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145.それぞれの朝 (蒼紫・剣心・張・夢主・斎藤・時尾)
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一時間後、時尾は朝餉を食べながら武尊が遅いと心配していた。
斎藤はすでに食べ終わっていて同じく遅いとイライラしていた。
昨晩蒼紫が警視庁へ向かう様に誘導したものの、今になって自分の判断に誤算があったのではないかと思うと煙草を吸ってはみるが全然心が落ち着かない。
そんな斎藤の脳内は警視庁の自室で【蒼紫と張が武尊を襲っている図】がちらついてこめかみに青筋が浮き出ている。
そんな時、
「ただ今帰りました~。」
と、裏口から武尊の声がして斎藤と時尾の血圧がすっと下がった。
武尊は裏口から入って来て朝食をとっているであろう二人のいる居間へと庭から回った。
「ホンマにええんか、わいも中に入って。」
「大丈夫だって、朝餉を一緒に頂こうよ。」
というが張は内心ドキドキしながら武尊の後について行った。
庭で武尊と張は斎藤と時尾と目を合わせた瞬間、
「何だお前は。」
と、張は早速斎藤から突っ込みを受けた。
そこに
「おはようございます、藤田警部補、時尾さん。」
と、武尊がにこっと切り返す。
「昨日、張を説得して会津まで時尾さんの警護をしてもらうことになったんです。」
斎藤は開いた口が塞がらなかった。
何の話をする為に警視庁に居残りしたかと思えばそういう事かと斎藤は武尊達の方を見た。
そしてついでに張を視界に入れると張の手にはあの大包平があるではないか。
なるほどそういう事かと思いながら斎藤は張と武尊の様子を詳細にチェックした。
何もやましいことをしていない様子が分かると斎藤は少しだけほっとした。
「了解していただけますか藤田警部補、人足のおじさん一人だと私も時尾さんの事が心配だし。」
そう、家財道具を積んだ大八車を引くために人足を一人雇ったのであるが時尾さんも色気漂う人妻、万が一の事があってはと武尊は心配していたのだ。
それは斎藤も同じであり、張なら阿呆ながらも自分を知っているだけに絶対時尾に手出しはしないと分かっていて、人足に対してもまた、暴漢に対してもその点だけは安心は出来るのであった。
「・・・いいだろう。」
斎藤の許可に
「やったー!」
と武尊は喜んだ。
「時尾、武尊とそこのほうき頭に朝餉を出してやれ。」
「わっ、お腹ぺこぺこだったんだ!縁側で食べますね!」
と、朝食が嬉しくて満面の笑みを浮かべる武尊に斎藤は立ちあがって時尾の耳元で何かぼそぼそと言うと時尾もぼそぼそと言葉を返し、斎藤は部屋を出て行った。
「あれ?藤田警部補は何処へ?」
厠とは違う方向へ消えた斎藤の行方を武尊は時尾に尋ねた。
「さあ・・何だか思い出したことがあるみたいですけど。」
「そうですか・・・あ、すみません、急に同僚を連れて来て。」
「いえ、道中御一緒して下さるのは助かりますわ。」
と、時尾は張に微笑んだ。
「へえ、わいは沢下条張と言います。」
「よろしくお願いいたしますね、沢下条さん。今朝餉をお持ちいたしますね。」
「おおきに奥さん。」
時尾は一礼すると台所へ戻り二人分の朝餉を持って来た。
「急いで食べますね、時尾さん。じゃないと出発が遅くなっちゃう。」
「急がなくても大丈夫ですよ。」
「それから坂道は張が荷車押しますからね(前から引っ張るのは人足さん)、時尾さんは頭を打って間もないんですから疲れたら荷車に乗って下さいね。力持ちが二人もいるんだから遠慮しないでくださいね。ね、張。」
「せや、わいがおるからには安心してええさかい。」
「まぁ、頼もしい。」
張の大見得につい笑ってしまう時尾であった。
斎藤はすでに食べ終わっていて同じく遅いとイライラしていた。
昨晩蒼紫が警視庁へ向かう様に誘導したものの、今になって自分の判断に誤算があったのではないかと思うと煙草を吸ってはみるが全然心が落ち着かない。
そんな斎藤の脳内は警視庁の自室で【蒼紫と張が武尊を襲っている図】がちらついてこめかみに青筋が浮き出ている。
そんな時、
「ただ今帰りました~。」
と、裏口から武尊の声がして斎藤と時尾の血圧がすっと下がった。
武尊は裏口から入って来て朝食をとっているであろう二人のいる居間へと庭から回った。
「ホンマにええんか、わいも中に入って。」
「大丈夫だって、朝餉を一緒に頂こうよ。」
というが張は内心ドキドキしながら武尊の後について行った。
庭で武尊と張は斎藤と時尾と目を合わせた瞬間、
「何だお前は。」
と、張は早速斎藤から突っ込みを受けた。
そこに
「おはようございます、藤田警部補、時尾さん。」
と、武尊がにこっと切り返す。
「昨日、張を説得して会津まで時尾さんの警護をしてもらうことになったんです。」
斎藤は開いた口が塞がらなかった。
何の話をする為に警視庁に居残りしたかと思えばそういう事かと斎藤は武尊達の方を見た。
そしてついでに張を視界に入れると張の手にはあの大包平があるではないか。
なるほどそういう事かと思いながら斎藤は張と武尊の様子を詳細にチェックした。
何もやましいことをしていない様子が分かると斎藤は少しだけほっとした。
「了解していただけますか藤田警部補、人足のおじさん一人だと私も時尾さんの事が心配だし。」
そう、家財道具を積んだ大八車を引くために人足を一人雇ったのであるが時尾さんも色気漂う人妻、万が一の事があってはと武尊は心配していたのだ。
それは斎藤も同じであり、張なら阿呆ながらも自分を知っているだけに絶対時尾に手出しはしないと分かっていて、人足に対してもまた、暴漢に対してもその点だけは安心は出来るのであった。
「・・・いいだろう。」
斎藤の許可に
「やったー!」
と武尊は喜んだ。
「時尾、武尊とそこのほうき頭に朝餉を出してやれ。」
「わっ、お腹ぺこぺこだったんだ!縁側で食べますね!」
と、朝食が嬉しくて満面の笑みを浮かべる武尊に斎藤は立ちあがって時尾の耳元で何かぼそぼそと言うと時尾もぼそぼそと言葉を返し、斎藤は部屋を出て行った。
「あれ?藤田警部補は何処へ?」
厠とは違う方向へ消えた斎藤の行方を武尊は時尾に尋ねた。
「さあ・・何だか思い出したことがあるみたいですけど。」
「そうですか・・・あ、すみません、急に同僚を連れて来て。」
「いえ、道中御一緒して下さるのは助かりますわ。」
と、時尾は張に微笑んだ。
「へえ、わいは沢下条張と言います。」
「よろしくお願いいたしますね、沢下条さん。今朝餉をお持ちいたしますね。」
「おおきに奥さん。」
時尾は一礼すると台所へ戻り二人分の朝餉を持って来た。
「急いで食べますね、時尾さん。じゃないと出発が遅くなっちゃう。」
「急がなくても大丈夫ですよ。」
「それから坂道は張が荷車押しますからね(前から引っ張るのは人足さん)、時尾さんは頭を打って間もないんですから疲れたら荷車に乗って下さいね。力持ちが二人もいるんだから遠慮しないでくださいね。ね、張。」
「せや、わいがおるからには安心してええさかい。」
「まぁ、頼もしい。」
張の大見得につい笑ってしまう時尾であった。