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125.あんパン (蒼紫・夢主)
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蒼紫はこの辺の地理に不慣れな武尊は必ず来た道を戻ると予測していた。
来る時に通った雑木林を蒼紫は走った。
すると蒼紫は一本の立木にもたれかかって座っている人影を見つけた。
「武尊っ・・。」
声に気が付いた武尊が蒼紫を見た。
「どうしたの?」
そう言った武尊の目と鼻は赤かった。明らかに泣いたあとだった。
「背中の傷は大丈夫か。」
「武尊は泣いたのがバレバレなので困ったように笑って、
「大丈夫。(本当は全然大丈夫じゃないけど・・痛い、とにかく痛い)・・予測はしてたんだけどね・・なんか悔しくって。・・記憶がないのは困ったね。あれからどうなったの?」
「武尊の手土産を今三人で食べている所だ。緋村は相良を呼び戻しに行ったが。」
「そっか。食べてもらえてるなら良かった。蒼紫も食べてね、凄く美味しいの。時尾さんが一生懸命作ったから・・・っ・。」
時尾がどんなに心を込めて作ってくれたのか知っている武尊は申し訳なくて折角止まった涙がまた溢れてきた。
「・・う・・・・うっ・・。」
蒼紫に見られたくないと思っても涙はこぼれるし、押し殺した声は漏れるし、帰った時『どうでした武尊さん。』と聞かれたらなんて答えよう、と思うともっと涙が出てしまう。」
こんな情けない自分の姿なんて見ていても面白くないだろうと武尊は蒼紫に、
「帰り道分かるから大丈夫だよ。一人で帰れるし。」
と言った。
「”友”が泣いているときに横にいてやる時間ぐらいは俺にもある。」
と、蒼紫は帰るどころか、武尊の横に膝を立てて座った。
武尊はその言葉に余計にヒーンと泣いてしまった。
蒼紫は何も言わず横でじっと武尊を見守っていた。が、武尊の泣き具合も小さくなった頃、懐からあんパンを取り出し半分に割って武尊にその半分を差し出した。
「武尊、食べろ。」
「ひっく、え?何?」
制服の袖で涙をぬぐうと武尊は蒼紫の方を見るとそこには半分こされたあんパン。
蒼紫の気づかいにまたじわっと涙腺が緩むが、武尊はお礼を言って受け取り一口ぱくっと口にして言った。
「なんだかしょっぱいね・・このあんパン・・ふふ。」
嬉しい事や楽しい事は涙を止める。
ようやく武尊の涙も打ち止めとなったのだった。
来る時に通った雑木林を蒼紫は走った。
すると蒼紫は一本の立木にもたれかかって座っている人影を見つけた。
「武尊っ・・。」
声に気が付いた武尊が蒼紫を見た。
「どうしたの?」
そう言った武尊の目と鼻は赤かった。明らかに泣いたあとだった。
「背中の傷は大丈夫か。」
「武尊は泣いたのがバレバレなので困ったように笑って、
「大丈夫。(本当は全然大丈夫じゃないけど・・痛い、とにかく痛い)・・予測はしてたんだけどね・・なんか悔しくって。・・記憶がないのは困ったね。あれからどうなったの?」
「武尊の手土産を今三人で食べている所だ。緋村は相良を呼び戻しに行ったが。」
「そっか。食べてもらえてるなら良かった。蒼紫も食べてね、凄く美味しいの。時尾さんが一生懸命作ったから・・・っ・。」
時尾がどんなに心を込めて作ってくれたのか知っている武尊は申し訳なくて折角止まった涙がまた溢れてきた。
「・・う・・・・うっ・・。」
蒼紫に見られたくないと思っても涙はこぼれるし、押し殺した声は漏れるし、帰った時『どうでした武尊さん。』と聞かれたらなんて答えよう、と思うともっと涙が出てしまう。」
こんな情けない自分の姿なんて見ていても面白くないだろうと武尊は蒼紫に、
「帰り道分かるから大丈夫だよ。一人で帰れるし。」
と言った。
「”友”が泣いているときに横にいてやる時間ぐらいは俺にもある。」
と、蒼紫は帰るどころか、武尊の横に膝を立てて座った。
武尊はその言葉に余計にヒーンと泣いてしまった。
蒼紫は何も言わず横でじっと武尊を見守っていた。が、武尊の泣き具合も小さくなった頃、懐からあんパンを取り出し半分に割って武尊にその半分を差し出した。
「武尊、食べろ。」
「ひっく、え?何?」
制服の袖で涙をぬぐうと武尊は蒼紫の方を見るとそこには半分こされたあんパン。
蒼紫の気づかいにまたじわっと涙腺が緩むが、武尊はお礼を言って受け取り一口ぱくっと口にして言った。
「なんだかしょっぱいね・・このあんパン・・ふふ。」
嬉しい事や楽しい事は涙を止める。
ようやく武尊の涙も打ち止めとなったのだった。