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160.空はいつまでも蒼く (斎藤・夢主)
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武尊は斎藤が持って来た風呂敷(中身は京都から着てきた服と着替え)をほどいた。
斎藤も着替えながら武尊の背後から声をかける。
「そっちにするのか?今日までは一応警官の身分なんだぞ。」
昨晩斎藤から制服を横浜署で返納してもいいようにしてあると言われていた武尊は、
「上司がいないのに警察の仕事なんてしませんよ。私、一応密偵だから状況によっては私服でもいいんでしょ。それに最初に言ったとおり一以外の命令は聴かないんだから。港に行く途中で横浜署に寄って返してきます。」
と、言いながら着物の袖に腕を通した。
先に着替え終わった斎藤がまじまじと武尊を見ているのに武尊は気が付いた。
「なっ・・何!?何か変!?」
武尊は久しく着た着物が何か変かと慌てて自分を見た。
「変じゃない。」
「え?・・じゃあなあに?」
「女の着物を着せてみたいと思っただけだ。斎藤一の【妻】としてな。」
「・・・・・・。」
斎藤の言葉にぐっと胸が熱くなりつつも、それは・・・と、武尊が言葉に出せぬ言葉に詰まっていると、
「ちょっと焼いているだけだ。この先いつか武尊が違う男に女物の着物を着させられると思うとな。」
と、言って斎藤は眉間に深々と皺を入れた。
「俺はこの先武尊が他の男と一緒になったとしてもそれは仕方がないと前にも言ったが。」
「一・・。」
「だが、俺以下の男は許さん。例えば四乃森とか(四乃森とか、四乃森とか、四乃森とか・・。(延々以下略)」
「それはないって言ったでしょ。も~。」
武尊はそれでも焼いてくれているんだと思うと斎藤が可愛く思えた。
武尊が噴き出しそうな顔をしていると、煙草をポケットから出して、
「俺が認めた男は土方副長だけだ!それ以下は認めん!」
と、スパスパと火をつけた。
武尊は思いもしない斎藤の姿に目を丸くしながらも腕を組んで考えた。、
「比べる相手が副長だなんて・・・。(なんで副長!)。」
と武尊が言うと斎藤は、
「万が一、他の男に寄り添えなくても三途の川は俺が背負って渡る、案ずるな。」
と言った。
武尊は三途の川の話は一夜の夢物語かと思っていたので思わず目を見開いて斎藤を見た。
「ちゃんと待ってろよ。・・いや、俺が待っている・・・か。歳から言うと俺の方が先に逝ってるからな。なに・・あの世ではどんなに歳を取って死んだとしても若い姿で逝けるらしいからな、心配するな。」
と、念を押すようにピッと煙草を武尊に向けた。
「一・・・。」
武尊が斎藤の言葉に感無量で言葉を詰まらせた。
その途端に武尊のお腹がぐぅうう~となった。
武尊は顔を真っ赤にして慌て、斎藤は目を点にした後ククククと笑った。
そして、
「相変わらず正直な腹の虫だな。さて・・・そろそろ行くか・・・。嫁をこれ以上空腹にさせておくわけにいかないからな。」
と言い、カバンに手をかけた。
>>>紡ぐ糸【明治編・下巻(東京・会津編)】それぞれの道 に続く
余談雑談:
紡ぐ糸【明治編・中の四巻(東京)】最後までお読みくださいましてありがとうございました。
夢主の言葉の、
「昔も今も、いつまでも空は蒼く続いている・・・。」
これがこのHPのタイトルを決めた話です。
ようやくここに辿り着きました。
本当は斎藤さんが夢主を抱きしめているイラストが欲しかったのですが・・ボツになりました・・・。
その代りどうしても夢主の笑顔が描きたくて部屋の構図は超適当で描いてみました。
(変な所は目をつぶってください。)
これで物語は内容的には半分の所まで来ました。
次回はやっぱり今回に書ききれなかった別れのシーンを書いて、残りは余談と次章へ続く布石を書く事になるかと思います。
(歴史プチメモ)
電話機の発明は1876年(明治9年)、アレクサンダー・グラハム・ベルによってされました。
翌年(明治10年)にアメリカ合衆国から初めて電話を日本に2台輸出されました。
明治11年は日本製のベル式電話機1号機が完成・・・ということで街中のどこにも電話はありませんでした。
東京ー横浜でようやく電話サービスが始まったのが1890年(明治23年)です。
戦後、ジブリのトト○のアニメでも呼び出し電話でした。
どこの家にも黒電話がある・・そんな時代にやっとなったのが1970年代になってから。
通信機器に関しては本当、昔から考えたら夢のような世界ですよね。
そんな時代の申し子の夢主は明治でため息つきまくりでした。
斎藤も着替えながら武尊の背後から声をかける。
「そっちにするのか?今日までは一応警官の身分なんだぞ。」
昨晩斎藤から制服を横浜署で返納してもいいようにしてあると言われていた武尊は、
「上司がいないのに警察の仕事なんてしませんよ。私、一応密偵だから状況によっては私服でもいいんでしょ。それに最初に言ったとおり一以外の命令は聴かないんだから。港に行く途中で横浜署に寄って返してきます。」
と、言いながら着物の袖に腕を通した。
先に着替え終わった斎藤がまじまじと武尊を見ているのに武尊は気が付いた。
「なっ・・何!?何か変!?」
武尊は久しく着た着物が何か変かと慌てて自分を見た。
「変じゃない。」
「え?・・じゃあなあに?」
「女の着物を着せてみたいと思っただけだ。斎藤一の【妻】としてな。」
「・・・・・・。」
斎藤の言葉にぐっと胸が熱くなりつつも、それは・・・と、武尊が言葉に出せぬ言葉に詰まっていると、
「ちょっと焼いているだけだ。この先いつか武尊が違う男に女物の着物を着させられると思うとな。」
と、言って斎藤は眉間に深々と皺を入れた。
「俺はこの先武尊が他の男と一緒になったとしてもそれは仕方がないと前にも言ったが。」
「一・・。」
「だが、俺以下の男は許さん。例えば四乃森とか(四乃森とか、四乃森とか、四乃森とか・・。(延々以下略)」
「それはないって言ったでしょ。も~。」
武尊はそれでも焼いてくれているんだと思うと斎藤が可愛く思えた。
武尊が噴き出しそうな顔をしていると、煙草をポケットから出して、
「俺が認めた男は土方副長だけだ!それ以下は認めん!」
と、スパスパと火をつけた。
武尊は思いもしない斎藤の姿に目を丸くしながらも腕を組んで考えた。、
「比べる相手が副長だなんて・・・。(なんで副長!)。」
と武尊が言うと斎藤は、
「万が一、他の男に寄り添えなくても三途の川は俺が背負って渡る、案ずるな。」
と言った。
武尊は三途の川の話は一夜の夢物語かと思っていたので思わず目を見開いて斎藤を見た。
「ちゃんと待ってろよ。・・いや、俺が待っている・・・か。歳から言うと俺の方が先に逝ってるからな。なに・・あの世ではどんなに歳を取って死んだとしても若い姿で逝けるらしいからな、心配するな。」
と、念を押すようにピッと煙草を武尊に向けた。
「一・・・。」
武尊が斎藤の言葉に感無量で言葉を詰まらせた。
その途端に武尊のお腹がぐぅうう~となった。
武尊は顔を真っ赤にして慌て、斎藤は目を点にした後ククククと笑った。
そして、
「相変わらず正直な腹の虫だな。さて・・・そろそろ行くか・・・。嫁をこれ以上空腹にさせておくわけにいかないからな。」
と言い、カバンに手をかけた。
>>>紡ぐ糸【明治編・下巻(東京・会津編)】それぞれの道 に続く
余談雑談:
紡ぐ糸【明治編・中の四巻(東京)】最後までお読みくださいましてありがとうございました。
夢主の言葉の、
「昔も今も、いつまでも空は蒼く続いている・・・。」
これがこのHPのタイトルを決めた話です。
ようやくここに辿り着きました。
本当は斎藤さんが夢主を抱きしめているイラストが欲しかったのですが・・ボツになりました・・・。
その代りどうしても夢主の笑顔が描きたくて部屋の構図は超適当で描いてみました。
(変な所は目をつぶってください。)
これで物語は内容的には半分の所まで来ました。
次回はやっぱり今回に書ききれなかった別れのシーンを書いて、残りは余談と次章へ続く布石を書く事になるかと思います。
(歴史プチメモ)
電話機の発明は1876年(明治9年)、アレクサンダー・グラハム・ベルによってされました。
翌年(明治10年)にアメリカ合衆国から初めて電話を日本に2台輸出されました。
明治11年は日本製のベル式電話機1号機が完成・・・ということで街中のどこにも電話はありませんでした。
東京ー横浜でようやく電話サービスが始まったのが1890年(明治23年)です。
戦後、ジブリのトト○のアニメでも呼び出し電話でした。
どこの家にも黒電話がある・・そんな時代にやっとなったのが1970年代になってから。
通信機器に関しては本当、昔から考えたら夢のような世界ですよね。
そんな時代の申し子の夢主は明治でため息つきまくりでした。
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