※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
145.それぞれの朝 (蒼紫・剣心・張・夢主・斎藤・時尾)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝餉も終わり、表に引っ越し家財を積んだ大八車を出していよいよ出発の時が来た。
武尊は出来るだけ斎藤と時尾が話が出来るように自分の立ち位置を気を使い、その傍ら自分は張と話をして時間を潰した。
・・・時々飛んでくる斎藤の視線は無視しながら。
藤田夫婦の話が終わり出発の際、武尊は時尾にこの約一ヶ月のお礼を言った。
「時尾さん、短い間でしたがありがとうございました。とても楽しく過ごさせて頂きました。どうか、いつまでも御元気で。」
「武尊さん、私もこの一ヶ月が東京に来て一番楽しい時でした。どうか会津に来られましたら是非家にお寄りになってくださいね。」
「ありがとうございます。時尾さんの手料理が頂けるのでしたら是非。」
「必ずよ。」
と、時尾は武尊の手を取って握りしめた。
「時尾さん・・・。」
武尊は小さいながらも力強いその手が嬉し寂しかった。
「お元気で武尊さん、私の大切なお友達・・・。」
そう言って時尾は夫の元へ行った。
「では五郎さん、お正月を待ってますわ。勉の事はこの身に変えても守って育てますので安心してお勤め下さいませ。」
「嗚呼・・・、あまり無理はするなよ。姑様や母上様によろしく伝えておいてくれ。」
「はい。」
名残惜しそうにしながらも時尾は夫に一礼し、会津へと帰って行った。
斎藤と武尊はその姿が見えなくなるまで見送った。
二人は見えなくなってもその場にしばらく立っていた。
武尊は何か心の中の一つを失った感じがしていた。
「行っちゃったね・・・。」
と武尊が時尾が行ってしまった道を見たまま言うと、
「嗚呼・・・。」
と横に立っている斎藤が返事をした。
その返事に武尊が思わず斎藤の方を振り向くと斎藤も武尊の方を見て、それから武尊の髪をくしゃくしゃとした。
「うわっぷ!いきなり何するんですか!」
武尊の慌てぶりを横に斎藤は落ち着いて煙草を咥え直して、
「行くぞ。」
と言った。
「って、どこ行くんですか。」
「とりあえず、警視庁だ。どうせ大包平の事は事後報告なんだろ。」
「え!?若しかして御見通し?」
「当たり前だ。ったく・・・何時思いついたんだ張に持たせるなんぞ。」
「昨晩・・・急に、ね。」
「お陰で俺も時尾も待ちぼうけを喰らってしまったというわけだ。」
「すみません・・・。」
でも、夫婦最後の夜は邪魔しちゃいけないでしょと、武尊は斎藤に眼で訴えると、
「折角時尾と三人そろって川の字で寝ようと言ってたのにな。」
と、斎藤が言ってきた。
「は?御冗談でしょ?」
意表を突く斎藤の言葉に武尊は目を点にした。
「これが冗談を言っている眼に見えるか?」
「うっ・・・。」
「もちろん俺が真ん中だがな。」
それは昨晩斎藤と時尾が冗談交じりに話した事であったがそれも実際ありだと斎藤は思った・・・その方が一晩武尊をあの連中の中に放り出しておくなんかよりよっぽどよかったからである。
「・・・・・。」
そんな斎藤の話を聞いて、何を考えているんだこの夫婦は・・と悩みつつ武尊は斎藤と警視庁へ向かった。
2014. 4.26
武尊は出来るだけ斎藤と時尾が話が出来るように自分の立ち位置を気を使い、その傍ら自分は張と話をして時間を潰した。
・・・時々飛んでくる斎藤の視線は無視しながら。
藤田夫婦の話が終わり出発の際、武尊は時尾にこの約一ヶ月のお礼を言った。
「時尾さん、短い間でしたがありがとうございました。とても楽しく過ごさせて頂きました。どうか、いつまでも御元気で。」
「武尊さん、私もこの一ヶ月が東京に来て一番楽しい時でした。どうか会津に来られましたら是非家にお寄りになってくださいね。」
「ありがとうございます。時尾さんの手料理が頂けるのでしたら是非。」
「必ずよ。」
と、時尾は武尊の手を取って握りしめた。
「時尾さん・・・。」
武尊は小さいながらも力強いその手が嬉し寂しかった。
「お元気で武尊さん、私の大切なお友達・・・。」
そう言って時尾は夫の元へ行った。
「では五郎さん、お正月を待ってますわ。勉の事はこの身に変えても守って育てますので安心してお勤め下さいませ。」
「嗚呼・・・、あまり無理はするなよ。姑様や母上様によろしく伝えておいてくれ。」
「はい。」
名残惜しそうにしながらも時尾は夫に一礼し、会津へと帰って行った。
斎藤と武尊はその姿が見えなくなるまで見送った。
二人は見えなくなってもその場にしばらく立っていた。
武尊は何か心の中の一つを失った感じがしていた。
「行っちゃったね・・・。」
と武尊が時尾が行ってしまった道を見たまま言うと、
「嗚呼・・・。」
と横に立っている斎藤が返事をした。
その返事に武尊が思わず斎藤の方を振り向くと斎藤も武尊の方を見て、それから武尊の髪をくしゃくしゃとした。
「うわっぷ!いきなり何するんですか!」
武尊の慌てぶりを横に斎藤は落ち着いて煙草を咥え直して、
「行くぞ。」
と言った。
「って、どこ行くんですか。」
「とりあえず、警視庁だ。どうせ大包平の事は事後報告なんだろ。」
「え!?若しかして御見通し?」
「当たり前だ。ったく・・・何時思いついたんだ張に持たせるなんぞ。」
「昨晩・・・急に、ね。」
「お陰で俺も時尾も待ちぼうけを喰らってしまったというわけだ。」
「すみません・・・。」
でも、夫婦最後の夜は邪魔しちゃいけないでしょと、武尊は斎藤に眼で訴えると、
「折角時尾と三人そろって川の字で寝ようと言ってたのにな。」
と、斎藤が言ってきた。
「は?御冗談でしょ?」
意表を突く斎藤の言葉に武尊は目を点にした。
「これが冗談を言っている眼に見えるか?」
「うっ・・・。」
「もちろん俺が真ん中だがな。」
それは昨晩斎藤と時尾が冗談交じりに話した事であったがそれも実際ありだと斎藤は思った・・・その方が一晩武尊をあの連中の中に放り出しておくなんかよりよっぽどよかったからである。
「・・・・・。」
そんな斎藤の話を聞いて、何を考えているんだこの夫婦は・・と悩みつつ武尊は斎藤と警視庁へ向かった。
2014. 4.26