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125.あんパン (蒼紫・夢主)
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あんパンを口にしながら武尊は蒼紫に聞いてみた。
「ねぇ、蒼紫。蒼紫は赤報隊って知ってる?」
「相楽左之助のことか。」
「うん。」
「そうだな。話しておいた方がいいな。」
蒼紫は操に話たより少し詳しく、且つ簡単に武尊に説明した。
「幕末、倒幕の気運が武士以外の身分にも広がった時、各藩が抱える武士で構成される部隊とは別に下級武士から農民を含めた集団が日本各地に出来ていた。それを草莽隊 という。赤報隊も草莽隊の一つで相楽総三を隊長とし反幕府軍として活動していたのだが、最後は”偽官軍”と新政府軍に烙印を押され、一番隊の相楽以下数名の者が処刑された。相楽左之助の怒り様からするとあいつは恐らくその赤報隊の生き残りだろう。」
「”偽官軍”ってどういう意味?反幕府軍だったら”官軍”じゃないの?」
「赤報隊の構成員は貧しい農村の者が多い。新時代になった暮らしが楽になる事を信じ隊に入った者も多かった。又、そういった層から支持を得るために新政府軍の許可なく『新時代が来れば年貢が半分になる』ということを広めていったのだがそれが新政府軍は気に入らなかったのだろう。働かせるだけ働かせて用済みになれば容赦なく切り捨てる・・。」
「それが今の新政府か。」
「嗚呼。」
武尊の言葉遣いから武尊が新政府に対し良い感情を持っていないことを蒼紫は察したがそれは自分も同じ。
「で、その隊長を十六夜丸が殺ったとか・・。」
「いや、それはない。」
蒼紫のすっぱりした返答に武尊は驚いた。今の話の流れからいくとてっきり自分(十六夜丸)が殺ったとばかり思ったからだ。
「どうしてそう言えるの?」
「何故なら赤報隊の処刑は下諏訪で行われたからだ。」
(下諏訪ってどこ!?)
武尊の顔を見て蒼紫は武尊が下諏訪が何処にあるかをしらないと察した。
「下諏訪は中山道の・・」
と言いかけて今度は『中山道ってどこ?』という顔をしていたので、
「つまり、江戸から一日で往復するのは難しいという所だ。」
と、説明すると武尊の顔が『分かった!』に変わった。
「蒼紫って凄いね・・どうして私が思ったことが分かるの?」
と言われたが
「顔を見ればそれくらい分かる。」
と言ったものの、武尊から凄いと言われて少し舞い上がった蒼紫だった。
「そっか・・じゃあ今回私は無関係でいられるのかな・・。」
武尊が少しホッとすると蒼紫は、
「いや、それはまだ断定できない。何故なら薩摩藩の指示で赤報隊は江戸でも強盗や工作行為をしていたと言われている。出会っていてもおかしくない。」
「そっか・・じゃあ分からないってことだよね。殴られる理由はあるってことだ。」
「緋村や他の者は武尊が十六夜丸かどうかまだ分かっていない。真実を知らないと結果は出ないんだろうな。」
「え、蒼紫、私が十六夜丸だって緋村さんに言ってないの?!」
「聞かれたが、『武尊に聞け』と言っておいた。俺の勝手で言う訳にもいくまい。」
武尊は蒼紫の言葉に驚きつつも、
「ありがとう、蒼紫。・・そうだよね、自分で言わないとね。でも伝え方は少し考えるよ・・。」
と言い最後のあんパンを口に入れた。
「美味しかったよ、蒼紫。ありがとう。どこで買ったの?あんパン。」
「昨晩神谷薫がお土産だと皆に渡していたのでもらっておいた。買ったのはおそらく横浜あたりだろう。武尊にやろうと思ってな。」
わざわざ私の為にもらってくれたんだ、と思うと武尊は本当に嬉しくてもう一度、
「ありがとう。」
と蒼紫にお礼を言ったのだった。
「ねぇ、蒼紫。蒼紫は赤報隊って知ってる?」
「相楽左之助のことか。」
「うん。」
「そうだな。話しておいた方がいいな。」
蒼紫は操に話たより少し詳しく、且つ簡単に武尊に説明した。
「幕末、倒幕の気運が武士以外の身分にも広がった時、各藩が抱える武士で構成される部隊とは別に下級武士から農民を含めた集団が日本各地に出来ていた。それを
「”偽官軍”ってどういう意味?反幕府軍だったら”官軍”じゃないの?」
「赤報隊の構成員は貧しい農村の者が多い。新時代になった暮らしが楽になる事を信じ隊に入った者も多かった。又、そういった層から支持を得るために新政府軍の許可なく『新時代が来れば年貢が半分になる』ということを広めていったのだがそれが新政府軍は気に入らなかったのだろう。働かせるだけ働かせて用済みになれば容赦なく切り捨てる・・。」
「それが今の新政府か。」
「嗚呼。」
武尊の言葉遣いから武尊が新政府に対し良い感情を持っていないことを蒼紫は察したがそれは自分も同じ。
「で、その隊長を十六夜丸が殺ったとか・・。」
「いや、それはない。」
蒼紫のすっぱりした返答に武尊は驚いた。今の話の流れからいくとてっきり自分(十六夜丸)が殺ったとばかり思ったからだ。
「どうしてそう言えるの?」
「何故なら赤報隊の処刑は下諏訪で行われたからだ。」
(下諏訪ってどこ!?)
武尊の顔を見て蒼紫は武尊が下諏訪が何処にあるかをしらないと察した。
「下諏訪は中山道の・・」
と言いかけて今度は『中山道ってどこ?』という顔をしていたので、
「つまり、江戸から一日で往復するのは難しいという所だ。」
と、説明すると武尊の顔が『分かった!』に変わった。
「蒼紫って凄いね・・どうして私が思ったことが分かるの?」
と言われたが
「顔を見ればそれくらい分かる。」
と言ったものの、武尊から凄いと言われて少し舞い上がった蒼紫だった。
「そっか・・じゃあ今回私は無関係でいられるのかな・・。」
武尊が少しホッとすると蒼紫は、
「いや、それはまだ断定できない。何故なら薩摩藩の指示で赤報隊は江戸でも強盗や工作行為をしていたと言われている。出会っていてもおかしくない。」
「そっか・・じゃあ分からないってことだよね。殴られる理由はあるってことだ。」
「緋村や他の者は武尊が十六夜丸かどうかまだ分かっていない。真実を知らないと結果は出ないんだろうな。」
「え、蒼紫、私が十六夜丸だって緋村さんに言ってないの?!」
「聞かれたが、『武尊に聞け』と言っておいた。俺の勝手で言う訳にもいくまい。」
武尊は蒼紫の言葉に驚きつつも、
「ありがとう、蒼紫。・・そうだよね、自分で言わないとね。でも伝え方は少し考えるよ・・。」
と言い最後のあんパンを口に入れた。
「美味しかったよ、蒼紫。ありがとう。どこで買ったの?あんパン。」
「昨晩神谷薫がお土産だと皆に渡していたのでもらっておいた。買ったのはおそらく横浜あたりだろう。武尊にやろうと思ってな。」
わざわざ私の為にもらってくれたんだ、と思うと武尊は本当に嬉しくてもう一度、
「ありがとう。」
と蒼紫にお礼を言ったのだった。