※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
124.赤報隊準隊士 (蒼紫・夢主・緋村・薫・操・左之助・月岡)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ダンダンダン!
乱暴に長屋の入り口を叩く音がする。
「克、いるんだろう!開けろ!」
左之助が戸の前で大声を出すと、
「左之助・・、真昼間からうるせえぞ。」
と、ガタガタといわせながら戸を開けて中から月岡克浩が顔を出した。
「何だ、血相を変えて。いいネタでも持って来てくれたのかよ。」
元赤報隊準隊士、月岡克浩。
同胞の左之助と内務省襲撃に失敗してからブン屋として政府に対抗しようと活動中である。
「るせぇ、そんなわけねぇだろう。」
「じゃ、なんでそんなに血相変えて走って来たんだ。」
と言いながら月岡は左之助を長屋に入れた。
「出やがった・・あいつが出やがった・・。」
とハアハア言いながら月岡が差し出した柄杓の水を飲んだ。
「落ち着け左之助、何が出たんだ。」
「副隊長を殺ったやつだ・・。」
左之助の言葉に月岡の目がギラリと光った。
「何だと?!何しに・・、何処でそいつを見た、左之助!」
「神谷道場だ・・。ついさっきだ。俺はあいつをブッ飛ばそうとしたんだが、ちくしょう!一発以外全部かわされた。」
「お前ほどの腕前の男がか?」
月岡は信じられないと言った顔で左之助を見た。
「おうよ・・。」
左之助はよっぽど攻撃をかわされたのが悔しかったのかそう答えた後、ちっ、っと舌うちを三回もした。
「で、逃げてきたのか左之助。お前らしくない。」
「逃げてきたわけじゃねぇ、克!あいつが・・あいつが赤報隊なんか知らねぇなんてすっとぼけやがるから腹立たしさを通り過ぎてヤル気が失せただけだ。」
「何だと。」
月岡は左之助が見て来たという“奴”について考えを巡らせた。
年月が流れようとも、まだ明治になって十一年。
いくら世間で赤報隊が偽官軍の汚名を着せられようともあれだけ世間を騒がせた赤報隊の名を忘れることがあるものか、と。
しかも相手は直接赤報隊一番隊の副隊長を殺っているにもかかわらず、である。
「どうしてそいつが副隊長を殺ったって分かったんだ。」
という月岡の言葉に、
「相楽隊長が言ってたの覚えてるだろ。江戸へ行った副隊長を殺ったのは右頬の三本傷の若い男だって言ってたじゃねぇか。殺しておいて俺達の・・相楽隊長の・・赤報隊を知らねぇなんて・・許せねぇ!今更何にも知らねぇなんて白を切らせねぇぜ!」
ダン!と、左之助は左拳で床を叩いた。
「ちょっと待て左之助。」
頭に血が登っている左之助とは反対に月岡は冷静に言った。
「何だ!」
「確かに隊長がそう言っていたのは覚えている。だが右頬の三本傷だけで間違いなくその男だと断定できるのか。」
「こんなとこに三本も傷がある奴なんか他にいるわけがねぇ。しかも若い男とくれば間違いないだろ!」
「左之助、若い男と言ったよな。お前が殴った奴。」
「ああ、俺より五つぐらい上な感じの奴だ。」
月岡は左之助をじっと見た。
「何でぃ、克。」
「いや、そんなに若い男だったら十年前は十四、五だろ。おかしくねぇか。」
「十四、五でもやろうと思えばできるだろ!(実際剣心とか御頭とかやってたんだからな)」
「正しくは、相楽隊長は『右頬に三本傷の若い男に殺られたと聞いた』と言ったんだ。実際隊長は見たわけじゃない。それにお前が殴った奴は剣術師範の副隊長よりも凄腕の剣客なのか。」
「・・克、物書き初めて随分大人しくなったんじゃねぇか。この間まで内閣府ぶっとばそうって言ってた奴が。」
「左之助、憶測で喧嘩を売る何んぞお前らしくないぞ。『隊長が笑って見ててくれるやり方』でやってくんじゃなかったのか。」
相楽隊長が笑って見ててくれるやり方というのは弱き者が虐げられることなく暮らしていける社会を正しいやり方で作り上げていくというもの。決して理不尽に相手を傷つけることではない。
少し頭の冷えた左之助は確かに克の言う方に理あると思った。思ったが話も聞かずに最初にぶっとばしたのは自分だという後味の悪さから素直になれない。
「チッ。」
だが自分が間違っているとすれば剣心のあの態度はどう考える。
「もしあの野郎が副隊長の仇だったとしてもお前には一発もなぐらせねぇからな。」
と言うとガタっと戸を開け長屋を後にした。
乱暴に長屋の入り口を叩く音がする。
「克、いるんだろう!開けろ!」
左之助が戸の前で大声を出すと、
「左之助・・、真昼間からうるせえぞ。」
と、ガタガタといわせながら戸を開けて中から月岡克浩が顔を出した。
「何だ、血相を変えて。いいネタでも持って来てくれたのかよ。」
元赤報隊準隊士、月岡克浩。
同胞の左之助と内務省襲撃に失敗してからブン屋として政府に対抗しようと活動中である。
「るせぇ、そんなわけねぇだろう。」
「じゃ、なんでそんなに血相変えて走って来たんだ。」
と言いながら月岡は左之助を長屋に入れた。
「出やがった・・あいつが出やがった・・。」
とハアハア言いながら月岡が差し出した柄杓の水を飲んだ。
「落ち着け左之助、何が出たんだ。」
「副隊長を殺ったやつだ・・。」
左之助の言葉に月岡の目がギラリと光った。
「何だと?!何しに・・、何処でそいつを見た、左之助!」
「神谷道場だ・・。ついさっきだ。俺はあいつをブッ飛ばそうとしたんだが、ちくしょう!一発以外全部かわされた。」
「お前ほどの腕前の男がか?」
月岡は信じられないと言った顔で左之助を見た。
「おうよ・・。」
左之助はよっぽど攻撃をかわされたのが悔しかったのかそう答えた後、ちっ、っと舌うちを三回もした。
「で、逃げてきたのか左之助。お前らしくない。」
「逃げてきたわけじゃねぇ、克!あいつが・・あいつが赤報隊なんか知らねぇなんてすっとぼけやがるから腹立たしさを通り過ぎてヤル気が失せただけだ。」
「何だと。」
月岡は左之助が見て来たという“奴”について考えを巡らせた。
年月が流れようとも、まだ明治になって十一年。
いくら世間で赤報隊が偽官軍の汚名を着せられようともあれだけ世間を騒がせた赤報隊の名を忘れることがあるものか、と。
しかも相手は直接赤報隊一番隊の副隊長を殺っているにもかかわらず、である。
「どうしてそいつが副隊長を殺ったって分かったんだ。」
という月岡の言葉に、
「相楽隊長が言ってたの覚えてるだろ。江戸へ行った副隊長を殺ったのは右頬の三本傷の若い男だって言ってたじゃねぇか。殺しておいて俺達の・・相楽隊長の・・赤報隊を知らねぇなんて・・許せねぇ!今更何にも知らねぇなんて白を切らせねぇぜ!」
ダン!と、左之助は左拳で床を叩いた。
「ちょっと待て左之助。」
頭に血が登っている左之助とは反対に月岡は冷静に言った。
「何だ!」
「確かに隊長がそう言っていたのは覚えている。だが右頬の三本傷だけで間違いなくその男だと断定できるのか。」
「こんなとこに三本も傷がある奴なんか他にいるわけがねぇ。しかも若い男とくれば間違いないだろ!」
「左之助、若い男と言ったよな。お前が殴った奴。」
「ああ、俺より五つぐらい上な感じの奴だ。」
月岡は左之助をじっと見た。
「何でぃ、克。」
「いや、そんなに若い男だったら十年前は十四、五だろ。おかしくねぇか。」
「十四、五でもやろうと思えばできるだろ!(実際剣心とか御頭とかやってたんだからな)」
「正しくは、相楽隊長は『右頬に三本傷の若い男に殺られたと聞いた』と言ったんだ。実際隊長は見たわけじゃない。それにお前が殴った奴は剣術師範の副隊長よりも凄腕の剣客なのか。」
「・・克、物書き初めて随分大人しくなったんじゃねぇか。この間まで内閣府ぶっとばそうって言ってた奴が。」
「左之助、憶測で喧嘩を売る何んぞお前らしくないぞ。『隊長が笑って見ててくれるやり方』でやってくんじゃなかったのか。」
相楽隊長が笑って見ててくれるやり方というのは弱き者が虐げられることなく暮らしていける社会を正しいやり方で作り上げていくというもの。決して理不尽に相手を傷つけることではない。
少し頭の冷えた左之助は確かに克の言う方に理あると思った。思ったが話も聞かずに最初にぶっとばしたのは自分だという後味の悪さから素直になれない。
「チッ。」
だが自分が間違っているとすれば剣心のあの態度はどう考える。
「もしあの野郎が副隊長の仇だったとしてもお前には一発もなぐらせねぇからな。」
と言うとガタっと戸を開け長屋を後にした。