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160.空はいつまでも蒼く (斎藤・夢主)
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「一・・・?」
第二ラウンドにしてはどうやら様子が違うなと思いつつ、武尊は枕を背もたれに上半身を起こした斎藤の左側に体重を預けた。
すると斎藤は就寝時、常に枕元に置く己の刀を取り出した。
そして己を見ている武尊を横に左手で柄を握り、右手でゆっくりと鞘を抜いて見せた。
鋼の刀身が窓の外の夕焼雲を反射し刃がスッと緩い弧を描いて光った。
武尊はいったい斎藤が何をするのかと固唾をのんで見ていた。
斎藤は抜いた鞘を置くと、右手で柄の下部を握り直し左手を離して武尊の左手を上から掴んでその手を柄に持って行った。
柄巻の感触に武尊はビクッとし、手を離そうとするが斎藤が武尊の手を包み込むように上からぐっと握っていて武尊は手を離すことが出来ない。
「は・・・一!」
刀はトラウマだと、武尊は悲痛な声で斎藤を呼んだが、斎藤は黙って今度は右手を離し、武尊の右手を掴んだ。
斎藤よりずっと短い武尊の腕。
それでも斎藤は武尊の手を掴んだまま、その腕をすっと刀の棟へ伸ばした。
「これが牙突だ、武尊。」
斎藤が取ったのは上半身の牙突構え。
まるで正面に敵がいるかのように鋭い目を向け、殺気を飛ばす斎藤に武尊は身震いして鳥肌を立てた。
だが斎藤の【気】が武尊にじわじわと伝わると武尊は自分の血が沸騰していくようにたぎってくるのを感じた。
「一・・・。」
武尊は不思議と高鳴る鼓動を押さえながら上ずった声で斎藤の名を呼んだ。
「見たいと言っただろ。」
武尊の脳裏にあのゲリラ豪雨の中、蒼紫に向かって牙突を放つ斎藤の瞬時の姿がよみがえった。
もっともその姿はすぐ後の落雷の光線によって何も見えなくなってしまってはいたのだが。
自分で支えているわけではないのに斎藤の刀がズンと重く感じられる。
そしてものすごい緊張感がその場を包んだ。
「武尊。」
低い声で斎藤が武尊を呼ぶ。
「いいか、一度闘うと決めたら迷うな、逃げるな。そして貫け、己の正義を。いいな。」
「一・・・。」
武尊は目を見開いて斎藤を見つめた。
斎藤はようやく武尊の右手を解放すると、鞘を取って刀を収めた。
放心しているのか、目を大きくしたままの武尊に斎藤はやっと表情を緩めて武尊の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「大丈夫だ、言わずとも武尊は己自身で動けるはずだ。俺が保証する。なぜなら俺達は魂を共有している。・・・分かるさ。」
「一・・・。」
斎藤は刀を枕元に置き直すと、武尊にがばっと組み付いた。
「さあ、第二戦目といくか。」
「え!?ちょ・・ちょっと待って!急にそんな気分には・・・
「案ずるな、すぐその気にさせてやる。」
斎藤は武尊の両手首をつかむとゆっくりベッドに押し倒した。
そしてより熱い視線で武尊を見つめた。
武尊も目を大きくして斎藤の視線を受け止めた。
暫く見詰め合った後、斎藤の唇と武尊の唇が重なった。
長い長い口付け。
今夜で最後。
今夜が最後。
二人は言葉少なくただ互いを感じあった。
一つとなった魂と身体は互いを理解した。
第二ラウンドにしてはどうやら様子が違うなと思いつつ、武尊は枕を背もたれに上半身を起こした斎藤の左側に体重を預けた。
すると斎藤は就寝時、常に枕元に置く己の刀を取り出した。
そして己を見ている武尊を横に左手で柄を握り、右手でゆっくりと鞘を抜いて見せた。
鋼の刀身が窓の外の夕焼雲を反射し刃がスッと緩い弧を描いて光った。
武尊はいったい斎藤が何をするのかと固唾をのんで見ていた。
斎藤は抜いた鞘を置くと、右手で柄の下部を握り直し左手を離して武尊の左手を上から掴んでその手を柄に持って行った。
柄巻の感触に武尊はビクッとし、手を離そうとするが斎藤が武尊の手を包み込むように上からぐっと握っていて武尊は手を離すことが出来ない。
「は・・・一!」
刀はトラウマだと、武尊は悲痛な声で斎藤を呼んだが、斎藤は黙って今度は右手を離し、武尊の右手を掴んだ。
斎藤よりずっと短い武尊の腕。
それでも斎藤は武尊の手を掴んだまま、その腕をすっと刀の棟へ伸ばした。
「これが牙突だ、武尊。」
斎藤が取ったのは上半身の牙突構え。
まるで正面に敵がいるかのように鋭い目を向け、殺気を飛ばす斎藤に武尊は身震いして鳥肌を立てた。
だが斎藤の【気】が武尊にじわじわと伝わると武尊は自分の血が沸騰していくようにたぎってくるのを感じた。
「一・・・。」
武尊は不思議と高鳴る鼓動を押さえながら上ずった声で斎藤の名を呼んだ。
「見たいと言っただろ。」
武尊の脳裏にあのゲリラ豪雨の中、蒼紫に向かって牙突を放つ斎藤の瞬時の姿がよみがえった。
もっともその姿はすぐ後の落雷の光線によって何も見えなくなってしまってはいたのだが。
自分で支えているわけではないのに斎藤の刀がズンと重く感じられる。
そしてものすごい緊張感がその場を包んだ。
「武尊。」
低い声で斎藤が武尊を呼ぶ。
「いいか、一度闘うと決めたら迷うな、逃げるな。そして貫け、己の正義を。いいな。」
「一・・・。」
武尊は目を見開いて斎藤を見つめた。
斎藤はようやく武尊の右手を解放すると、鞘を取って刀を収めた。
放心しているのか、目を大きくしたままの武尊に斎藤はやっと表情を緩めて武尊の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「大丈夫だ、言わずとも武尊は己自身で動けるはずだ。俺が保証する。なぜなら俺達は魂を共有している。・・・分かるさ。」
「一・・・。」
斎藤は刀を枕元に置き直すと、武尊にがばっと組み付いた。
「さあ、第二戦目といくか。」
「え!?ちょ・・ちょっと待って!急にそんな気分には・・・
「案ずるな、すぐその気にさせてやる。」
斎藤は武尊の両手首をつかむとゆっくりベッドに押し倒した。
そしてより熱い視線で武尊を見つめた。
武尊も目を大きくして斎藤の視線を受け止めた。
暫く見詰め合った後、斎藤の唇と武尊の唇が重なった。
長い長い口付け。
今夜で最後。
今夜が最後。
二人は言葉少なくただ互いを感じあった。
一つとなった魂と身体は互いを理解した。