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147.横浜別荘地(縁アジト跡地) (斎藤・夢主)
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斎藤は階段下の塔に続く通路に入って行く武尊の後ろ姿を見送るとゆっくりと階段を上った。
この洋館は南東の一角だけ塔になっていてそこだけ四階、そして地下室がある。
斎藤は三階の南西の角部屋に入った。
武尊は三十分以上時間をかけて洋館を探検した。
雪代縁の事件を一応資料で目を通していて横浜にアジトがあったと記されてあったが、今現在は特にその痕跡はなく、何処も普通にきれいな部屋だった。
外印が死体を切り刻んでいたあの地下室でさえも同様であった。
ただ、武尊は地下へ続く扉を開けた瞬間吐き気がしてすぐに扉を閉めたのだったが。
塔、裏庭、大部屋小部屋、客室、全てを回って武尊は三階に着いた。
斎藤がいると思った三階中央の書斎には斎藤はいなくて、最後の部屋・・・南東の角部屋でやっと武尊は斎藤を発見した。
「やっといた・・・って、斎藤さん何してるんですか?」
てっきり斎藤は書斎か何かで調べものか書き物をしていると思っていた武尊だったが、斎藤は南側の窓を開け、そこで景色を見ながら煙草を吸っていた。
「見ればわかるだろう。どうだったんだ、館内の捜索は。」
「いろんな意味で楽しかったですよ、地下室以外は。」
と、武尊は窓辺の斎藤の傍に行って窓から外を見渡した。
「うわ~さすが三階!いい景色ですね!海も見えるし!風が気持ちいいです。」
絶景だと喜んだ武尊だったが、ふと疑問が湧いた。
「でもどうしてベッドルームなんです?てっきり書斎にいるんだと思ってましたのに。」
「ベッドルーム?」
斎藤のカタカナ語にハッとした武尊。
洋物ばっかりだったのでうっかり英語が出てしまってしまったと思った。
「あ、ああ~、ええと、寝室・・・じゃなくて寝所という意味です。」
「異国の言葉を知っているのか?」
「ええ・・・ちょっとだけ・・まあいろいろと・・・勉強しましたので。」
変に視線を逸らすと突っ込まれそうで武尊はドキドキしながら平然を装った。
「母成峠の戦いよりあの怪我を負い女一人で生きて来たんだろ、この十年の武尊の身の上も俺には想像がつかんぐらいの事もあったに違いないがその中で異国の言葉を学んだという選択肢は悪くないな・・・これからの時代はもっと言葉が必要になる。」
なんか違うが斎藤が都合のいい解釈をしてくれた事に武尊は助かったとホッと胸を撫で下ろした。
そして武尊はこの部屋で存在感を主張するベッドに目が向いた。
この洋館を最初に建てた主人は景色が良いこの部屋を自分用にあてがったのだろうか、サイズは他の寝室より大きくキングサイズほど。
紛れもなく海外直輸入物だと確信できる作りでかなり立派なベッドだ。
武尊は現代でホテルに宿泊の際、つい、やってしまう癖がある。
それはどれだけスプリングが効いているか・・・だ。
武尊はベッドに近づくと、
「えいっ!」
と、ベッドに飛び込んだのだがその瞬間、ドンと木の板に重力がかかる低い音がした。
(スプリングが入ってない・・・ウソぉ・・・。)
ベッドの上にうつ伏せになっている武尊に斎藤が近づいた。
「何をやっている。」
武尊は気恥しかったが顔を斎藤に向け、
「ちょっと硬さを・・・。」
と言うと、斎藤は武尊の横で白手で掛布団を押さえながら
「なるほど。」
と言いながら武尊の横に座った。
「しかし便利なのかそうでないのか・・・。」
と斎藤が呟く。
「何がですか?」
と、言いながら武尊は起き上がって座り直した。
軽く首を傾げながら自分を見る武尊に、斎藤は吸っていた煙草を床に落とし靴底で消しながら武尊の片手を捕まえた。
「何ってこれしかないだろう。」
と、含みのある言葉に武尊の手が反射的に縮もうとするがそれを予測していたかのような斎藤の手が武尊の手をしっかりつかんで離さなかった。
その握りの強さに、
(もしかして斎藤さんヤル気?!今?ここで?まさかっ・・・!)
と武尊は焦った。
「斎藤さん!今は仕事中ですよ!こういう事は帰ってからの方がいいんじゃないですか!それに日は高いし、なによりここって人の家じゃないですか!」
「別に武尊を抱くのに昼だろうが夜だろうが決まっている訳じゃないだろう。」
「それは・・・。」
「それにここはまだ雪代縁の件で警視庁預かりの物件なんだ、つまり俺が使うになんの支障もない。」
「でもっ、仕事ちゅ・・。」
「今回の俺の仕事はまさにこれだ。」
「えっ!??」
「最近上司の言う事を聞かない部下がいてな、この際きっちり躾る時間を取ることに決めた。」
「ま、待って下さい!それって私ですか?(張じゃなくて?!)」
「俺は昨晩武尊に帰って来いと言ったはずだ。」
「そ、それは・・・。」
余談雑談:
・ベッドのスプリングについて。
最初はベッドでボヨンとスプリングに跳ねる夢主や、今後もし斎藤さんがここで情事を行えばギシギシとスプリングが軋む音を入れようと思っていたのですが・・・
ネット情報(:ベッドの老舗シモンズ様)によりますと、1870年に世界初のマットレスなるものが出来たそうです。
1876年にスプリングを用いたマットレスの大量生産に着手。
明治11年は1878年なので夢主が座っているベッドは搬入された時期を予測するとスプリグ入りベッドである可能性はちょっと低い。
しかもマットレスにらせん状のスプリングが導入されたのは1889年だとか。
ですので跳ねないベッド、、、という設定を採用ー!
2014. 5. 9
この洋館は南東の一角だけ塔になっていてそこだけ四階、そして地下室がある。
斎藤は三階の南西の角部屋に入った。
武尊は三十分以上時間をかけて洋館を探検した。
雪代縁の事件を一応資料で目を通していて横浜にアジトがあったと記されてあったが、今現在は特にその痕跡はなく、何処も普通にきれいな部屋だった。
外印が死体を切り刻んでいたあの地下室でさえも同様であった。
ただ、武尊は地下へ続く扉を開けた瞬間吐き気がしてすぐに扉を閉めたのだったが。
塔、裏庭、大部屋小部屋、客室、全てを回って武尊は三階に着いた。
斎藤がいると思った三階中央の書斎には斎藤はいなくて、最後の部屋・・・南東の角部屋でやっと武尊は斎藤を発見した。
「やっといた・・・って、斎藤さん何してるんですか?」
てっきり斎藤は書斎か何かで調べものか書き物をしていると思っていた武尊だったが、斎藤は南側の窓を開け、そこで景色を見ながら煙草を吸っていた。
「見ればわかるだろう。どうだったんだ、館内の捜索は。」
「いろんな意味で楽しかったですよ、地下室以外は。」
と、武尊は窓辺の斎藤の傍に行って窓から外を見渡した。
「うわ~さすが三階!いい景色ですね!海も見えるし!風が気持ちいいです。」
絶景だと喜んだ武尊だったが、ふと疑問が湧いた。
「でもどうしてベッドルームなんです?てっきり書斎にいるんだと思ってましたのに。」
「ベッドルーム?」
斎藤のカタカナ語にハッとした武尊。
洋物ばっかりだったのでうっかり英語が出てしまってしまったと思った。
「あ、ああ~、ええと、寝室・・・じゃなくて寝所という意味です。」
「異国の言葉を知っているのか?」
「ええ・・・ちょっとだけ・・まあいろいろと・・・勉強しましたので。」
変に視線を逸らすと突っ込まれそうで武尊はドキドキしながら平然を装った。
「母成峠の戦いよりあの怪我を負い女一人で生きて来たんだろ、この十年の武尊の身の上も俺には想像がつかんぐらいの事もあったに違いないがその中で異国の言葉を学んだという選択肢は悪くないな・・・これからの時代はもっと言葉が必要になる。」
なんか違うが斎藤が都合のいい解釈をしてくれた事に武尊は助かったとホッと胸を撫で下ろした。
そして武尊はこの部屋で存在感を主張するベッドに目が向いた。
この洋館を最初に建てた主人は景色が良いこの部屋を自分用にあてがったのだろうか、サイズは他の寝室より大きくキングサイズほど。
紛れもなく海外直輸入物だと確信できる作りでかなり立派なベッドだ。
武尊は現代でホテルに宿泊の際、つい、やってしまう癖がある。
それはどれだけスプリングが効いているか・・・だ。
武尊はベッドに近づくと、
「えいっ!」
と、ベッドに飛び込んだのだがその瞬間、ドンと木の板に重力がかかる低い音がした。
(スプリングが入ってない・・・ウソぉ・・・。)
ベッドの上にうつ伏せになっている武尊に斎藤が近づいた。
「何をやっている。」
武尊は気恥しかったが顔を斎藤に向け、
「ちょっと硬さを・・・。」
と言うと、斎藤は武尊の横で白手で掛布団を押さえながら
「なるほど。」
と言いながら武尊の横に座った。
「しかし便利なのかそうでないのか・・・。」
と斎藤が呟く。
「何がですか?」
と、言いながら武尊は起き上がって座り直した。
軽く首を傾げながら自分を見る武尊に、斎藤は吸っていた煙草を床に落とし靴底で消しながら武尊の片手を捕まえた。
「何ってこれしかないだろう。」
と、含みのある言葉に武尊の手が反射的に縮もうとするがそれを予測していたかのような斎藤の手が武尊の手をしっかりつかんで離さなかった。
その握りの強さに、
(もしかして斎藤さんヤル気?!今?ここで?まさかっ・・・!)
と武尊は焦った。
「斎藤さん!今は仕事中ですよ!こういう事は帰ってからの方がいいんじゃないですか!それに日は高いし、なによりここって人の家じゃないですか!」
「別に武尊を抱くのに昼だろうが夜だろうが決まっている訳じゃないだろう。」
「それは・・・。」
「それにここはまだ雪代縁の件で警視庁預かりの物件なんだ、つまり俺が使うになんの支障もない。」
「でもっ、仕事ちゅ・・。」
「今回の俺の仕事はまさにこれだ。」
「えっ!??」
「最近上司の言う事を聞かない部下がいてな、この際きっちり躾る時間を取ることに決めた。」
「ま、待って下さい!それって私ですか?(張じゃなくて?!)」
「俺は昨晩武尊に帰って来いと言ったはずだ。」
「そ、それは・・・。」
余談雑談:
・ベッドのスプリングについて。
最初はベッドでボヨンとスプリングに跳ねる夢主や、今後もし斎藤さんがここで情事を行えばギシギシとスプリングが軋む音を入れようと思っていたのですが・・・
ネット情報(:ベッドの老舗シモンズ様)によりますと、1870年に世界初のマットレスなるものが出来たそうです。
1876年にスプリングを用いたマットレスの大量生産に着手。
明治11年は1878年なので夢主が座っているベッドは搬入された時期を予測するとスプリグ入りベッドである可能性はちょっと低い。
しかもマットレスにらせん状のスプリングが導入されたのは1889年だとか。
ですので跳ねないベッド、、、という設定を採用ー!
2014. 5. 9