなった泥、帰ってから雑巾で拭いたらとれるかなぁ・・・。」
と、ぶつぶつ言った後に、
「もう今日は疲れた~~~!」
と叫んで武尊はソファーに沈んだ。
夕方前に斎藤の所へ戻って来た武尊のズボンや制服のあちらこちらが白くなっているから何をしてきたかとまずそれを斎藤は聞いたのだったが、今日の武尊のメインイベントは鶏を捕まえる事ではなく、神谷道場へ行った事。
(手ぶらで帰って来たあたり、時尾の持たせた重箱は置いて来たのか?)
と、斎藤は思った。
(また後日にでも取りにでも行くつもりなのか?・・面倒臭い事を・・。)
と、思いつつ、
「で、抜刀斎の方はどうだったんだ。」
と、聞いた。
「・・・神谷道場はちゃんと行きましたよ。」
武尊はもたれかかっていた身体をちゃんと起こして斎藤の方を向いて答えた。
「でもやっぱり抜刀斎さん十六夜丸の事知ってたみたいで・・・私、どこが玄関だかわからなくって庭へ回った所で抜刀斎さんと会ったんですけどものすごく警戒されちゃった。」
と、武尊はそこまで行って斎藤の眼を見てタメイキをついた。
「それからどうした。」
「まあ、なんとなくそういう雰囲気だったので手土産だけおいてきました。重箱も回収しにいかないといけないので日を改めて行って来ます。」
「で、成果は?」
「道場の皆さんの顔は覚えました。」
「・・それは成果のうちに入らん、阿呆。」
「すみません、でも私が十六夜丸だって証明するのは逆に難しいと思って。薬の事は斎藤さんと四乃森さんだけの秘密にして欲しい。・・・・私・・あそこの人達苦手かも・・。」
と、武尊は沈んだ声でそう言ってため息をついた。
斎藤は剣心組と仲良くならなかったことを嬉しく思い、というものの気落ちしている武尊を慰めてやろうと、
「昼食ってないだろ、行くぞ。」
と言った。
「え?行くって何処へ?」
「もちろんおやじ(蕎麦屋)の所だが不服か。」
「いえ、行きます!(食べれるんなら何でも!)」
と、武尊はソファーから立ち上がった。
斎藤は立ち上がり武尊の傍へ来た時、武尊の背中にぼんやりだが大きな滲みが出来ている事に気が付いた。
「何だそれは。」
「え?何って?」
武尊は斎藤の視線を追ってみるが当然自分の背中なんて見えない。
斎藤は即座のその滲みが血である事を見抜き、
「脱げ。」
と武尊に言った。
「な、いきなりなんですか!」
武尊は斎藤の言葉に面食らって目を大きくして聞き返した。
「別に昼間っから発情してるわけじゃないぞ。いいから上着脱いで背中見せろ。」
「はっ・・発情だなんて誰もそんな事思ってませんよ!」
武尊は瞬時に顔を赤くした。
「そ、それに若しかしたら鶏捕まえるのに散々動き回ったから傷が開いちゃったのかもしれませんけど、大した事ないですよ。だからお蕎麦行きましょ。」
武尊は左之助に一発喰らって背中を壁に強打してから背中に痛みをずっと抱えていた。
でもそれは昨日、一昨日の痛みに比べればずっと我慢できるものだったし、何にせよ斎藤に傷口が開いているなんて知れたら怒られると思って蕎麦屋へ行く事を促した。
斎藤は武尊の背後に回りこむと武尊の肩を抑えてかがみ込み、武尊の背中を臭った。
「血の臭いだ。」
「だから鶏ですって・・。」
んー、と上目使いで斎藤を見るがどうやら斎藤はそれでは済ませてくれないらしい。
「自分で脱ぐか?脱がされたいか?」
と聞かれ、
「分かりましたよー!」
と、観念して上着を脱いだ。
散々鶏と格闘して大汗をかいて、だからサラシが冷えて冷たいんだと思っていた武尊のサラシは前は血と汗が滲んでピンクに、背中は真っ赤に染まっていた。
脇下まで赤くなったさらしを見て武尊自身が驚いた。
「わっ、何これ!」
「随分派手だな。」
と、斎藤の眼が冷たい。
「いやっ、斎藤さん、だから鶏ですって!眼、怖いです!」
「当たり前だ!折角くっつきかけてたってのに・・・見せてみろ。」
「いや、それほど痛くないですから大丈夫ですって!!」
「大丈夫かどうかは俺が見て決めることだ。それとも見られてはまずい事でもあるのか?」
じろっと斎藤に見られ、武尊は諦めた。
こうなったら遅かれ早かれ抵抗したって何したって結局見られるはめになる事は明らかだからだ。
「冷たい包帯で巻き直すの嫌だ・・・。」
と、武尊がそれだけ言うと、斎藤は、
「誰が汚れた包帯で巻きなおすか。替えの包帯を持って来てやる。それまでにその滲みたもの全部取って待ってろ。」
と、斎藤は部屋を出て行った。
武尊は蒼紫に教えてもらった通りの近道を通り、迷わない所まで来た。
(後はこの道を真っ直ぐ・・・。)
と、思っていた時、
「ちょっとそこの兄ちゃんや~。」
と、道端の畑の向こうからおばあさんから大声を出していた。
「・・・私?ですか?」
武尊は自分の周りをきょろきょろ見るがおばあさんの視線の先はどうも自分らしい。
「あんたしかおらんじゃろ~ちょっとこっちさ来てけろ~。」
なんで私?と、一瞬思った武尊だったが、そういえば自分は今は一応警官の身分。
何か事件だったら顔は出さないといけないよね、っとおばあさんの方へ行ってみるとそのまま手を引っ張られ母屋の裏へ連れて行かれた。
「鶏が逃げたんでの、ほれ、見てみ、あそこじゃ。」
と言うので武尊が見てみると裏の畑で鶏が元気よく餌を突いていた。
「放し飼い・・・じゃないんですか?」
「馬鹿言うでねェ、今朝儂が卵を取った後、ちょ~っと鍵を閉め忘れた隙にみんな出てしもうた。丁度困っとったとこでの、さ、早いとこ捕まえてくれ。」
「えっ・・・若しかしてあれ全部ですか?」
「もちろん全部じゃとも、あんた警官じゃろ。困っとる人を助けるのが警官じゃないんかいの。」
「え、ええ・・・そうですが・・。」
と、武尊は作り笑顔でははは・・・と笑った。
「じゃ、頼んだで。」
と、言うとおばあさんはくるっと後ろを向いて歩き出した。
「ま、待ってください!」
「なんじゃ、ババの手伝いなんかは嫌じゃと申すか。」
「いえ、・・そうじゃなくて・・全部で何匹かなって。」
「あ?鶏は匹じゃなくて羽じゃろうが。十羽じゃよ、ほれ、小屋はあれじゃ。」
と、おばあさんは指をさすとさっさと行ってしまった。
「・・・・・やるしか・・・ないんだよね、この場合。」
茫然と立ち尽くしている場合ではないと武尊は鶏の方へ近づいた。
(鶏なんて捕まえたことないぞ・・。)
と思っているうちに鶏との距離が近づき草をついばんでいた鶏たちが武尊に気が付いて首をあげた。
武尊と一羽の鶏の目が合った。
「で・・・出来る・・。鶏のくせに・・。」
まるで斎藤さんと格闘の稽古をした時のようは緊迫感だ・・・と武尊は感じた。
「十匹か・・・。じゃあ行くよ!」
と、武尊は勝負を仕掛けた。
「と、いう事か。なるほどな、泥んこ遊びは楽しかったか?」
一応払って来たけど泥が乾いて白くなった制服をじ~~っと見ながら斎藤はクククと笑いながら言った。
「楽しいわけないじゃないですか。もう大変だったんだから!しかも十匹も!あ~、この白くなった泥、帰ってから雑巾で拭いたらとれるかなぁ・・・。」
と、ぶつぶつ言った後に、
「もう今日は疲れた~~~!」
と叫んで武尊はソファーに沈んだ。
夕方前に斎藤の所へ戻って来た武尊のズボンや制服のあちらこちらが白くなっているから何をしてきたかとまずそれを斎藤は聞いたのだったが、今日の武尊のメインイベントは鶏を捕まえる事ではなく、神谷道場へ行った事。
(手ぶらで帰って来たあたり、時尾の持たせた重箱は置いて来たのか?)
と、斎藤は思った。
(また後日にでも取りにでも行くつもりなのか?・・面倒臭い事を・・。)
と、思いつつ、
「で、抜刀斎の方はどうだったんだ。」
と、聞いた。
「・・・神谷道場はちゃんと行きましたよ。」
武尊はもたれかかっていた身体をちゃんと起こして斎藤の方を向いて答えた。
「でもやっぱり抜刀斎さん十六夜丸の事知ってたみたいで・・・私、どこが玄関だかわからなくって庭へ回った所で抜刀斎さんと会ったんですけどものすごく警戒されちゃった。」
と、武尊はそこまで行って斎藤の眼を見てタメイキをついた。
「それからどうした。」
「まあ、なんとなくそういう雰囲気だったので手土産だけおいてきました。重箱も回収しにいかないといけないので日を改めて行って来ます。」
「で、成果は?」
「道場の皆さんの顔は覚えました。」
「・・それは成果のうちに入らん、阿呆。」
「すみません、でも私が十六夜丸だって証明するのは逆に難しいと思って。薬の事は斎藤さんと四乃森さんだけの秘密にして欲しい。・・・・私・・あそこの人達苦手かも・・。」
と、武尊は沈んだ声でそう言ってため息をついた。
斎藤は剣心組と仲良くならなかったことを嬉しく思い、というものの気落ちしている武尊を慰めてやろうと、
「昼食ってないだろ、行くぞ。」
と言った。
「え?行くって何処へ?」
「もちろんおやじ(蕎麦屋)の所だが不服か。」
「いえ、行きます!(食べれるんなら何でも!)」
と、武尊はソファーから立ち上がった。
斎藤は立ち上がり武尊の傍へ来た時、武尊の背中にぼんやりだが大きな滲みが出来ている事に気が付いた。
「何だそれは。」
「え?何って?」
武尊は斎藤の視線を追ってみるが当然自分の背中なんて見えない。
斎藤は即座のその滲みが血である事を見抜き、
「脱げ。」
と武尊に言った。
「な、いきなりなんですか!」
武尊は斎藤の言葉に面食らって目を大きくして聞き返した。
「別に昼間っから発情してるわけじゃないぞ。いいから上着脱いで背中見せろ。」
「はっ・・発情だなんて誰もそんな事思ってませんよ!」
武尊は瞬時に顔を赤くした。
「そ、それに若しかしたら鶏捕まえるのに散々動き回ったから傷が開いちゃったのかもしれませんけど、大した事ないですよ。だからお蕎麦行きましょ。」
武尊は左之助に一発喰らって背中を壁に強打してから背中に痛みをずっと抱えていた。
でもそれは昨日、一昨日の痛みに比べればずっと我慢できるものだったし、何にせよ斎藤に傷口が開いているなんて知れたら怒られると思って蕎麦屋へ行く事を促した。
斎藤は武尊の背後に回りこむと武尊の肩を抑えてかがみ込み、武尊の背中を臭った。
「血の臭いだ。」
「だから鶏ですって・・。」
んー、と上目使いで斎藤を見るがどうやら斎藤はそれでは済ませてくれないらしい。
「自分で脱ぐか?脱がされたいか?」
と聞かれ、
「分かりましたよー!」
と、観念して上着を脱いだ。
散々鶏と格闘して大汗をかいて、だからサラシが冷えて冷たいんだと思っていた武尊のサラシは前は血と汗が滲んでピンクに、背中は真っ赤に染まっていた。
脇下まで赤くなったさらしを見て武尊自身が驚いた。
「わっ、何これ!」
「随分派手だな。」
と、斎藤の眼が冷たい。
「いやっ、斎藤さん、だから鶏ですって!眼、怖いです!」
「当たり前だ!折角くっつきかけてたってのに・・・見せてみろ。」
「いや、それほど痛くないですから大丈夫ですって!!」
「大丈夫かどうかは俺が見て決めることだ。それとも見られてはまずい事でもあるのか?」
じろっと斎藤に見られ、武尊は諦めた。
こうなったら遅かれ早かれ抵抗したって何したって結局見られるはめになる事は明らかだからだ。
「冷たい包帯で巻き直すの嫌だ・・・。」
と、武尊がそれだけ言うと、斎藤は、
「誰が汚れた包帯で巻きなおすか。替えの包帯を持って来てやる。それまでにその滲みたもの全部取って待ってろ。」
と、斎藤は部屋を出て行った。